ショックや悲しみは 「相手思い」と「自分本位」を繰り返す不定形。


地震についてLINEで「大丈夫か」と尋ねてくれた幼なじみKちゃん
「大丈夫!それはそうとカラダは大丈夫?」と返したら
その後、返事がないので
もしや、体調が悪くないかと心配になりました。
もともとあまり調子がよくなかったからです。


案の定、大きな病院で検査をして
即刻入院を進められるほどで
「重篤な状態ですよ」と言われたのだとか。


わたしは、今年に入って生後2か月の犬を迎えたことで
生活が激変し、なにが大変って
「仕事と暮らしをスケジュールどおりに回していく」ことが
ほんとに大変でした。


そんなこんなで3月いっぱいまでは
心身ともにまったく余裕なし。
4月以降もなかなかバタバタとして
幼なじみに連絡していなかったのです。


Kちゃんに聞いた症状を
ネットで検索すると
すぐにどう、ということはなくても
なかなかに難しい様子で
入院中の検査次第では
別の重大な病も見つかる可能性があるとのこと。


仕事帰りにその長文の返事を見て
地震以上に動揺しました。


やばい、やばい、やばい。


小学校3年から今まで
およそ半世紀におよぶ、
あの場面、この場面。
いっしょに暮らしたあの場面、この場面。
あの表情、この表情。
あの声、あの言葉…
ありとあらゆる場面が浮かんで
乗り物のなかで泣けてきます。


あああ。1度も嫌なこと言われてない!
一度も否定されたことがない!
あああああ。やばい、どうしよう!!
臨終の場面にかけつけて呆然自失する自分まで想像して
悲しみと絶望は頂点にいたり、
その後、落ち着きました。嘘のように。


翌日、電話すると
Kちゃんは別の病院に検査に行っていて
「いま、ちょっと。ごめん」と言いました。
何ごとかに一人で立ち向かう冷静で落ち着いた声です。


その翌日、(つまり昨日)電話すると家にいて
泣き言&グチ満載のいつものKちゃんでした。
でも、「いつもの泣き言とグチ」なことがすごい。
冷静で悲劇的にならず、
通常運転なのがすごいと思いました。


最初の劇的なまでの悲しみや盛り上がりは
ちょっと恥ずかしいような
あまりに情緒的なような気がするけど、
それもショックのひとつの形だったんでしょう。


それから、症状をネットで調べたり、
自分のカラダも心配になったり、
「相手思い」と「自分本位」を繰り返しながら
Kちゃんのことは頭から離れません。


ショックや悲しみは
強弱のある、不定形なものなの。
「相手思い」と「自分本位」を繰り返す。



そういうものなのかも。


その揺らぎのなかに身を置くことが
「ショックのなかにいる」ことの証かもしれません。


みなさんも、お体ご自愛ください。
そして、やっぱり、声をかけることは大切ですね。




 ~介護に関するイベントを開きます~

ウェブマガジン「どうする?Over40」で連載中の
「介護の言葉」に詳細がありますが、
7月に介護について語り合い、楽になり、風が通るような
おいしいもの付きのイベントを開くことになりました。

もちろん、わたしも登場します!
介護中の方はもちろん、興味のある方、ぜひご参加ください。
いろいろおしゃべりしましょう。
詳細は、7月頭にお知らせします!
介護の言葉、今回は、介護する人を救ってくれる情報ってほとんどないことについて。
ぜひお読みください。

  
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「怖かったけどね」と控えめに語ってしまう、私たちの地震体験。


一昨日の地震で家の中は大変なことになりましたが、
余震も少しずつおさまっているように感じます。


高槻などライフラインの止まっている地域のみなさんは、
不安と不自由とで大変なご苦労をされていると思います。
雨も降っています。
給水車への行き帰り、
傘を片手に通うのはたとえ車であっても
疲れた体にはきついです。
雨め。腹立つ。


地震のあと、近所の人や友だちと話すと
どこか「怖かったけど、ま、仕方ないよね」
「家のなか、めちゃめちゃになったけどね(笑)」という
控えめなニュアンスを感じます。


阪神大震災のときに
震度5程度を経験したというのもあるかもしれませんが、
「阪神淡路大震災の神戸や東日本大震災、
熊本地震なんかと比べるとこの程度で騒ぎ立てるのはね」
という感覚があるとでもいいましょうか。


その感覚は、わたしのなかにもあって
「まあ。この程度の壊れ方は仕方ないか」
「この程度の余震で怖いんだから、
あの地震のときはさぞ…」と
過去の見聞きした未曾有の被害に思いをはせ、
ごく自然に謙虚になるのです。


それだけ、わたしたちは、
多くの地震が招いた悲劇を知り、
その体験を内面化しているんだなあと思いました。


この場面、あの場面
この行動、あの行動に
既視感と既知感。



ブロック塀の下敷きになって亡くなった
9歳の女の子の死だけが
どうしても受け入れがたく、
誰かと会うたびにその話題になってしまいます。


地震のあった夕刻、
犬を連れていつもの公園に散歩に行くと
休校で時間の空いた少年たちが、
サッカーをしていました。


若者特有のしなる躰。
笑いながら大きく後ろにのけぞったかと思うと
瞬時に戻るバネそのもののような上体。
声変わりの時期から、そう遠くない
おさまりの悪いハスキーボイス。
サッカー流の少しかっこつけた髪の毛をブルルンと振る仕草。


ああ、この場面、忘れないだろうなあ。
いま、ここに来たから、
この若者たちの姿を見られたなあと思いました。


何ごともなかったかのように走り興じる若者に
なんともいえない美しさと救いを感じたのは、
自分が思うよりは怯えていた、
ショックを受けていたからかもしれません。


大阪の人たちの恐怖が早く癒えますように。
気づいていないそれも含めて。
そのなかのひとりである私自身のも。


この文章を書き終えたとき、
日本代表がコロンビアを破りました!
今度はプロの人たちが与えてくれる喜びだ!イエイ!





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