中学1年生の娘は、
ファッションに夢中だ。
露出の多い服を好んで着て、
「年相応」か否かなんてお構いなし。
背伸びしてこそオシャレ、の気概にあふれている。
「こんな女性として見られたい」
「こんな彼氏が欲しい」
「未来」を着ているんだなあ。
と、鏡の前であれこれ、
私から見ればどうでもいいアレンジに余念のない
思春期の娘を見てそう思う。
この年頃の女たちは、
ほぼ例外なく安物を着ていて、
鼻の下の産毛が濃かったりして、本人の狙いとはほど遠く垢抜けないが、
互いに身をぶつけあい、ささいなことにゲラゲラ笑いころげる姿は、
ムッとする肉弾戦の迫力と勢いがあって、
息苦しくとってもまぶしい。
垢抜けない、というのも
彼女たちがまだ実現しない「未来」を着ている証拠だ。
自分を振り返ると、
思春期以降、少しずつ「現在」を身につけ始めたように思う。