歯周病のため
何はともあれ歯磨きに精を出す日々。
左に手鏡を持ち、
歯と歯のすき間につまった
ご飯だの、ゴマだのを掻きだすために
唇を、右に左に上に下に右斜めに左斜めにと
絶え間なく動かすわけですが、
このときの「顔面」の努力たるや
そりゃもう、涙ぐましいものがありますよ。
「歯」という隣接部署の担当業務のために
顔面の独占事業である「表情」を
まったく意に沿わぬ方向に次々と展開する、
そのいじらしさ。
「ああ、こんな方向に
こんなに大きく唇をゆがめるなんて
表情筋の誇りはどうなるんですか!」
という切なる悲鳴が聞こえてきそうです。
もちろんオーナー社長であるところの私も、
心中、決して穏やかではありません。
ソファにあぐらをかき、
シャカシャカ、シャカシャカ、シャカシャカと
ともすれば間抜けに見えるほど規則正しく
歯ブラシを動かす姿は、
傍から見れば癪に障るほど吞気そのものでしょうが、
実態は真逆です。
和歌にするなら(しなくていいんだが)
歯磨きの
手鏡に映る
老け顔が
涙で曇り
かすみけるかな。
というわけで、
年齢とともに
顔は老けます。
まったくの私論で
まったくもって恐縮ですが、
大きく分けるなら、