1996年に亡くなった女優・沢村貞子さんの著書「老いの楽しみ」 (岩波現代文庫―文芸)。
久しぶりに引っ張り出して、電車のなかで読んでみました。
たくあんだって、薄く切っても刻んでも、小綺麗にね。
私の好きな言葉は何でも「小」がつくの。
小綺麗、小ざっぱり。で、小憎らしいことは言わないことにして。
小綺麗、小ざっぱり。
なるほどなあ。
もしかたら、これって
私のような40代後半を迎えた女性の指針になるかもしれませんね。
美しく老いるための極意と言いましょうか。
もう、私なんか、髪型や服装に迷ったら
「どちらが小綺麗か」で選んじゃおうかなあ
て気分。
たとえば、
ショートヘア。
襟付きシャツにカーディガンにパンツ。
ミディアムヒールのパンプス
みたいな服装に
アクセサリーとかスカーフとか
冬なら手袋とかマフラーなんかで
さりげなくオシャレ感を添えるような装い。
言いたかないけど、
ほんとに、もう、ここんとこ
髪にも肌にも体にも張りがなくなってきたもんね。
フワッとしたり、
ゴチャッっとしたり、
ベタっとしたり、
ヒラヒラしたり、
ズルッとしたり、
なんて、
衣服が、肉体に軽やかにまとわりつくことで生まれる
デリケートなテイストを、
肝心のまとわりつかれるほうの肉体が
支えられなくなってきた。
もちろん、いくつになっても
大胆&最先端ファッションが似合う人もいるだろうけど
それ相応の資金力が必要だし、
はっきりいって私にはありません(シュン)。
広辞苑で調べてみると
(毎度、毎度、辞書を引っ張り出して恐縮です)
こぎれい:きちんと整っていて気持ちのいい感じのする様子。小ざっぱり。
ああ、なんだか
沢村貞子さんが生まれ育った浅草の
きちんと拭きあげられた家々とその前栽が
目に浮かぶようです。
大ざっぱなケアで流行を追うより
小ざっぱりとした身だしなみに気を配る。
ってのはどうでしょう。
綺麗は無理でも、
努力次第で小綺麗は手に入りますぞ。
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