ファッション・ジャーナリスト光野桃さんの著書、
「私のスタイルを探して」は、
もう15年も前に書かれた本ですが、
今読んでも、まったく古びていません。
な?んて、
いかにも、ずっと前から愛読している本を、
ふと思い出し、改めて読み返してみた・・・的な、
気取った口調で書いていますが、
何を隠そう、先日、たまたま
古本屋で見つけて105円で購入したのでした。
1956年生まれの光野さんが
40歳を目前に書いたこの本には、
さまざまな試行錯誤を経て、
自分の納得いくスタイルを手にするまでのプロセスが、
とても具体的に、リアルに描かれていました。
自分の体形を考慮に入れず、
華奢でコケティッシュな
ジェーン・バーキンをめざして失敗したり。
ニュートラ・ファッションに身を包み、
パールピンクの口紅つけてコンサバしていたら、
昔のロック仲間にあってバツの悪い思いをしたり。
最新ファッションとメイクで完璧に仕上げて、
画家のパーティーに出かけたら、
昔の友人に「どうしたの?演歌歌手みたい」と言われたり。
ミラノ女性のおしゃれに刺激されて
張り切って装ったつもりが、
鏡に映る自分は、「日本人そのもの」だったり。
そんな彷徨える状態から、
自分の納得できるスタイルを見つけるまでの道筋が
1つひとつ具体的に書かれていて参考になりますよ。
どの章もおもしろいんだけど、たとえば
「センスが微笑むとき」。