日々の労働と孤独がつくりだす、静かな老いの佇まい。


最近、高齢者と呼ばれる年代の人を見る目が少し変わってきました。


たぶん、自分自身を生きやすくするために
「自分自身のものの見方」を変えようとしているんでしょうね。
生きやすくなるためには、
自分の「ものの見方を変えること」が一番近道だと
わかってきたからだと思います。


少し前のことです。
70代後半と思われる女性が、
電車の横並びの座席に
バッグを膝に乗せて軽く目を閉じ、
右手に杖を握って座っていました。
ぐっと寒くなった日で
頭にはフェルトの黒い帽子。
服装は、堅実で着古した感じの
グレーのズボンと同じくくすんだ色の上着、
そして呉服店の店先に吊るされているような
微妙に装飾的なジャケット。


午後8時を過ぎた電車は、
まだ立っている人も多く、
そのほとんどが仕事帰りです。


ショッピングバッグなどを持っていないことや、
周囲になじんだ日常的な表情から、
どんな仕事かはわからないけれど、
この女性も仕事帰りなのではないかと思いながら
わたしは、その、すぐ近くに立っていました。


帰る家に、家族はいるのかな。
いないかもしれないな。
鍵を開けたら、しばらく締め切っていた部屋の匂いがして、
暗いなかでじっと呼吸をしていたように湿り気を帯びた
見慣れた空間が広がる。
その瞬間、少しだけ心が揺れるかな。
部屋は、ほどよく片付いていそうだな。
バッグを置いて、
しばらくぐったりと座るのだろうか。
腰を下ろすこともなく
洗濯ものを取り込むのかな。


そんな「ひとりの時間」を想像して
勝手にシンパシーを感じました。


その人の、一見何の主張もない佇まいに


日常的な労働と孤独が
自然なものとして受け止められて存在している



ことを感じたからです。


満員電車の座席で
力まない程度に背筋を伸ばすというかたちで。


それが簡単にできることではないとわかる程度には、
わたしも大人になりました。


わたしは、あんなふうに
年を重ねられるかなあ。
自信、ないなあ。
ないけど、なれたらいいなあ。


踏み出す足に力を入れ、
ちょっと弾みをつけて
電車を降りました。





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