嵐の日も、晴れの日も、生きましょう。


土曜日の夕方、犬の散歩から帰ったら
夫が倒れていました。


救急搬送され、手術を受けましたが
まだ意識が戻りません。


冷蔵庫の材料を確認しながら、
「晩ごはんは、僕、作る」と
いつものように機嫌よく言っていたのが
元気な彼を見た最後。


彼とわたしの「第二期」はこれから始まりますが、
だからこそ、元気だった「第一期」を思い出して
ひとり、大事に弔っています。


思い出すのは、なんということもない場面ばかりです。


その日に食べた卵サンドとブロッコリーとミニトマトと
キウイといちじくとヨーグルトの朝ごはん。
昼ごはんは、なすとパプリカの素揚げと錦糸たまごのそうめん。
すだちの薄い輪切りをそうめんにいっぱい散らしたこと。
あの昼食がふたりで、
あのように健やかに屈託なく囲む最後だったのです。


毎水曜日、遅くなるわたしに代わって
大盛りのシーフードパスタを作ってくれたこと。
トングでほぐすようにして麺をつかみ、
互いの皿にとりわけて旺盛に食べたいつもの習慣。


「今日、何食べる?」と互いに聞きながら、
一週間分の食材を買い込んだ
毎日曜日のスーパー。


そんな何ということもない、
明日もあさっても、
来週も再来週も続くに違いないと思っていた瞬間を
何度も何度も思い出して
忘れることがないように頭に刻んでいます。


第一期のわたしたちを
私たちだけが知っている日常の機微とあうんの呼吸を
反芻し、慈しみ、存分に弔って
第二期のわたしたちへと歩みを進めたいと思います。


今日の大阪は嵐でした。
みなさん、元気で。
嵐の日も、晴れの日も、生きましょう。






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「ちょうどいい心配」なんてない。それでも心の底からありがたい。



幼なじみのKちゃんが
「ごめん。気ば使わせてしまうけど行くけん。
ホテルに泊まるけん、ほっといて。
犬の散歩とごはんづくりばする」と
大阪についてからLINEをくれて
うちに泊まっていきました。


何種類もの冷凍惣菜とジャム数種と柚子こしょうと
ホームベーカリーで焼いたパン2種類と現金と
おまじないみたいな祈りを書く紙を持ってきました。


豆苗や空心菜を多用した料理に
「野菜が高い時期」の主婦の知恵やたくましさが見え、
そういう生活をしながら
何万にもなる交通費を払ってきてくれたことにぐっときました。


神奈川に帰ってからも
毎日、長文のLINEをくれるので
娘が、「ちょっとうざいと思ってる?」と聞いてきました。


そのときです。
思ってもいない返事をしたんです。わたし。


「あのさ。『ちょうどいい心配』ってないよ。
心配はいつも少ないか、はみ出すほど大きいか、そもそも、かたちが合わないか。
そういうものやわ。でも、それでいいねん。ほんとに。
心の底からありがたいよ」


いつ、そんなこと思っていたんだろう。
われながら驚きました。
でも、ほんとにその通りだ。
自分のこの言葉を忘れないでいようと思いました。



「ちょうどいい心配」なんてない。
他人が寄せてくれる「心配」はいつも少ないか、
はみ出して負担になるほど大きいか、
そもそも、かたちが合わないか。
そういうもの。



そうだ、そうだ。ほんとにそうだ。


わたしの心にいま、「悲しみや不安の空洞」があるなら、
その「空洞」をピタッと埋める
他の人の「心配」などはないのです。


心配する人たちは、それがわかっているから
どんな声かけをするか、
どんなふうに接するか、
どんなふうに手助けするかを迷い、悩む。
かえって傷つけないか、気を使わせないか…と。


いま、心配される立場になって
「ちょうどいい心配」はないけど
心配されることのありがたさ、かけがえのなさを痛いほど感じています。


前回のブログにたくさんのコメントをいただきました。
うれしかったです。
忘れません。


きのうは、娘とチーズタッカルビを作って食べました。
おいしかったです。






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夫がスー(犬)に会えるようになる。それが当面の目標。


4月に娘が留学に行き、
夫婦ふたりと子犬の暮らしがはじまりました。


夫が朝の散歩から帰ると
「スーちゃん、今日は、友だちと遊んだ?」
「ご機嫌だった?」と
犬のことをあれこれと話しながら朝ごはんを食べました。


スーは二匹めの犬なので
夫とふたりでちょっと工夫して育てました。
(ここからはほぼ犬自慢です)


「しつける」のでなく
「しつけなくてもいい状態」をつくるようにしたのです。


ピンポン吠えや来客吠えをしてほしくなかったので
宅配便の人が来ると
毎回、焦らずゆっくりとお年寄りのように動いて
ニコニコして玄関に行く。
いっしょに静かについてきたら、おやつ。


散歩もリーダーウォークなどせず
犬の行きたいほうにゆっくりとついていく。
(トレーナーさんに習った時期もありましたが、やめました)
人の多い道ではリードを短く持ち、
公園などでは長くして
心ゆくまで外の世界を楽しんでもらう。


外のいろんな場面に
無理強いせずに少しずつ少しずつ
慣れてもらう。
人も犬も車も怖くないと
いつの間にか自然に思えるように
ゆっくりと時間をかける。


理想は、「自分で判断して好ましい行動をとる犬」でした。


もともとの気質もあって
7か月ころからは、
道端で立ち話をしていると
いつの間にか座り、伏せているようになりました。


動物病院でもなにも言わなくても
静かに座り、伏せています。


夫が倒れた日、
多数の救急隊員がドドドっとやってきて
夫をドドドっと運び、
わたしはその後を追って
ドドドっと家を出て
バタンと玄関をしめて走り去りました。


さぞかし驚いたに違いない
まだ10ヶ月のスーが
長時間ひとり残され、
大声で鳴いて近隣の人に迷惑をかけていないか心配でたまらず、
近所の友だちに聞きに行ってもらったのですが、
「シーンとしてた。何も聞こえない」と言っていました。


留守番が不得意で
遠吠えのように鳴いてしまう犬でしたが、
その夜は、ひとりこらえて過ごしたようです。
(ドアの桟を噛んでました)


今回のことでいろんな人が出入りしたり、
泊まったりしましたが、
吠えることもなく、落ち着いて迎え、
食事中はテーブルの下にふせたり、
ソファで眠ったりしています。


夫は、一日のうちに何度も
「だれかと思ったら、スーちゃんでしたか!?」と
仕事をする足元で寝たり、
近くをまとわりつくスーをみつけては言っていました。
その、「かわいくてたまらない」という独特の調子がおもしろくて
わたしもよくマネしていました。


夫が車いすにのって病院の外に出たら、
スーが待っている。
リードをぐいぐいひきながら、
尻尾を振って走り寄ったスーが
夫の顔がよだれでベトベトになるくらい
ベロベロベロベロなめて甘えて
みんなに「スー!ほら、だめ!」と言われる。
その日を迎えることが
当面の目標です。





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その時々、現実に即して、「希望」をつくりだして歩いていこう。


夫の入院から1週間ほどして、主治医の先生に
「転院後は、回復リハビリ病院に行くか、
意識の状態がよくなければ療養型に行くか。
見学などもしておいたほうがいいですね…」と言われ、
もう、転院の話!
そして、見学!!!???となりました。


なんせ「配偶者の長期入院初心者」なので
いろいろわからないことばかりです。


しかし、そうか。そうなんだな。
急性期医療の入院は、短期間なのだな。
次の入院先を決めるには、
こちら側の自発的な「見学」が必要なんだな、
ということはわかりました。


療養型の病院に行くと
リハビリ時間が少ないとのことなので
できるだけ回復リハビリの病院に行かせたい!
まだ、50代だぞ!若さに賭けようじゃないの!


親戚の理学療法士に聞いたり、
自分でもネットで調べたりして
評判・先進性・立地等で「ここ!」という病院を見つけ、
いまの入院先の退院支援部門と話をする前に
自分で予約して見学に行ってきました。
先週の水曜日のことです。


ピカピカに磨かれた清潔で居心地のいいロビーには、
まさかの犬!ゆっくりと起き上がり、
わたしと娘のほうに近づいてきます。
犬好きにはたまりません。


一日、宿泊してくつろぎたいような雰囲気の病院でした。
トイレ付個室は高くてとても無理ですが、
トイレなし個室は室料無料。
2人部屋もゆったりとして居心地がよさそうです。


専用の部屋はなく、
空間全体をリハビリ空間ととらえ、
あちこちで患者さんたちが
さまざまなリハビリに取り組んでいました。


いいなあ、ここ、いいなあと思ったのですが
肝心の入院中の病院から、まったく連絡がありません。
「退院支援を担当する看護師です。
どんなことでも一人で不安は抱えず聞いてくださいね」と
さわやかな微笑みを残して去った看護士さんも
以来、一度も現れず。
あなたは、どこにいるの?
そもそも、どこに行けば、
「どんなことでも相談できる」の?
どこで不安なわたしを待っているの?



待っていたら、時間ばかりが過ぎる予感、いや確信。



一昨日、病棟クラークの女性に
(事務職のユニフォームを着た人。その存在も知らんかった)
「転院先を早め早めに相談して
見学もしてくれと言われたが、どうなっていますか」と尋ねると
主治医の先生につないでくれて
先生が目の前で退院支援の医療相談部署に電話。


そして昨日。面会に行くが再び静寂。
「あともう一日ぐらい待ってもいいんじゃね??」という
遠慮がちで逃げがちな自分がささやくところを
「いや、そうはしておられぬ!」と奮い立たせ、
再度、病棟クラークの女性に
「どんな不安も相談してくれと言われましたが、
どこに行けばいいのでしょう。教えてください」
と言うと堂々とした立ち居振る舞いの看護師長が
口頭では謝罪はするが、頭は下げないという風情で現れ、
「1階入院相談のEを訪ねて
この後、お時間があれば話をしてください」


あああ~!!やっぱ、この一押し、必要だったんだ!!
Everybody、身内が入院したとき閑々と待ってちゃダメだぜ。
疑問は都度都度、聞く。待たない。
イライラしないで怒らないで我慢強く譲らないで主張する!
病院スタッフはみなさん超忙しく
目の前の人の治療やケアに奔走しているので
「ちょっとごめんなさいよ!この件、どうなってる!ちょっとだけつきあって」と
振り向かせなくてはならないのです。学んだ!


退院支援担当のEさんは、とても感じのいい人でしたが
カルテを探すなどあわてて資料に目を通しているのがわかりました。
(「すみません。5分お時間ください」と言われたし)
連絡はいっていても、準備はできていなかったのですね。
まあ、そういうものなのです。現場はつねに混乱しているもんね。


でも!


転院先の候補が並ぶリストを前に
(そのままでは文字の羅列でしかない)
「この病院には見学に行き、話を聞いてきました。
ここへの転院を希望しています」と言うと
そこからびっくりするほど話がスムーズになり、
その病院を第一候補に進めてもらうことになりました。


要望を明確に伝えたことで
先方がこちらの要望を踏まえた
「第二候補」も提案してもらえました。


自分で動いておいてよかった。
先行して動いてよかった。
誰が偉かったって、わたしが偉かった(笑)!



「配偶者の闘病」も
「病院内のシステム」も
「医療や福祉の仕組み」も
「すでに決められた流れに従う」ように思いがちですが、
そうじゃないんだ。
主体は、当事者である夫とわたしなのだ、と
改めて思いました。


まだまだハードルはありますが、
転院先が少し見えてきて
希望が生まれました。


その時々に
現実に即した「希望」を作り、
その光を見つめて歩んでいこうと思います。


※ツイッターでは、ウェブマガジン「オバフォー」のメンバーであり、
 言語聴覚士でもあるCometさんが、このツイートに返信するかたちで
さらに踏み込んだ体験を教えてくれています。あきらめちゃいかんですよ、何ごとも!
クリックするとやりとりが読めます↓



※コメントやメールでアドバイスや情報をいただいています。
 お一人おひとりお礼も言わず、すみません。
 いますぐには実行できないことも覚えておいて、これからに生かします。
 わたしのために心をくだいてくださって心から感謝しています。
 ありがとうございます!





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