気構えは、「嵐のなかへと歩みつつ、凪の時間を味わう」。


このブログをはじめたのは、47歳のとき。
早いものでもう10年を超えて、
明日は、58歳になってしまうことになりました。
ほんと、はやっ。


時々、「最初のころから読んでいます」と声をかけてもらうことがあり、
ひとり勝手に、「いっしょに歩んできたんですね!」と感慨にふけります。
いっしょに並んで歩いてくださってありがとうございます。
いや、ほんとに。うれしく、光栄です。


47歳から今までの10年あまりに比べて
58歳からの10年は、
一歩ずつ、「老い」の渦中へ、
嵐の中へ歩みを進めていくことになります。


もちろん、10年後だって68歳。
まだまだ若い、まだまだ元気、
いや、一番元気!なんでもできる!という考え方できるし、
実際そうもいえるんでしょう。


しかし、昨年、わたしの夫は、
59歳で倒れ、意識不明のまま現在も闘病中。
突然、大嵐の渦中に夫婦して身を投じることになり、
年を重ねることが不意に突き付ける刃の鋭さを知ってしまったのです。


うん。そうなんです。やっぱり、そうなんです。
やはり、年をとることは
嵐のなかへと一歩ずつ歩みを進めることなのです。
明日は今日より過酷な運命が待っているのです。


嵐のなかへ歩みを進めていくんだと覚悟を決めることは、
人生に悲観的になることでも、
ネガティブになることでもない。
そこは切り離して考えたいです。


丹田にグッと力を入れて、
肩や手足のチカラは抜くとでもいいましょうか。


嵐のなかへと歩んでいると腹を決めつつ、
この自分に奇跡的に与えられている、
穏やかで健やかな時間を存分に楽しむ。


気構えだけでいえば、
そんな感じで生きていきたい。
だってこの世は雑多で美しいもの。


気構えだけでいえば。


月曜日、信号が青のうちに横断歩道を渡ろうと
勢いよく走り出したら、
自分のカラダに何が起こったのか、
足と地面の間にいかなる衝突があったのか、
何もわからないままに
バタンと盛大にコケて
気がづいたら四つん這いになっていました。


「ひやー、だいじょうぶ?」と悲鳴のような声が聞こえたので
「大丈夫ですっ」と映像を逆に再生するように立ち上がりましたが、
両手のひらをすりむき、左ひざもすりむきました。


気構えじゃ、転倒は防げないんだな。


このあたりをしかと受け止めながら、
なんとか対策を考えながら、
一歩ずつ嵐のなかへと進みゆくわけですが、
まあ、これからも、こんな具合で
日々のあれこれを書いていきますので、
ともに歩いてもらえますかね。


誕生日おめでとう>わたし
明日だけど。



私の連載コラム「献身と保身のはざまで」、近く山形新聞でも連載が始まります。長崎新聞・新潟日報でも連載中です。


そのほかに現在、熊本日日・岐阜・山陰中央新報・四国・茨城・秋田魁新報・山陽・埼玉・愛媛・神戸・徳島・北日本・静岡新聞・福井新聞・信濃毎日・岩手日報・東奥日報・神奈川・佐賀・宮崎日日・上毛新聞でも掲載(終了紙もあり)されています。

  詳細や経緯はこちらの記事をご覧ください。←感想や意見もコメント欄にたくさん入っています。

似た境遇の人はもちろん、さまざまな責任を負いながら奮闘する同世代の女性に伝わるようにと願いながら書いています。お住まいの地域の方、読んでもらえたらうれしいです。



フェイスブックツイッターで更新情報をお知らせしています。フォローしたら気軽に話しかけてください♪リアルタイムにツイートしているのでライブ感あります。

ウェブマガジン「どうする?Over40」、ほぼ毎日更新しています。そちらにも書いています。クラウド・ファンディング、目標額を達成しました。感謝とメールについてのお知らせとお願い(と自分の近況)

★いつも応援してくださってありがとうございます!ハッピースマイル

にほんブログ村 ミセス系
関連記事

スポンサーリンク



高齢トラディショナルの真髄は、「着古した行儀のよさ」か。


駅のホームに並んで立つ娘が
「あ。おしゃれなおばあちゃん」。
視線の先に目をやると、
白髪ショートカットの女性が同じ電車に乗ろうとしています。
ちょうど向かい合って座ることになりました。


ブルー系タータンチェックのプリーツスカートに
ウールのたっぷりした膝丈コート。
スカートもコートも丈が長いので
ちょっと下半身がふくらんで
パッと見は、「イギリスの田舎町のおばあちゃん」風です。


コートの下は白いタートルネックのセーター、
タイツもリブ編みの白。
両方ともちょっと温かみのある白。
この二つの白とスカートのタータンチェックが
全体の雰囲気に「制服っぽさ」と「少女っぽさ」を与えています。


靴は、履きやすさ重視のおばさんがよく履く革靴。
(磨いてあるけど年季が入っている)
バッグは、ポーターの黒を斜め掛け。
靴とバッグは、あくまでも実用性重視と見ました。


おばあちゃん(と娘は言ったけど70代半ばぐらい)は、
座席に座るとサブバッグから新聞を取り出して広げ、
足を組んで読みはじめました。
気骨、漂う。


その新聞を持つ指です。
短く切りそろえられた爪が、桜色なのです。
桜色という表現がぴったりの色に
うすーくきれいに塗られているのですよ。
一度塗りの感じ。


電車を降りたあと娘が
「やっぱり、おしゃれな人は
細部まで手を抜かんな」と言っていました。
桜色の爪のことだな。


おばあちゃんと「少女っぽさ」は相性がよい。
ということは、「制服っぽさ」とも相性がよく、
「トラディショナル」とも相性がいい。
「ツタのからまーるチャペールで祈りーをささげーた日ー♪」的雰囲気になる。


この女性の特長は、
新品がひとつもない感じがすること。
どれもやや着古している感じがすること。


それが逆に
この人の、一人の時間の、
沈殿する思い出を見つめて過ごすような落ち着きと
他に流されない気骨を感じさせるんだから、
「人」と「服装」のハーモニーって不思議で面白い。


温かみのある白いタイツ、いいですね。
少女っぽくて、とても、お行儀がよい。
わたしもやってみよう。



私の連載コラム「献身と保身のはざまで」、近く山形新聞でも連載が始まります。長崎新聞・新潟日報でも連載中です。


そのほかに現在、熊本日日・岐阜・山陰中央新報・四国・茨城・秋田魁新報・山陽・埼玉・愛媛・神戸・徳島・北日本・静岡新聞・福井新聞・信濃毎日・岩手日報・東奥日報・神奈川・佐賀・宮崎日日・上毛新聞でも掲載(終了紙もあり)されています。

  詳細や経緯はこちらの記事をご覧ください。←感想や意見もコメント欄にたくさん入っています。

似た境遇の人はもちろん、さまざまな責任を負いながら奮闘する同世代の女性に伝わるようにと願いながら書いています。お住まいの地域の方、読んでもらえたらうれしいです。



フェイスブックツイッターで更新情報をお知らせしています。フォローしたら気軽に話しかけてください♪リアルタイムにツイートしているのでライブ感あります。

ウェブマガジン「どうする?Over40」、ほぼ毎日更新しています。万難を排して、鼻歌歌い、スキップで会場へ。今週土曜日、「カイゴ・デトックスin京都」です。

★いつも応援してくださってありがとうございます!ハッピースマイル

にほんブログ村 ミセス系


関連記事

スポンサーリンク



わたしの暮らしには、まだ知らない「濃密な時間」がある。


ミステリアス風味の大げさなタイトルからはじまりましたが、
要は、「寝室を作ったら、寝るのが楽しみになった」という話です。


わたしは、築40年の古いマンションに住んでいるんですが、
10月に少し手を入れて改修し、
娘の小さな部屋をわたしの寝室に変えました。


ベッドとサイドテーブルだけの
「睡眠専用空間」。


ベッドカバーなど寝具をすべて白にして
ベッドサイドにラグを敷きました。


ラグはこれ。4200円と安いが、雰囲気はいい感じ。

ラグ


壁には、夫が同郷の若い画家から買った絵と
夫の写真を何枚か飾っています。
(カラオケで上機嫌に歌っているところや
釣りの途中など表情豊かでごきげんな写真)


さあ、寝ようとなって
この部屋のドアを開けると、
それまで一切、なんの活動も行われていなかった空間独特の
シンとした、すでに寝静まったような「気」が流れ出てきます。


もう、寝るしかない、空気感。
「ひとり」と向き合う瞬間でもあります。


スタンドをつけて
ベッドにもぐりこんで
しばらく本を読んだり、
スマホを見たりして
灯りを消す。闇。


これまで、わりに眠れないことも多かったのに
なぜか、眠れる。それも深く眠れる。


北側の部屋で北枕にしているせいかな??


眠る、というだけの濃密な時間。
ある意味、とても充実した時間。
幸福な時間でもある。


そうか。

わたしには、まだ経験していない「時間」というものがあるぞ、

と思いました。


そして、それは、すでに、この暮らしのなかにある。


時間や空間の「働き」を変えれば、
手に入る新しい「体験」。


深掘りすれば、楽しみは違った顔をして
現れてくれるものなのかもしれない、と思います。


ラグのほかに
寝室の照明は↓


ベッドサイドにこれ↓


ベッドはこれ。手品のように鮮やかな組立サービス付でした。




先週の土曜日、「カイゴ・デトックスin 京都」、無事、終了しました。
クラウド・ファンディングを通じてご支援くださったみなさま、
参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました。すばらしい時間となりました。
こちらにレポート記事を掲載しています。
わたしの文章と、イベントの中心人物ミカスさんの文章
参加くださった方がコメントも寄せてくださっています。ぜひ、お読みください。


私の連載コラム「献身と保身のはざまで」、近く山形新聞でも連載が始まります。長崎新聞・新潟日報でも連載中です。


そのほかに現在、熊本日日・岐阜・山陰中央新報・四国・茨城・秋田魁新報・山陽・埼玉・愛媛・神戸・徳島・北日本・静岡新聞・福井新聞・信濃毎日・岩手日報・東奥日報・神奈川・佐賀・宮崎日日・上毛新聞でも掲載(終了紙もあり)されています。

  詳細や経緯はこちらの記事をご覧ください。←感想や意見もコメント欄にたくさん入っています。

似た境遇の人はもちろん、さまざまな責任を負いながら奮闘する同世代の女性に伝わるようにと願いながら書いています。お住まいの地域の方、読んでもらえたらうれしいです。



フェイスブックツイッターで更新情報をお知らせしています。フォローしたら気軽に話しかけてください♪リアルタイムにツイートしているのでライブ感あります。

ウェブマガジン「どうする?Over40」、ほぼ毎日更新しています。今日は、はらぷさんの人気連載「なんかすごい」が公開されています。

★いつも応援してくださってありがとうございます!ハッピースマイル

にほんブログ村 ミセス系
関連記事

スポンサーリンク



「健気」であり続けるのは不可能な曲芸。打算的な自分を救え。


新聞各紙に掲載されたわたしの連載コラム「献身と保身のはざまで」。
故郷である長崎新聞では、今週火曜日が最終回でした。


姉ちゃんは、毎回、読んだ感想をLINEで送ってくれましたが、
一番、「わかる!」と面白がりつつ共感してくれたのは、
連載中盤に書いた滑稽なエピソードです。


それは、夫が回復リハビリ病院に入院中、
送迎バスのとても優しく丁寧な運転手さんに
「旦那さんは大丈夫ですよ。
奥さん、すごく一生懸命にやっているから!」と励まされ、
思いもしない褒め言葉に舞い上がったわたしが
「ありがとうございます!」とバスを降りてからも
しばらくは、その運転手さんの視線を意識し、
健気さを背中で表現しながら
楚々と歩いたというところです。


病院の自動ドアまで歩きながら
「ああー。いま、わたし、
なぜだか、楚々と歩いちゃってるぞーー」と自覚しました。


そして、ちょっと「これ、やばいぞ」と思ったのです。


看病や介護の初期、
その一生懸命を評価し、励ましてくれる周囲の言葉は
もちろん、とてもありがたいのだけど
「健気であること」「ひたむきであること」
「献身的であること」に拍車をかけるものでもあり、
自らもそれに向けてアクセルを踏みつづける動機にもなってしまいます。


わたしのようなお調子者は、
望外な褒め言葉に
これまでの混乱や悲しみが噴き出してまじりあい、
それらすべてが認められたような気分になって
劇的に気分が高揚し、
ちょっとしたヒロイン気分にもなり、
「健気な奥さんであろうと、
われ知らず、楚々とした振舞いをしてしまう」
ことだってあるのです。


しかし、


そんな周囲のまなざしも励ましや称賛の言葉も
日を追うごとに減っていき、
「だれにも関心を払われない長い時間」が必ずやってきます。


心のどこかで
そのことも知っていました。
だから、「やばい、やばい。
『健気』を演じるの、やめよう」と思ったのでした。
(続きは、コラムにも書きました)


配偶者が倒れた直後、
動揺や悲しみや奇跡を願う気持ちと同じく
自分のこころに湧き上がる
不安や心配、経済的算段といった
「打算」を抑圧せず、
大事にすくいあげよう。
それをすくいあげられるのは
自分自身以外にないのです。


福井県で起きた痛ましい多重介護殺人事件も
健気であり続けた「村一番のお嫁さん」が
引き起こしました。
健気であり続けるのは、だれにとっても不可能な曲芸です。
そして一見、冷酷な顔をもつ「打算」は
共倒れを防ぐ「理性的判断」の別名です。


自らを救おう。



私の連載コラム「献身と保身のはざまで」、山形新聞で連載中と聞いています。新潟日報でも連載中です。


そのほかに現在、熊本日日・岐阜・山陰中央新報・四国・茨城・秋田魁新報・山陽・埼玉・愛媛・神戸・徳島・北日本・静岡新聞・福井新聞・信濃毎日・岩手日報・東奥日報・神奈川・佐賀・宮崎日日・上毛・長崎新聞でも掲載(終了紙もあり)されています。

  詳細や経緯はこちらの記事をご覧ください。←感想や意見もコメント欄にたくさん入っています。

似た境遇の人はもちろん、さまざまな責任を負いながら奮闘する同世代の女性に伝わるようにと願いながら書いています。お住まいの地域の方、読んでもらえたらうれしいです。



フェイスブックツイッターで更新情報をお知らせしています。フォローしたら気軽に話しかけてください♪リアルタイムにツイートしているのでライブ感あります。

ウェブマガジン「どうする?Over40」、ほぼ毎日更新しています。月曜日はこちらにも書いています。正直な気持ちです。「まだまだわからないことばかり!」と学ぶ、病院という居場所。

★いつも応援してくださってありがとうございます!ハッピースマイル

にほんブログ村 ミセス系
関連記事

スポンサーリンク