高齢トラディショナルの真髄は、「着古した行儀のよさ」か。


駅のホームに並んで立つ娘が
「あ。おしゃれなおばあちゃん」。
視線の先に目をやると、
白髪ショートカットの女性が同じ電車に乗ろうとしています。
ちょうど向かい合って座ることになりました。


ブルー系タータンチェックのプリーツスカートに
ウールのたっぷりした膝丈コート。
スカートもコートも丈が長いので
ちょっと下半身がふくらんで
パッと見は、「イギリスの田舎町のおばあちゃん」風です。


コートの下は白いタートルネックのセーター、
タイツもリブ編みの白。
両方ともちょっと温かみのある白。
この二つの白とスカートのタータンチェックが
全体の雰囲気に「制服っぽさ」と「少女っぽさ」を与えています。


靴は、履きやすさ重視のおばさんがよく履く革靴。
(磨いてあるけど年季が入っている)
バッグは、ポーターの黒を斜め掛け。
靴とバッグは、あくまでも実用性重視と見ました。


おばあちゃん(と娘は言ったけど70代半ばぐらい)は、
座席に座るとサブバッグから新聞を取り出して広げ、
足を組んで読みはじめました。
気骨、漂う。


その新聞を持つ指です。
短く切りそろえられた爪が、桜色なのです。
桜色という表現がぴったりの色に
うすーくきれいに塗られているのですよ。
一度塗りの感じ。


電車を降りたあと娘が
「やっぱり、おしゃれな人は
細部まで手を抜かんな」と言っていました。
桜色の爪のことだな。


おばあちゃんと「少女っぽさ」は相性がよい。
ということは、「制服っぽさ」とも相性がよく、
「トラディショナル」とも相性がいい。
「ツタのからまーるチャペールで祈りーをささげーた日ー♪」的雰囲気になる。


この女性の特長は、
新品がひとつもない感じがすること。
どれもやや着古している感じがすること。


それが逆に
この人の、一人の時間の、
沈殿する思い出を見つめて過ごすような落ち着きと
他に流されない気骨を感じさせるんだから、
「人」と「服装」のハーモニーって不思議で面白い。


温かみのある白いタイツ、いいですね。
少女っぽくて、とても、お行儀がよい。
わたしもやってみよう。



私の連載コラム「献身と保身のはざまで」、近く山形新聞でも連載が始まります。長崎新聞・新潟日報でも連載中です。


そのほかに現在、熊本日日・岐阜・山陰中央新報・四国・茨城・秋田魁新報・山陽・埼玉・愛媛・神戸・徳島・北日本・静岡新聞・福井新聞・信濃毎日・岩手日報・東奥日報・神奈川・佐賀・宮崎日日・上毛新聞でも掲載(終了紙もあり)されています。

  詳細や経緯はこちらの記事をご覧ください。←感想や意見もコメント欄にたくさん入っています。

似た境遇の人はもちろん、さまざまな責任を負いながら奮闘する同世代の女性に伝わるようにと願いながら書いています。お住まいの地域の方、読んでもらえたらうれしいです。



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