「娘か?妹か?」時とともに危うくなる、年齢設定の綱渡り。


うちの犬・スー(雑種犬・2歳・オス)には、
ジロー君(同じく雑種犬・2歳・オス)
という友だちがいるのです。


このジロー君のお父さん
(人間の飼い主)は、
最近、わかったのだけど60代前半。
いつもサンダル履きで
夏は着古した半パンにTシャツで
すぐ近くのおうちから
公園までやってきます。


偶然、わかったことだけど
スーとジロー君は、
保護された愛護団体もいっしょ。
出身も性別も年齢もいっしょ、という
まあ、似た者同士なのです。


そのお父さんが、
「同じところからの犬が
もう一匹、おったわ」
と言うのです。


「同じ愛護団体ですか」
「そうそう」
「きれいな犬やった。大きさは同じくらい」
「へえ!そうなんですね!」
「お母さんと娘さんが散歩しててね」
「ああーー」
「そうそう。ほんでも、俺が
『娘さん、散歩してましたね』
って言うたら、
なんか、ムッとしてたから、
姉妹やったんかな??」


え?


「姉妹やったんかもしれんな。
明らかにムッとしてたから」


「それは、見た目より
年下に言わな(笑)!」


ちょっと離れたベンチに座る
チャコちゃん(トイプードル)のお母さん
(70代後半か80代前半の感じ)が
ケラケラ笑いながら
話に入ってきます。


「そうそう。
見た目より、グッと
年下に想定して
話したほうがいいですよ」と私。


「マスクしてるから
余計わからへんかった!
姉妹やったんかなあ」


お父さんは、かなり
気にしているようです。


「よかったー」と思いました。


何が、よかったのかというと
先日、ジロー君を中学生ぐらいの女の子が
散歩させていて、
「あのお父さんの娘さんにしては幼いな。
もしかして、お孫さんか!?」と
思ったのです。


思ったのだけど、
その次に会ったとき、
「この前…娘さんですかね?
中学生ぐらいの?会いました」
と、うかがうように言ったら
「そう、娘、娘」と
答えが返ってきたんです。


お孫さんって言わなくてよかったーー!!


いや、もう、なに?
犬散歩界隈のあちこちで
繰り広げられる
年齢設定の綱渡り!(笑)


わたしの姉ちゃんは、


自分と同じぐらいの
年齢かなと思ったら、年下。
自分より5歳ぐらい上かな?
と思う人が、実は同い年。



という名言を残していますが、
これ、的を射ているかも。


娘と思ったら、妹。
孫と思ったら、娘。


というのも
新たに付け加えますか?




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私のような人に届け…新聞連載を土台としたコラムが出版されます。


昨年、「献身と保身のはざまで」というコラムを
全国の地方紙20数紙に連載しました。
夫が倒れたときからのことを書いた
ノンフィクションです。


賛否両論あり、
稀に厳しい批判もいただいたんですが、
掲載された各新聞社に
「この人の著書があれば教えてくれ」とか
「これは本にならないのか」など、
問い合わせがあるなど
それなりに反響が大きかったようです。
サイトにもコメントが多数、寄せられています


実は、この連載は、
ずっとブログを読んでくださっていた
共同通信社のM氏が、夫が倒れた20日後に、
「転院先を探しておられるなら、
ここはどうですか」と教えてくださったのが
きっかけなのです。


そのメールに、
私は、こう書いていました。
一部抜粋しますね。


「献身」に集約されない
リアルで人間くさく、ちょっと狡猾で
ディテールに富んだ経験を書きたいと思っています。
まとめたら読んでいただくだけでもありがたいです。

わああ。長々と自分のことばかり書きました。
テキトーに読み飛ばしてください!



これを読んだM氏が、
「わかりました。私が企画します」
と返事をくださって
(でも、そのとき、M氏は
少なくとも1年後ぐらいだろうと
思っていたのです!)


ところが、わたしは、
その日から、まさしく
怒涛のように、
叩きつけるように、
すがるように猛然と
書きはじめました。
今も、夜明け前の4時ころに
パソコンに向かうときの静かな空気や
夫の二度目の手術
(頭蓋骨を戻す手術)のとき、
寒くて薄暗い喫茶室横の机で
めちゃめちゃ集中して
書き続けたときのことが
目に浮かびます。


そして、なんと10月15日に
ほぼ書き上げて送っていました!
(一年後でなく、ひと月後!笑)


ここから、腹をくくったM氏が
社内の反対を押し切って
(そのことはわたしには
秘密にしてくださっていた)
企画を実現くださったのです。


「献身と保身のはざまで」は
あの突然、降りかかった悲劇と混乱のなか、
前向きに生きていくために
自分で自分に点火した、
大げさに書くと、
炎のようなものでした。
(いや、ほんとに)


文章を書くことで自分を支えたのだなあと
今になって思います。
Mさん、ほんとにすみません。
ありがとうございました。


そのコラムが
ベースとなった書籍が
主婦の友社から
出版されることになりました。



これも、
たくさんの偶然と縁と
友人のサポートがあって
実現したものです。
追々、書いていきますね。


新聞とは違って
わたしのことをまったく知らない
(まあ、ほぼすべての方がそうなんですが)
書店の介護コーナーにふらりと来た人が
「コミックエッセイかな?」ぐらいの
つもりで手にとってもらえるよう
軽く、楽し気な装丁になっています。
(でも、中身は、
自分で言うのもなんですが
身を削って、批判覚悟で正直に書きました。
人懐っこい顔をしているけど
深いです←きっぱり)


本日、校了し、
ツイッターでもご報告しました。








発売日が決まったら
またここでお知らせしますね。


わたしのような人に届け。



祈ったのはそれだけです。
ぜひ、お読みください。

アマゾンで予約が始まっていました。
発売は、10月30日です。よかったら、ご予約ください。



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自分を説得しようとしていたら、 説得すべきは自分じゃない。



ブログをはじめてもう10年が過ぎ、
記事数も1300を超えました。
塵も積もれば山となりますなあー。


長いことやっていると
たまに「あの記事を覚えています」とか
「あの記事をはさみで切って
手帳に入れています」とか
言ってもらうことがあって、
「わあ、そうですか!」と
照れたり、喜んだりします。


先日も、オバフォーの在宅デトックス
「あの連合赤軍の記事に
書いてあったように…」と
思い出してくださった方がいました。


それは、2015年の記事。
公開した当時は、
特別に反応があったわけでも
なかったと思うんですが、
他の方にも「最も印象的」と
言われたことがありました。


この記事です。

かすかな違和感は、「去るならいまだぞ!アラーム」。


ある場所にかすかな違和感を覚えたら、
黙って静かに去れ。
そのタイミングを逃すな、という内容です。


最近、もう一つ、思うのは、


自分を説得しようとしていたら、
説得すべきは自分じゃない。



というのもあります。


ある「事柄」に感じる
違和感や嫌悪感、忌避感を
口に出すのが憚られるため、
「これでいいんだ」と
自分を納得させようとする


…というヤツですね。
だれにも覚えがあるんじゃないでしょうか。
あれ、なんともいえず
胸がつかえたようになって
イヤな感覚ですよねえ。


これも、
「やめるなら今だぞ!アラーム」の
ひとつじゃないですかね。


この段階では、
まだ、打てる手はあるので
逃げたり、やめたりしないまでも
何か手段を考えたほうがいい。
説得すべきは自分じゃない。
自分が一番、説得しやすいから
そうしているだけ。


穏便な別案。
バレにくく、説得されにくい嘘の口実。
自分より適役の紹介…などなど、
狡猾でもなんでもいいから、
回避策を探すべき。


心に鳴るアラームは、
ときに自分でも「怠惰」や「逃避」と
勘違いしがちですが、
これまでの経験上、
アラームの警報に従って
後悔したことなし!


あの記事から5年経った今も、
「去るならいまだぞ!アラーム」
現役です。そこに
「説得するのは、自分じゃない」も
追加しよう。



<書籍出版のお知らせ>

昨年の新聞連載コラム「献身と保身のはざまで」が
おかげさまで大きな反響を呼び、
10月30日に主婦の友社より
私の著書「夫が倒れた!献身プレイが始まった!」
発売されます。
こちらに詳細を書いています。

表紙mini


おかげさまで書影もない発売前の段階で
Amazon介護の売れ筋ランキング19位に入っています。
(10月15日現在)
予約くださったみなさま、ありがとうございます。
心から感謝、申し上げます。

配偶者などの看病・介護の当事者でなくても
女性として、また妻として
ご自身に引き寄せて面白く読んでいただける内容です。
Amazon楽天で予約が始まっています。
よければ、ぜひ、ご予約ください!


ウェブマガジン「どうする?Over40」、ほぼ毎日更新しています。はらぷさんの本日更新の記事。ぜひ、お読みください。2冊のZineと1冊の本
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相反する感情や葛藤を抱えることが、相手を想う証。人も、犬も。


10月30日に発売される私の本
Amazonの解説欄には、


夫が突然倒れた、姑や舅が要介護になったら、妻や嫁が自宅で介護するものだとも思われてきた。それらのまじめに介護してきた多くの方々の記録はこれまでにも本となった。
でも本書では、介護をまかされる人が本当に献身的に介護する状況を何の疑問も持たず、葛藤もせずに受け入れているわけではないという、多くの介護者が抱えながらどうすることのできない、本当の気持ちをはっきりと提示した初めての本である。



と書かれています。


そうなんだなあと思いました。
でもきっと、その通り、「初めての本」です。
可能な限り嘘をつかず、
正直な気持ちの変化を書くためには、
かなり勇気を要したので
読んでいただけるとうれしいです。


…で同じようなことをですね。
最近は、「犬」についても感じているんですよ。


犬を飼っている人は、
全員、自分ちの犬を可愛いと思っているのか。
実際のところは、いろいろでしょう。
犬の置かれている状況も
ある意味「密室」ですから。
「ああ。もううんざりだ!」と
嫌気がさしている人もいるはずです。


もちろん「可愛い」と思っている人が
大半だとは思いますが、
「可愛い」だけかと聞かれると
答えに詰まるんじゃないかな。


犬には、それぞれの個性があり、
その個性は往々にして
人間の都合とぶつかるからです。


犬と暮らすことは、
「可愛い」と「大変」
「愛しい」と「うんざり」
「癒し」と「忍耐」の
せめぎ合いです。


そこに人間の都合を強いている
「罪悪感」も混じる。


そのせめぎ合いこそが、
ともに暮らすことであり、
よく使われる言葉であるところの
「家族の一員」
である証なんでしょうね。


さらに、どの犬にも欠点があるから、
そこを、かばいたいような
本当はお利口だと言い張りたいような
なんともいえない親心も発動して
より重症な犬バカになる、という流れ。


家族って
人間であれ、
なんであれ
異種格闘技。
せめぎ合いの連続なんですよね。
夫婦も親子も全部そうだもんな。


わたしもスーという
もうすぐ3歳になるオスの雑種犬と
暮らしていますが、
ほんとに毎日、
奉仕しています。


時々、
「あー、スーがいなかったら
もっと自由なのになあ」と
特に一人で育てているので
思いますよ。心底。


しかし、



こういう日々の

ありとあらゆる感情や葛藤が
「相手を想う」ということ。



なんでしょうね。
そういうことですよ。
愛一色、
可愛さ一色。
なんて単純な感情、ないんですよ。


人に対しても
家族に対しても
犬に対しても。


あらゆる相反する感情を
たっぷり抱えていることが
おそらくは、
愛しさの正体。


犬についても
このあたり、
微に入り細に入り、
リアルに、事細かに
書いてみたいものです。
(なんて言ってないで
書きゃあいいのか)


明日も朝もはよから散歩です。
ふー。




<書籍出版のお知らせ>

昨年の新聞連載コラム「献身と保身のはざまで」が
おかげさまで大きな反響を呼び、
10月30日に主婦の友社より
私の著書「夫が倒れた!献身プレイが始まった!」
発売されます。
こちらに詳細を書いています。

表紙mini

配偶者などの看病・介護の当事者でなくても
女性として、また妻として
ご自身に引き寄せて面白く読んでいただける内容です。
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よければ、ぜひ、ご予約ください!


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明日10月30日発売開始!目次の一部を抜粋してご紹介します。


わたしの本「夫が倒れた!献身プレイが始まった!」
明日10月30日、発売です。

syaei_book_c.png


一昨年9月1日、
夫が脳内出血で倒れてから
激変した日常に叩き込まれ、
オロオロしながらも
違和感を覚えることひとつひとつに
「待った」をかけ、
常に正直であろうと戦った
約2年間の記録です。


同じ立場の人は決して多くないと思いますが、
予期せぬ事態に陥ったとき、
どんなふうに考え、
どんなふうに対処し、
どんなふうに「自分の身を守るのか」。
状況は違っても
必ず何かのヒントやエールになるよう
わたし自身のケースを
包み隠さず書きました。


Amazonでは、すでに発売されています。
おかげさまで現在、介護部門7位(10月29日21時現在)。
ご予約・ご購入くださったみなさま、
本当にありがとうございます。





書店で見かけることがあったら
ぜひ、お手にとってください。


以下に目次を少しご紹介しますね。


・来た、来た、来てしまった
・戦闘モードに切り替わる
・つきまとう、献身プレイ感
・「ノーといえる嫁」になっておく
・どこまでの回復を祈っている?
・平気な顔でいる理由
・隠し子がいたらコンプリート
・顔も、手も、口も出すな。金を出せ。
・尽くす行為に残酷が潜む
・私は案外、ずっと一人だった
・家で看る愛だけが本物か
・無理な献身へ、背中を押すもの
・愛のカタチは変わっていい



ほかにない介護の本になったと思います。
ぜひ、お読みください。




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