断捨離番組が教えてくれる、「片付け下手な人」の愛らしさ。


BS朝日の「ウチ、“断捨離”しました!」を見ると
いろんなことを思います。


最新回の女性は、
定年退職した60歳の奥さん。
断捨離の提唱者やましたひでこさんが
的確な問いをぶつけるたびに、
笑いながら答えていました。


こんなふうに
「笑いながら答える」人っていますね。
どんな心理なんだろうなあ。
自分の問題を「大したことない」と
軽くしたいのか。
笑い飛ばすふりをすることで
問題を霧散させて
「ない」ことにしたいのか。
いずれにしろ、アドバイザーにとっては
もっとも、イラっとくる態度ですな。
やました先生もイラっとしていました。


わたしもイラっとすると思う。
でもね、何度か、回を重ねて見ていると、
この人に限らず、
「断捨離できなくて困っている人は、
どこか愛らしい」のです。
弱くて、不器用で、
ムダにこだわりが強くて愛らしい。


バブル時代の服が捨てられなくて
困っている女性もそうでした。


どちらの人も、
少女の面影を残していて
いっしょにいると
困る面もあるだろうけど、
なんともいえず愛らしかった。


昔の思い出を、じーっと抱きかかえて
うずくまっている感じとでもいいましょうか。


バブル女性は、
自らの披露宴で、
花嫁姿で歌いながら
登場したそうですが、
写真を見てそのことを思い出し、
再び、朗々と歌いあげてみせる。
そのときの表情!
周囲の目を気にせず、
思い出に没入する姿、
これは、「断捨離上手」には
決して踏み入ることのできない
逸脱系表現の領域です。


定年後に片付けられなくて
悩んでいる60歳の女性は、
やましたひでこ先生に
心のなかの思いを問われ
「ずっと寂しい」と言いながら泣きました。


この女性の目が、
ずっと夫を追っていて
「ああ。好きなんだなあ。
好きなのに、満たされなかったんだなあ」と
日常のすれ違いだけでなく
性的なすれ違いというか、
「抱きしめてほしい」という思いまで
伝わってくるようで
グッときました。


こういう、
もろくて、柔らかくて
不器用で、不格好で
どこか相手をイライラさせる
すれすれの「魅力」って
断捨離上手や片付け上手の
ムダのない生き方からは
決して生まれない味わいだと思う。


わたしも、どちらかというと
断捨離人間で、
物事を取捨選択するタイプなので
こういう愛らしさや
人間らしさからは遠い。


「いつもすっきりする」ことと引き換えに
手放した「躊躇」といいましょうか。
その「躊躇」って
つまるところ、
どんどん過ぎていく
「時間の残酷さ」に
駄々をこねるかのような抗議だったり、
幼児性を手放すまいとする
敗北の決まった戦いだったりするんじゃないだろうか。
なんか、それって
運命に対する
本質的な抗いだなー。


ああ。やっぱり、愛しい。


人間って、
寂しさを直視しないために
あらゆる方法で
心や空間の「すきま」を埋めようとするんですね。


やり方が違うだけ…そんな気がします。
…と言いながら、私は、
「無駄な抵抗はせず、
運命に従いたい」ので
きっとこれからも積極的に
断捨離するんだと思う。
でも、それが必ずしも
「優れた能力」とは思わない。
「混沌」とか「躊躇」とか「保留」とか、
そういうものへの耐性が
弱っているのかもしれないもん。




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