人は、さまざまな速度の乗り物。少しずつ、「ゆっくりさん」へ。



スーと散歩をしていると
少し前を歩く人が杖をついている場合が
しばしば、あります。
今日の夕方もそうでした。


このままスタスタ行くと
犬の速い足音が
プレッシャーになるに違いありません。
それだけは、避けたい。
でも、反対側の歩道は
今まさに集団下校の小学生が
列をなしてぞろぞろと歩いてきます。
あのなかを歩くと
「きゃー!犬やー!」という
興奮の渦を巻き起こすので
それも避けたい。


運よくスーが歩道脇の草の匂いを
熱心に嗅いでくれたので
杖を突いて歩く人の後ろ姿を
じっと見ながら、
できるだけ間隔が詰まらないように
ゆっくりと歩いていきました。


もし、わたし一人で歩いていたら
多分、歩道にすっと降りるなどして
あまり何も考えず追い抜いていくでしょう。
だから、細かく観察することもありません。
でも、犬を連れて後ろを歩くので
その人が、ちょっとした歩道の凹凸に
ものすごく慎重になっているのがわかります。
どこに杖をついて
どこに足を置いて、
どのようにして角を曲がれば
転倒しないで済むか。


この人にとって
歩くということは、
全神経を集中して
一つ一つクリアしていく
難易度の高い試練。
ロッククライミングに似ている、
と思いました。
平坦な道が
登山のようです。


その人が角を曲がってから、
ふとそっちの方向をのぞくと
公園の出口にあるベンチに
腰をかけて休んでいました。


先日は、駅で
足の不自由な高齢の女性が、
駅員さんにトイレの場所を聞いていました。


トイレはこちら側にはなく
反対側のホーム。
一度、エレベーターで上って
また降りて
ホームを端まで歩かなければなりません。


遠いです。
もし、切羽詰まっていたら
間に合わないかも。


歩道を、駅を
さまざまな「速度」の人間が
行きかっている。



着実に高齢化は進んでいて
「ゆっくり」の人たちが
増えていると感じます。


時々、
歩道を歩かず
車道の端を歩いている人がいて
不思議に思っていたけれど
特に坂道の歩道は、
微妙にデコボコがあり、
靴底が傾斜して
よろけそうになるんですよね。
車道のほうが
まっすぐで歩きやすいのです。
それも、最近まで気づかなかったなあ。


わたしも、
少しずつ着実に「ゆっくり」のほうに
立場を変えていくでしょう。


ゆっくりさんの歩きやすい道や
休憩しやすいベンチ、
とても大切です。




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心震えた。「聞き手としての自分がいるから一人ではありません」


仕事がひと段落して時間があるので
ネットフリックスやアマゾンプライムで
映画やドラマを見たり、
YouTubeを見たり、
本を読んだりしています。


インプットというんでしょうか。
鑑賞方面に意欲的になると
あ、これも見なきゃ。
あ、これも見たい。
それも、読んでない。
面白そう。読みたい。
わああ。ボーっとして過ごしていたなあと思います。


以前、オバフォーの
つまみさん、ミカスさんとの
ポッドキャスト番組
「月に何本以上だったら、
映画が趣味ですって
正々堂々と言えるのか」
という話をしましたが、
映画も、本も、
毎日、慌ただしく、というか、
わたし得意のマンネリライフを進行させると、
ほんと、なんも見ないまま、
読まないまま、
時間だけが過ぎる。
最近はテレビも見ないから、
なんというか、
現住所、情報の孤島。


やばい、とも思うけど、
まあ、でも、別にいいかとも思う。



そんなふうに
あれこれ見ているなか、
ユーチューブで
作家の小川洋子さんが
2016年12月に関西大学で行った講座を見つけました。
丁寧に準備された講演は、
理路整然として
エモーショナルで
めちゃめちゃ面白かった。


小説「ことり」の
生まれた背景を語るものですが、
その最後は、
作品に影響を与えた
動物行動学者の岡ノ谷一夫氏の引用で
締めくくられました。


ことばを持った人間は
たとえ一人でも
心のなかには
聞き手としての自分がいるから
一人ではありません。



この3年ほどの
自分の実感と重なって
心が震えました。
そうだ。わたしは、ずっと
こころのなかの「聞き手」と
いっしょに生きてきのです。
だから、一人じゃなかった。


気がつけば、
読書の秋。
「ゆとり」を「暇」と考えて焦ったりせず、
読んだり見たりして
「聞き手」との時間を
もっと豊かにしたいと思います。




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さまざまな時間的スパンの「楽しみ」が、希望の素になる。


午前中、ベランダの鉢に
チューリップの球根と
ビオラの苗を植えたら、
ぐっと気分が明るくなりました。


「今日は、生産的なことをしたぞ」
というお天道様に
堂々と胸を張ってもいいような気分。


毎年、チューリップと
ビオラぐらいしか植えない
万年園芸初心者であっても、
土を変えて、植えて、水をやって
よっこらしょと腰を上げた瞬間、
マルチン・ルターの


たとえ明日、世界が滅びようとも
今日、私はリンゴの木を植える。



という言葉を、
多少なりとも実践した気分になります。


つまり、こう、なんというか、
極小サイズではあるものの
未来に希望をつないだ的な
ずっと先の楽しみを仕込んだ的な、充実感。


もろもろの保存食づくりとか
野菜づくりとか
庭づくりとかって
「丁寧な暮らし」という言葉で
くくられがちですが、


そんなことより、
「先に楽しみを作る」
というとらえ方のほうが
いいんじゃなかろうか。


人って、
「今すぐの楽しみ」
「何時間後かの楽しみ」
「今日中の楽しみ」
「数日後の楽しみ」
「週単位の楽しみ」
「月単位の楽しみ」
「季節の楽しみ」
「年単位の楽しみ」
という具合に
さまざまな時間的スパンの
楽しみがあったら
余計、幸せなんじゃなかろうか。


年をとってくると
「もう、先に楽しみは
なーんもありません」
ってことになりがちで
短期的楽しみだけにもなりがちで
「あっという間に一年が過ぎちまった」
ってことになってしまいがちなので
(わたしのことです)
少し先、一年先、数年先…の
楽しみを「植える」「仕込む」ってこと
したほうがいいなー。


たとえ明日、世界が滅びようとも
今日、私はリンゴの木を植える。


・・・という言葉は、


たとえ明日、さらに老いが深まろうとも
今日、私は楽しみの種を植える。


と言い換えてもいいわけで、
未来に向けて希望の種を植えよう。
そうしよう。自分の手で。


・・・とここまで書いたら
オバフォーのミカスさんから、
庭で木の根っこを引っこ抜こうとしたら
手を痛めたというメールが来ました。
なるほど。
わたしの場合、ベランダだから
「希望を植える」なんて
詩的なことが言えるわけで
庭だと「引っこ抜く」などという
根こそぎ植物の未来を葬る
荒療治も必要になるのですな。
庭<田畑<大地<山全体
と規模が拡大すればするほど
悠長なことは言って
気取っている場合ではなくなる(笑)。


それでも、なお、
遠い未来に、希望。





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「ちょっと崩した感じ」と 「生活のやつれ感」の隣接問題。


急に寒くなったので
慌てて衣替えをしたら、
びっくりするほど
秋冬物の服を持っていませんでした。


何となく、そんな気はしていたけど
これほどとは…。


去年の冬、
よくこれだけの服で過ごしたもんだ。
何枚かのセーター
(ユニクロのカシミア中心)と
パンツやスカートで
間に合わせたってことで
いわゆる、着まわし上級者?
いやいや、そんなこたーない。


結構、仕事で
あちこち動いたつもりだけど
一体、何を着て行ったのだろうか。


今月も、すでに
いろいろ買っているつもりだけど
スーのハーネスを新調したり、
お正月のお雑煮用に
朱色の椀を買ったり・・・と
洋服以外ばっかりでした。


これから欲しいものも
膝かけとか
ラグとか
額縁とか、
ベッドサイドのテーブルとか
ランプとか
インテリアものばかりだ。


結局、
「自分の目に入るもの」と
「自分が快適になるもの」を
優先しているんだなあ。


しかし!


秋冬物の服も買おう。
ひとまず、パンツを買おう。
そう、スカスカのタンスを
見て思いました。


Ku:nel (クウネル) 2021年 11月号は、髪型特集。
「大人にこそおすすめ。
カーリーヘアに注目」という記事がありました。
先日、わたしもクルクルのカーリーにしたので
ちょっと嬉しかった。


それにしても、


「おしゃれに見える
大人の女性の共通点は、
皆さん、ヘアスタイルが素敵なこと。

それも、かっちりと
作り込んだような髪型でなくて
手をかけているけれど、
適度にカジュアル感や
抜け感もある…
そのさじ加減が絶妙なのです」



という文章に始まる髪型特集。
毎度のことながら、
パリの女性の幾人かの髪型は、
わたしがやったら、
「髪、ボサボサやん。
疲れてんの?」って
絶対聞かれるやつ。


「かっちり作りこまない
ちょっと崩した感じ」と
「生活のやつれ感」は、
紙一重の「お隣さん」だから、
どっちに転ぶかは
賭けですね。


入念な手入れをしていても、
その日の体調や
光りの加減で
変わるのではなかろうか。


この号にも登場しておられる
島田順子さんは、
いつも、素敵に見えているのだろうか。





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性的物質の代替は、着るものの「色」と「新しさ」だ。


昨日、アメブロのほうに
「ときめき」は、
性的物質の飛散量に比例するのだ」

という記事を書きました。


あれから、スーと散歩しながら、
「では、どうすればいいのか」と
つらつらと考えてみたのです。


わたしを含め、
高齢化した面子の集いで
ある種の色気や
ある種の希望、
潤い、華やぎ、を
交換しあうにはどうすればいいのか。


マンション内の会議室を
脳内で再現します。


色が地味だ。
茶色と黒とグレーと白と。
なんか、そういった色の
極めて控え目で常識的で無難な
色あわせ。
男も女も。
そして自分も。


色だ!と思いました。


性的物質の代替になるのは、
色だ。色と新しさだ。



年とったら、
きれいな色を着ろ。
安くていいから
新しいものを着ろ。


このブログにも
すでに何度も書いてきた気がしますが
やっぱり、それに尽きるんじゃないだろうか。


あの会議室の
おじさま、おじいさま方が
淡いピンクや黄色や
鮮やかなオレンジやブルーを着ていたら、
ああ。それだけで
なんとなく色気が!
未来への希望が!
暮らしを慈しんでいる感が!


わたしを含む
おばさま、おばあさまだって同じです。


そして女性の場合は、
レースとか
フリルとか
刺繍とか、
ちょっと繊細な感じのする
フェミニンさも
あっていい気がする。


ああ。そうだ。
装いの起源は、
クジャクの羽根のごとく、
性的アピールなのだった。
年とともに性的物質が枯渇してきたら、
なおのこと、
装いに文化として性的役割を
担ってもらわねばならぬのだ。


色と新品。(安くてよし)


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★月曜にはこちらも書いています→敏捷な犬は、陸の「うなぎ」。つかまえるとすり抜ける、大捕り物の話。


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