私のなかの「若者」は、いつも席を譲りたがっている。


京都で午前中だけの取材を終えて
バスの座席でスマホを見ていました。


その日は、寝不足だったんです。
そんなときは、余計ダラダラとスマホを見てしまうのです。
疲れていたんですよねえ。


・・・と疲労を強調するのには、理由があります。


だらだらとスマホを見ていたら、
視界の左側に「花柄の杖」と「筋ばった手」が目に入りました。
「はっ!座っている場合ではない!」と思いました。
反射的に立ちあがり、
「どうぞ!」と言いました。


言い終わってその人の顔を見たら、
なんと、60代半ばぐらいの、
やや化粧濃いめ、髪の毛明るめ、気は強めの
現役感バッリバリの女性ではありませんか!!


「いえいえ~、座っておいてください。
そんないいですよ~」と
笑顔で辞退してくださるものの、
わたしにはわかる。


このタイプの人は、
席を譲られるのがいっちばん嫌いだ。
80歳になっても嫌いなはずだ。
それなのに、それなのに
60代で譲ってしまった!
ムッとしているに違いない。
いや、それ以前に「そんな年に見えたのだろうか」と
心のどこかが傷ついているに違いない。


よく見ると、
「花柄の杖」に見えたのは、
長くて細い「傘」だったという失態!


「わわわわわ、すみません!
ああ、傘なんですね。傘が、杖に見えたんです。
杖に見えてしまって…ごめんなさい!」と
わけのわからないことを小声ながら切々と熱烈に口走りながら、
もう一度座りなおしました。


ふー。何をやっているんだか。


その女性にしてみたら、
あわてて立ち上がったわたしの顔を見た瞬間、
「は?あなたと年、そんなに違わないよ」って
思っただろうし、言いたかっただろう。


睡眠不足は不注意を招くというおはなしです。


そして、


自分のなかにいる「年長者を敬う若者」が
ひょっこりと顔を出して
もう、若者じゃないのに
「反射的に行動しちゃう」こともある、ってお話でもあります。


わたしのなかの「若者」は、
いつだって席を譲りたがっている。
いい子だ、よしよし。




★席を譲る問題は、この記事でも書いていました。もんのすごく考察してる(笑)
座席を譲る、というビミョーな問題。

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コメント

優しい!

シルバーシート以外、私席譲らないですよ~。私はわりと若いけど、本当は足も悪いし、重い病気してあちこち不自由なのに、誰も席譲ってくれないどころか、去年京都一人旅のとき、おばあさん二人に嫌み言われた!いけずですかね(涙)?東京より京都のお年寄り強いですよね?人には、いろいろ事情があるんです。つらいのはお年寄りだけじゃない!
話がずれましたが、そんなに歳を気にする人ばかりじゃないと思います。優しい人だなあと思ったんじゃないですか?特に「杖に見えた」っておっしゃった辺り。。私もそう思います!

  • 2017/03/07 (Tue) 21:43
  • まる #-
  • URL
No title

ほんと、いい子だー。よしよし。

  • 2017/03/08 (Wed) 02:50
  • m #-
  • URL
もっと気軽に

席を譲ったり譲られたりするようになるといいなー、と思うのですが、今は都会の殺人的な混雑に身を晒していない気楽さもありますね。

40歳ぐらいの時に小学生に席を譲られたり、50歳ぐらいの時に大学生風の男性に席を譲られた時にはびっくりしましたが、考えてみれば確かに彼らよりは年上なのですから堂々と座っていいじゃないかと、
「まあ、どうもありがとう」
とにっこりして有難く座らせていただきました。

荷物が重そうだからとか、疲れているみたいだからとか、
いえ別に大して理由は無くても、譲られたら思いがけないギフトを貰ったぐらいの気持ちで嬉しく思えばいいんじゃないかな?
世の中であまりに「お年寄りや、妊娠中の方、体の不自由な方に席を譲りましょう」って言われすぎるから、却ってその中に入っているか?いないか?が争点になってるように思うんですよね。
まあ、いろんな人がいるからむずかしいですけどね。


昔、妊娠後期に仕事の帰りにとっても疲れて座席に座っていたら、
威張ったおじいさんに
「若者は年寄りに席を譲れ」と言われ仕方なく立ったことがありました。
もっと妊婦らしい格好でいれば、そんなことも無かったのでしょうけど。
それからちょっと電車に乗るのが嫌になり、遠回りしてバスに乗って帰ったりしたことを思い出しました(^^;)
ホント人それぞれ事情があるので難しいですね。

  • 2017/03/08 (Wed) 10:51
  • ぶんぶん8 #-
  • URL
どんな年寄りになるか!悩ましい。

いいこで何が悪いか~このやろ~です。

最近友達とも話します、かわい~いお年よりになりたいね。
でも、それはとてもとても至難の業。
そういう年になったんだなぁ、と自分の今を受け入れることは、きっと大変なんだ。
そこをうけいれると、みるみる老け込んでいきそうでもあるし、、、。
楽できる順番がきたんだわ、と思うようになれないだろうか、、、。

まあ、職場では
「ごめん!おばちゃんだから、(若いこに)これやって!」と都合のよいとこは利用してます(^-^)v

  • 2017/03/09 (Thu) 17:29
  • オレンジエッセ #-
  • URL
コメント、ありがとうございます!

★まるさん
ほんとだ。まるさんのおっしゃる通り、
座席を求めるのは、高齢の方だけじゃありませんもんね。
それにしても重い病気をされていたなんて、
まるさんの「毎日を楽しんでいる」ことが伝わるコメントからは
まったくわからなかったです。
「相手の肉体的なつらさや不自由さ」は見た目でわからない、って
ちゃんと思っていないといけないですね。
コメント、ありがとうございます!

★mさん
短いなかに温かい励まし!しかと受け止めました。 すりすり。

★ぶんぶん8さん
>世の中であまりに「お年寄りや、妊娠中の方、体の不自由な方に席を譲りましょう」
>って言われすぎるから、却ってその中に入っているか?いないか?が
>争点になってるように思うんですよね。


ここんとこ、ほんとにそうかもしれません!
「その中に入っているかどうか」が争点になるって
ナンセンスですよね。でも、わたし、囚われているかも!
しかし、妊婦さんには、もっと優しくしないといけないですよねえーー。
あと子どもさんを抱っこしているおかあさんとか。まじに。

★オレンジエッセさん
そうなんですよねー。
「かわいい」って目標としては難しいんですよね。
かわいい動物やかわいい服は存在するし、
かわいいおばあちゃんも、もちろん存在するんだけど
めざして届くのか!?問題(笑)
>楽できる順番がきたんだわ、と思うようになれないだろうか、、、。

うんうん。確かに「順番」という受け止めは効果的な気がします。
昨日花見に行ったんですが、そこでも「傍観」的な順番に来たのかもなあ
ってうっすら思いました。

  • 2017/04/10 (Mon) 16:57
  • カリーナ #-
  • URL

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