先月、母の納骨のため長崎に帰ったら、
姉の「ないならないで済むものは、
放置したままで過ごす」哲学はさらに進化かつ深化していました。
(姉についてはこんな記事も書いています→姉に思う。老いは、人を真に個性化するのだ。)
その哲学を象徴するものが、急須です。
もう何年も「ツル」がとれたままの急須。
「ツル」なき急須をどのように使用するかというと
下の写真のように「ポッチ」をつまんで使う。
熱湯の入った急須のポッチをつまんで
お茶を注ぐのです。これはこれで熟練を要する!

それが先月帰ったら
「フタ」が見当たらないではありませんか。
「姉ちゃん!フタ、どこいった?」
「ぎゃ!あんたが帰る前に何とかしようと思って忘れとった!」と
言っていました。
ツルとフタと本体で構成されていた「急須」の
ツルとフタがない!
身はあるが蓋がない!
「あんたが買ってあげれば?」というご意見もあるでしょう。
ごもっともです。ですが、
誕生日にバッグや服や財布は送っても
そのものズバリ急須を送るのは
なぜかためらわれるのです。
ためらわず送ったほうがいいのかもしれないけど
なんか、ちょっと姉ちゃんがションボリするようでためらわれる。
ま、「身はあるがツルとフタのない急須」でいいならそれもよし。
・・・と思っていたら!!!
つい先日ですよ。
電話でこんなことを言うではありませんか。
友だちの退職祝いにパスケースを選んだら
なんか、楽しかった~。
友だちも「ずっと欲しかったけど古いものを我慢して使ってた!
ものすごくうれしい!」って
ふだん、あんまりお礼を言う人じゃなかとに
何回もお礼言われたとよ。
相当うれしかったとって思う。奮発したけんね。
デパートの食器売り場も歩いたら、
楽しゅうなって急須も買うたよ。
そうかあ。よかったねえ。
うん?
急須を買った!??
うん、。急須ひとつ変えるだけで気分の変わったよ。
全部なんとかしようって思うより、
ひとつ変えるほうが、よかね。
おお、なんとーー。素敵なお言葉ーー!
姉に言わせると
自分の年齢を考えて(今年の6月で68歳)
「時間を大事にしよう」と思う気持ちが、
「もっとちゃんと物を買おう」につながったらしいです。
買い物を楽しむのは、
時間を大事にすることなのか。
ああ、そうかもなあ。
買い物はエネルギーもいるし、
明日への希望も必要だもんなあ。
(4年前にこんな記事を書いていました)
健やかな「買い物」は、健やかな心身の証だ。
食器売り場を歩くと
器好きだった母を思い出すとも言っていました。
それもわかる。わたしもいつも思い出している。
身も蓋もある急須で
花も実もある人生だ。姉ちゃん。
★フェイスブックやツイッターで更新情報をお知らせしています。ツイッターと一緒にブログを読んでもらうと面白さ増します。
★ウェブマガジン「どうする?Over40」、ほぼ毎日更新しています。おかあさんをショートステイに預けてカナダに行ってきたお話&「いどばた。」のお題は、「眠い時、どうしてますか?」
★いつも応援してくださってありがとうございます!

↓
にほんブログ村 ミセス系