サプリメントのCMが閉じ込める、「いきいきとハツラツの檻」


サプリメントのコマーシャルを見ていると
出てくる人、出てくる人がみな、
「健康で若々しければ幸せ!」という顔をしていて、
その「若々しさ」と「健康」だけで満足げなところが、
なんともいえない「年寄り感」を醸し出しています。


元気で、からだがよく動いて
家族や友だちに囲まれていれば、
そりゃ、そうじゃないより幸せかもしれませんが、
それだけで幸せともいえないでしょう。


若いときと悩み方は違っても、
やっぱり、悩みや葛藤を
同じようにかかえて
日々を生きているんですから。
いくつになっても。


「いろいろ悩んで生きている感」があったほうが
年寄りくさくならないと思うなあ。
コマーシャルでは、
やけにはつらつとした顔でウォーキングしているけど、
その「はつらつ」が
なぜか、見ているこちらの希望を奪う。


「いくつに見える?」と自信満々に聞いてくる人が
決まって年相応か老けて見えるように



「若々しく見える」ことを希求しすぎると
アピールポイントが「容姿」や「体力」に限られ
その限定によって年寄りくさく見える、というジレンマ。




コマーシャルにおける高齢者の描き方って
とても大きな課題ですよね。
ステレオタイプは、
だれの心も動かさないかわりに、
悪しき先入観だけは植えつける。


特別にすぐれた人の特別にすごい老いでなく、
健康と若々しさを求めるやたらと生き生きとした老い(サプリ系)でもなく、
孫や家族に囲まれてにこやかに微笑む老い(住宅・保険系)でもない、
「年上の人たちの造形」が見たいなあ。


年上なんていってますが、
55歳は、サプリメントのコマーシャルに登場する年齢なんですけどね。
だからこそ一層、ステレオタイプの描き方で
「いきいき&はつらつ」の檻に閉じ込められたくないなあと思います。


人生はもっと悩みに満ちて
だからこそ柔らかく美しいんじゃない?




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コメント

味わい

うんうん。
この前も、大学を変わったりしていわゆるスムーズに出なかったムスコの更なる留年を心配している友達と、

ぐずぐずどよどよ面倒くさくなっていたダンナのせいで機嫌が悪いワタシが顔を付き合わせ。

両方ともさほど深刻な状況ではないとはいえ、
何の憂いも無さそうな人っていうのも面白くないしかんにさわるから(果たしてそうか?笑)

多少の悩みは味わいだよねーーと言い合いました。難病になったとして、生活困難になったとして、果てしない介護生活になったとして、

そう言い続けられるかどうかわからないけど、味わい深く生きたいものです。爽やかいきいきなんて要らないわ♪

  • 2017/08/12 (Sat) 12:52
  • あきら #dI6DO0LA
  • URL

小中学生のころは、元気過ぎて、はつらつ過ぎて、むしろアンニュイを目指してました。
自分で主張するのは、自分に自信がない部分なのかもしれません。
若造の物憂げポーズが笑止なように、年寄りのはつらつポーズも痛いです。
なんにしても、人からどう思われるかを自分でコントロールするのは難しいですよ。
クリント・イーストウッドの最近の映画見てて、年寄りぶりを活かした無理の無い役柄の彼がすごくかっこよくて、やはり年取ってかっこいいのは、それまでの実績と地位なのかなあと思ってしまいました。

  • 2017/08/13 (Sun) 23:41
  • まる #-
  • URL

サプリ系、住宅保険系、笑えました!!
なんとなく見ていましたが、改めて思い浮かべると、どちらも未来の姿としてあまり魅力的でないですね。。

  • 2017/08/24 (Thu) 09:16
  • Marion #-
  • URL

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