そういうわけで
久しぶりに訪ねた産婦人科は、
妊婦たちの園。
超音波など一連の検査をした後、
先生「う?ん、まだ妊娠の様子はないですねえ」
「は、そうですか」
スゴスゴとパンツをはく私。
いやあ、この段階では、
閉経にまったく思いがいたっていなかったものの、
なんとなく、うすうす、おぼろげに
お医者さんたちの「言葉にしない何事か」を
感じてはいた。
今となっては、その「何事か」の正体がよ?くわかるけど。
「もしかして閉経でない?」
きっと言えなかったんだろうね。
その直截な一言が。
45歳だし。
決して早過ぎないとはいえ、遅くはないわけだし。
ジャガー横田女史のよう堂々たる現役も存在するわけだし。
そして目の前の女(ワタシ)は、無邪気に妊娠を信じてるし…。
というわけで、釈然としないまま
妊婦の園を後にしましたの。
懲りもせず、妊娠検査薬を購入して
トイレで調べ、
「+」ならぬ「?」に直面したとき。
内なる声が、
不意に、
ささやいたのです。
「上がったんじゃない?」
そうか ―――――――――― ッ!!
便座に座ったまま、
ハタと膝を打つ。
予告なき別離。
突然の終焉。
驚きましたわ。想像を超えたカットアウトに。
アタフタとパンツを上げる私。
でもね、まだ完全な「上がり」ではなかったの。
閉経スゴロクは、まだまだ続く