賛辞の言葉で、相手を「『偉い』の檻」に閉じ込めたくない。


邪悪な気持ちでいたら、素敵女性が現れて恥ずかしくなったお話。
に書いた女性と仕事の帰り道、いろいろと話をしました。


2人の子どものおかあさんなのは間違いなかったけど、
小さいほうのお子さんは、施設から里子を迎え入れていたのでした。
この夏には、夏休み限定で中学生も迎え入れるそうです。


「あの・・・もしかして育成好きですか?」


とおそるおそる尋ねてみました。
そして、自分自身が考えていたことなので
こう続けてみました。


「人間の子育てと犬育てをいっしょにして
ほんと申し訳ないんですけど、
わたし、昨年末から子犬育てに夢中になっていて
そんな自分を『もしかして私は、育成好きなのかもしれない。
もっといえば、育成マニアかもしれない』と思ったんですよ。
だから、ちょっと聞いてみたんです。
育成マニアな面、ありますか?」


ちょっとびっくりしたような顔をして、それから、
「あるかもしれません!
わたしは、マネージメントマニアかも!(笑)」


と途端にくだけて話してくれました。


ほっとして、さらに続けてみました。


「あと、課題解決マニアなとこもありませんか?
試行錯誤しながら一つ一つ課題をクリアするのが
基本的に好きとか?」


「ありますね~!あと、あまり深く考えないで
やってしまう、というところが
夫婦ともにあります。
この仕事もだから引き受けてしまいました」


「なるほどー(笑)。
苦しいことに直面したら、
やることを増やして乗り越えるタイプ?
すべてをやめて集中したいタイプ?」


「ああ。増やします、増やします」


「やっぱりそうかあ。心のキャパシティーが大きいんだなあ
わたしは、増やせません(笑)
わりに全部から降りたくなります」


もちろん、こんな資質テストみたいな話ばかりしていたのでなく、
彼女になぜ里子を迎え入れたのかと尋ねたら、


「本当は思春期の子どもを迎えて
『こんな大人もいるよ』と少しでも伝えられればと思ったのだけど、
11か月の子どもをお願いできないかと言われました
実のおかあさんのもとにいつか帰るのですが」


夫婦間で「いつか離れる子をどのように育てるか、
考え方が少し違う」ことなども話してくれました。


バスを降りて
保育園のお迎えに急ぎ走る姿は、
やはり前回の記事に書いたようにまぶしかった!


ぶしつけな質問をおもしろがってくれる人でよかったです。
そして「偉いなあ」「大変でしょう」
という角度から話をしなくてよかったとも思いました。


「偉いね」「大変ね」という賛辞は
ときにその人を「『偉い』の檻』」に閉じ込めます。


それは、本当に共感なのだろうか。
本当に理解しようとする姿勢なのか。
ずっと思ってきました。
「丁重な隔離」じゃないかと。
人間、ときに「丁重な隔離」しかできないことはありますが、
それを共感と勘違いして、
「わたし、これでオーケー!」と思って生きたくはない。


多少、的外れでも「自分自身の問題の何か」と関連づけて
「比べられるものではないけれど…」と前置きをつけ
敬意を払いながら
会話をしたいなあと思うようになったのです。



ともかく、素敵女性は、いろいろと素敵女性でした。
わたしのぶしつけな質問に
「想像力の橋」をかけ、そこを渡って歩み寄ってくれて
とてもうれしかったです。


次に機会があったら、
「育成マニアが陥りやすい罠」について
じっくりと話してみたいと思います。
わたしは、犬だけど(笑)。





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コメント

えらいって言葉

自分が言われると、そんなんじゃなくて・・・と
言いたくなっちゃうんですよね~。

育成か~

育成マニアとか、見守りマニア、いますよね。
これ大事な生きるポイントかもしれない。
私はどうだろうってちょっと思っちゃった。

  • 2018/03/31 (Sat) 22:21
  • asa #-
  • URL
No title

お久しぶりです、こんにちは。
『偉い』の檻、なんとなくわかります。

いつも「偉いわあ」「よくやってはるわあ」と
褒めちぎってくださる知人がいて、すなわち
私と会話したくはないのだなと常々感じていました。

このモヤっとした状態、
自分自身の気持ちに名前をつけることができた気がして
なんだか嬉しいです。

  • 2018/04/02 (Mon) 16:20
  • 豆球 #06fMZ3gA
  • URL
なるほど!

「偉いわね」「すごいわ」に続く言葉が
「私には出来ないわ」「私にはムリ」。
かなりの頻度でセットになってると思うのです。
(口について出ないだけでセットになってると思われる)
むしろこの後から続く「私には出来ない」というのが
本心なんだろうなあ。
自分が言われる、言われない限らずに
傍で聞いているだけでも居心地よくないのは
敬意と共感がないからなのですね。
あ、でも私自身も口にしてしまっているかも。。
自戒忘れまじ。。

★コメント、ありがとうございます!

★asa さん
ははは。育成するのが好きな人、見守るのが好きな人、看病するのが好きな人…人と人の関わり方の得手不得手っていろいろありますよねー。育成するのが好きな人は、ちょっと自分勝手かもしれません(わたし)笑。
>自分が言われると、そんなんじゃなくて
そうですねー。つい謙遜もしちゃうし、ちょっと違うんだよって言いたくなりますね(笑

★豆球さん
わあ。うれしいです!ありがとうございます。
>私と会話したくはないのだなと常々感じていました。
おお、そうなのですね。そういうタイプの方は、
「自分は相手の社交辞令に気づくが、
他人は気づかない」と思っている人が多いように思います。
自分と同じくらい、他人も敏感と思うことから
実りある、もしくは適度の距離感の会話って始まりますよね。
そんな会話をできたら、人生の大きな成果だと思います。

★いまねえ さん
あわわ。確かにわたしも口にしているかもしれません!

そのときってつまるところ、「無関心」ってことですよね。
無関心の表明が礼賛というパターン(笑)
大人のテクでもあると思うし、
必要だと思いつつ、
癖にはしたくないですねー(笑)

  • 2018/05/01 (Tue) 11:25
  • カリーナ #-
  • URL

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