憧れや尊敬を前提にふるまうと、人間は滑稽なことになる。


若手芸人さんが
お金持ちのマダムを訪ねる番組を見ました。


お化粧が上手で
おしゃれなお金持ちのマダムは、
若手芸人さんのお願いに快く答えながら
ピンと張らせた細い指先を
空中に弧を描くように動かすという、
細部まで手入れの行き届いた女性にしばしばみられる仕草で
上機嫌に案内していました。


スタジオに戻ると
出演者が一斉に「気さくな人ですねえ!」と言っていました。


「気さく」とは、
「人柄や態度がさっぱりして明るく、庶民的」というような意味ですが、
気さくであることが当たり前の人、
たとえば、商店街の八百屋のおじちゃんなどに
「気さくな人だ!」とはあまり言わないので、


いばっていたり、
気取っていてもおかしくない立場の人が
意外にもさっぱりして明るく庶民的だった場合に
「気さくな人だ!」と評することが多いです。


このお金持ちのマダムも、
まだあまり売れていない若手芸人に
さっぱりと明るく親切に接していました。


大仰に称えられるモノや車やファッションに関して
「いえいえ」と謙遜したり、
ためらうようにブランド名を口にしたりしながら、
指先で空中に弧を描き、
髪に手をやりながら、
まぶたをゆっくりめに閉じたり、開いたりしています。


しかし、まあ、男女を問わず、
「気さく」「鷹揚」「庶民的」など
自らの立場と真逆の対応をすることによって
そのチカラを結果的に補強し、誇示するという
トリッキーでややこしい表現方法を
人は、いつ、どの段階で身に着けるのでしょう。



謙遜とは、非常にややこしいもので、
「相手が自分を評価している」という前提があって
はじめて成立するものです。
そして、それは、しばしば自分だけの思い込みだったり、
相手の意図的な「よいしょ」や「ゴマすり」のおかげだったりします。


他人の自分に対する憧れや敬意を前提として発動される
「気さくさ」や「謙遜」は、
その前提が存在しなければ、
滑稽な一人芝居になってしまう。



もちろん、セレブを訪ねるという番組そのものが
「おだてに乗せる」ものだから、
仕方ないのですけど


謙遜するほどすごくない。
気さくを意識するほど偉くない。



そう思っておいた方がいいと思うなあ。
過度な謙遜や意図的な気さくさほど
プライドの高さを想像させるものはありません。


「鼻持ちならない」って、
強固な選民意識と
偽装された気さくが
化学反応を起こしたときに
立ち現れる匂いだと思いました。


それは「おだて慣れ」した人から見ると
「ちょろい」ともいえる危うくて隙だらけの態度でもある。
マダム、ご用心。





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