この二カ月半で一番泣いた。「書くこと」ってすごいぞ。


夫が倒れて3日後に
嵐の日も、晴れの日も、生きましょう。
という文章を書きました。


この2カ月半の自分の行動のうちで
「やっておいてよかった」と思うことの
筆頭がこの文章を書いたことです。


このとき、ここに、
彼が元気だったときの言葉と
ふたりでなごやかに食べた朝食と昼食を
こと細かに書いたことで
いまも、そのときの夫の表情や声を
はっきりと思い浮かべることができます。


記録する大切さ、
動画や写真もいいですが、
記憶に刻むチカラの大きさでは、
「文字の記録」にかなわないかもしれません。
そのことに改めて気づかされています。


惜しむらくは、夕飯を覚えていないことです。


倒れる前の二日間は東京出張と
友人との飲み会で夕飯は摂らなかったので
そのもう一日前。
何を作ったのか、
何を食べたのか、
彼が何を言ったのか、
思い出して何度も振り返り、
この胸に刻んでおきたいけど、
どうしても思い出すことができません。


その何日か前に奮発して松茸を買い、
鱧の骨を焼いてだしをとり、
土瓶蒸しを作ったのですが
「深い味だなあ。味わい深いなあ」と
とてもうれしそうだったことを
その代わりのように
何度も何度も思い出しています。


syokuji.jpg


倒れる日の午前、台所の流し台に寄り掛かって立ち、
この記事に書いた先輩のことを話していたら
「僕は、おかあさん(わたしのこと)で本当によかった。
いっしょに稼いでくれる人でよかった」と
ほめてくれたことも何度も思い出します。


あたりまえだろ、というように
「フフフ」と笑って、
わたしは、褒めなかった。


あのとき、なんで、褒めなかったんだろう。
「わたしもだよ」ってなんで言わなかったんだろう。
なんで、わたしは、こうも、言葉をケチってばかりだったんだろう。


いま、この文章を書きながら
この2カ月半で一番泣いています。
ボロボロと涙を流しながら書いている。


ああ。書くことってすごいなあ。
記憶にしっかりと刻んだり、
心を解放したりするんだなあ。
そんなつもりじゃなく書きはじめたので
自分でも驚きました。


今日は曇り空。
夫のもとへ行ってきます。


なんだか、愛の告白みたいな文章いなっちゃいましたね(笑)
許せ。





フェイスブックツイッターで更新情報をお知らせしています。フォローしたら気軽に話しかけてください♪リアルタイムにツイートしているのでライブ感あります。

ウェブマガジン「どうする?Over40」、ほぼ毎日更新しています。月曜にはこちらにも書いています。「失った」とばかり思っていたけど、「別の幸せ」も手にしていた。

★いつも応援してくださってありがとうございます!ハッピースマイル

にほんブログ村 ミセス系
関連記事

スポンサーリンク



コメント

シンクロしました

カリーナさん。ちょうど今日、数時間前、私も過去の思い出を書き留めておこうとして書いた、けれどもうまく書けなくて消したところだったんです。
何か月も書きたい気持ちがあったのですが、実際書きだすには何か壁があって延ばし延ばしにしてきました。書き始めたら書けるかなと思ったのですが、意外と忘れていました。私の場合ちょっと時間が経ちすぎたかな。最近とみに忘れっぽいし。あと10年経ったらかなーり忘れてしまっているに違いない!
その時にしか書けない文ってありますね。
もう時系列に書くのは無理なので、特に記憶に残っている場面場面だけでも拾っておこうと思います。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2018/11/22 (Thu) 13:05
  • #
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2018/11/22 (Thu) 20:16
  • #
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2018/11/22 (Thu) 20:36
  • #
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2018/11/23 (Fri) 01:10
  • #
共感

カリーナさん
この記事を最初に読んだのは職場ででした。
思わず涙がこぼれました。
書くこと、文字で残すこと。
カリーナさんの思い。
ちょうど先週、オバフォーのあずみさんの記事で
「記録とるべし」というのがあって
そちらは介護のことでしたが
やはり書いて残すこと、この大事さを書かれておられました。
書くことが記録になっていく。
記録が記憶につながる。
改めて共感しました。

宝物

感謝の言葉、賞賛の言葉、なごやかな食事、冗談、笑顔、一緒にいることそのもの、そんなありふれた水や空気やお米みたいな普通のものが、宝物なんだなあ。教えてくださってありがとうございます。この鱧まつと太刀魚?の塩焼のキラキラした写真、記録していて良かったですね!私も一生忘れません。沢村貞子の私の献立日記と言う本は、ご夫妻の何十年もの朝夕の献立がズラーっと書かれています。これをめくるとその日のことが思い出されるそうな。
私も今日から始めてみよう。

  • 2018/11/25 (Sun) 10:37
  • まる #-
  • URL

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する