家事は、家という縄張りに「匂いをつけ」て親しみを育む行為だ。


仕事で必要なこともあり、
ふたつの生協から食材をとっています。
日曜日に、今週届く予定の食材を見ながら、
一週間の夕ごはんの献立を決めるのが習慣になりました。
そのとき、買い足す食材もメモしておきます。


わたしの夕ごはんに賭ける情熱ときたら!
われながら恐るべし!



…といっても何もすごいものを作るわけじゃないんですが、
「その日の夕飯が決まってない」ということが
大げさでもなんでもなく、日々の生きる希望を削ぐので
せっせと下ごしらえをしたり、作り置きをしたりしています。


犬の散歩が終わり、ごはんをあげ、
洗濯物を取り込んで片づけたら、
暖かい部屋で
ちゃちゃっと準備して
ごはんにしたい。
ビールだって飲みたい。
見るともなくテレビも見たい。
そこに寝そべる犬がいるくつろぎ感が
明日を生きる活力。


この「ちゃちゃっと」が大事で
一から作るなんて無理。
さっと炒めるだけにしておくとか、
材料は切ってあって一人鍋にするとか、
そういう段取りを考えておきます。


いったい、いつから、こんなに「食べることが好き」に
なったんだろうか。
性欲が減退したころからでしょうかね。


それに、いつから、こんなに段取りがよくなったんだろうか。


いやあ、それにしても
家事をするチカラをあなどってはいけませね。
だれも、あなどっていないだろうけど
もっとすごいもんだと思っていいと思う。


稼ぐチカラも大事だけど
家事のチカラがあれば
案外、生きていけるんじゃないか?と思いますよ。


多くの女性が配偶者との離婚や死別のあと、
たくましく生きている姿を見かけますが
その生命力と適応力と楽天性の土台に
「家事力」があるのではないか。



家事は、自分の「家」をそらぞらしく、
寒々しく、虚ろに感じないように
家という「縄張り」との親和性を育む行為。



わたしは、もう、そう言いきっちゃうな。


長年にわたり、いやいやながらでも
手をかけてきた、触ってきた、
つまり動物としての「におい付け」をしてきたから、
「家にいて虚しくない心」でいられると思うのです。
(そりゃ、寂しかったり、切なかったりはするけども)


さらに家事のチカラがあれば、「崩れない」。


暮らしが崩れない。
体調が崩れない。
見た目が崩れない。


わたしにとって「家事」は
習慣という、自然で
自分を崩さないための「砦」ですな。


これまでブーブー言いながら、
いやだいやだと思いながら築いてきた「砦」の
意外な堅牢さが、
わたしの健康と生きる意欲を支えています。
掃除洗濯料理って生命力と深くかかわるものだな。





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コメント

No title

友人がたびたび見舞っていた50代女性の話ですが、ガン末期で寝たきりだった日々、「家事をできるようになるのが目標」と言っていたそうです。確かに家事って生きることに直結していますね。
自分のために料理をつくるのは、自分をいたわって手をかけてあげるということですよね。自分を崩さないための「砦」という言葉が、本当に痛いほどぴったりです。

  • 2019/01/17 (Thu) 12:22
  • Jane #-
  • URL

今私は、ネイルしたりしながら、牛すじを圧力鍋で煮ています。煮えたらそのまま朝まで置いておくと、この時期寒さでホワイトチョコみたいな油がパッカーンと取れます。それを小さくカットして小分けして冷凍。大根とゆで卵と煮込にしたり、カレーにしたり、おでんにしたり。張り切らなくてもいつものアレを料理できること、ちゃちゃっと適当に掃除して部屋を居心地よくすること、ほどほどの家事で満足できる自分への寛容さも含めて家事力わりにあって良かったと思っています。私による私へのおもてなし。意外とお金では買えないんですよね、この手の日常の幸せ。

  • 2019/01/17 (Thu) 22:26
  • まる #-
  • URL
No title

家事って、一言では表現しきれないほど事細かな段取りがないとうまくいかないですよね。それをまた365日休まずやり続ける大変さもあります。だけど一般的には、誰でもできる軽い仕事と思われがち。やらない人には特にわかってもらいにくいものです。
私は15年ほど前、父が病気になったことを機に故郷から両親を呼び寄せ、6人家族の専業主婦になりました。高齢の両親を見ながら再び働くチャンスはもうないし、私に今できることは家事と介護だけ。それだけで正直毎日ヘトヘトです。
そんな時、カリーナさんのおっしゃる「家事のチカラのすごさ」を読んで、すごくうれしくなりました。うれしくて10回くらい読み返しました。
もともと家事は嫌いではないし料理もどちらかといえば得意です。でも全て投げ出したくなる事しばしばの日常のあれこれ。そんな家事が、何があっても自分を崩さずいられる「砦」となるほどのチカラになる。そう言い切ってもらって、これほど心強いことはないです。
私もせっせと自分の縄張りを育み、これからも意気揚々と家事、介護に頑張ろうと思いました。

  • 2019/01/18 (Fri) 21:10
  • けい #vfJUa5co
  • URL

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