正直な心情の吐露を禁じるのは、精神の自由を奪う弾圧。


各地の新聞に連載中の
「献身と保身のはざまで」を読んだ方から、
怒りの、というより、
罵倒のといったほうが正しいメールをいただきました。


いたく傷つき、
しばらく呪われたような気持ちになりましたが、
でも、よかった。


何が、よかったって
この人が、わたしの身内じゃなくてよかった。


わたしの身内、とくに夫の肉親たちは
日々、連載を読んでくれていますが
温かく見守ったり、
言いたいことをこらえて静かに見守ったりしてくれています。
なんとありがたいことでしょう。
感謝でいっぱいです。


わたしの記事が一部の人々に反発を呼ぶであろうことは
ある程度覚悟していたので
それはいいのですが、
自分の信じる正論を武器に
「家族愛」や「自己犠牲」の有無を判じる踏み絵を差し出し、
「さあ。踏むのか。どうなんだ!」と迫り、
「こいつはダメだ」と結論づけた瞬間に
地獄に落ちろともいうべき悪口雑言を繰り出す人々。


「介護」をめぐる場所には、
このような人々が一定数いて、
それが「実際には介護の負担を負わない身内」の中にいたりすると、
介護当事者は、たまらんだろうと思います。


今回もらったメールにも
自己の体験は、ひと言も触れられていませんでした。
そして、このような「お叱りのメール」を
介護当事者の方からいただくことを覚悟していましたが、
まだ、そのような方からの怒りのメールは
一通もいただいていません。


介護の当事者になることが
自分の人生をすべて犠牲にするように感じて
「怖い」と思うこと
「いやだ、助けて」と思うこと。



そのような心情を正直に吐露することさえ
人間として失格であるかのように弾劾することは、
まさしく踏み絵をもって迫る「弾圧」です。




「怖い」「いやだ」と口にすることと
介護の責任を担おうとする「覚悟」は別であり、
責任を全うする方法も人の数だけあってしかるべきです。
そして、その「選択」もまた被介護者と介護当事者とが行うべきものであり、
「責任」を担うものが行使すべき自由という名の「権利」です。


それから、わたしの連載は、
看護や介護についてだけ書いているものではなく
夫婦というもの、
その性的な面も含む関係と、
その変遷についても
率直に書いていて
そこが、わたしらしさのにじみ出る
味わいどころだと思っています。
自分でいうのもなんですが、ほんとですよ(笑)


願わくば、その全体を味わって
読み物として楽しんでいただければと思います。
もちろん反論や否定的ご意見も歓迎しますが
どうか、わたしも一人の人間であることを配慮いただき、
節度ある言葉づかいでお願いしたいです。なにとぞ。


もし、お住まいの地域の新聞に連載がない場合は、
電話やメールで「読みたいから載せて」と言ってみていただくと
掲載される可能性が何倍も上がるそうです。
もし、お時間ありましたら、そういう方法も。
(あつかましくてごめんなさい)
共同通信社の配信先はこちらです 




私の連載コラム「献身と保身のはざまで」、神奈川・佐賀・宮崎日日新聞で掲載が始まりました。現在、熊本日日・岐阜・山陰中央新報・四国・茨城・秋田魁新報・山陽・埼玉・愛媛・神戸・徳島・北日本・静岡新聞・福井新聞・信濃毎日・岩手日報・東奥日報の各新聞にも掲載(終了紙もあり)されています。お住まいの地域の皆様、お読みください。


  詳細や経緯はこちらの記事をご覧ください。

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  • 2019/07/12 (Fri) 21:02
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  • 2019/07/12 (Fri) 22:29
  • #
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  • 2019/07/12 (Fri) 23:25
  • #
読めました!

福井新聞電子版で読めました!介護してないと正直実感を持って読めるわけではないけど、夫婦について考えが深まりぐいぐい読みました。
不謹慎狩りみたいな攻撃をしてくる人は何と戦っているんですかね?何を守ろうとして、何が脅かされるんでしょう。人がどう考えようと自由です。
気にしないで、カリーナさん!
攻撃が激しいほど、その人の図星をついてるってことですよ。人は的外れなことには怒りません。
例えば、私は子供がいないんですけど、実は本当は欲しくないんです。だから、義母にいろいろ言われても、全然気にならなくて、穏便にすますため本当は欲しかったけど、病気で残念だみたいな演技までしてもストレスにならないくらいどうでもいいのです。義母が子供を持つのが当たり前という考えであること自体も一つの意見として尊重するくらい気にしてないわけです。なので、子供を持って一人前という意見に激しく反論してくる人は実は自分もそう思っているからなんです。それと一緒だと思います。

  • 2019/07/13 (Sat) 07:55
  • まる #-
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  • 2019/07/13 (Sat) 09:43
  • #
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  • 2019/07/13 (Sat) 11:05
  • #
No title

金も出さない、身元も引き受けない人間の戯言など聞く耳持たずでいい。
傷つく値もなし。
真に傷つくとは目の前の愛する者の復活に無力な自分を思い知った時。自分で自分に傷つく。
主人の31歳から38歳までの闘病を共にした(同い年です)私の実感です。

  • 2019/07/13 (Sat) 17:48
  • #-
  • URL
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  • 2019/07/15 (Mon) 13:55
  • #
掲載されるそうです❗️

時期は覚えていませんが、カリーナさんのブログにたどり着き毎回プロならではの表現力、文章力に感心、驚き、そして頷きながら拝読しています。
「献身と保身のはざまで」、隣の県では掲載が始まるものの、私の地元、群馬県の地元紙の名前は出てこない…
「何とかして読まねば」という気持ちと、「問い合わせれば掲載確率があがる」 とのコメントを読み、思いきって地元紙上毛新聞にメールで問い合わせたところ、7/29から掲載決定との返信がありました❗️
新聞社への問い合わせは生まれて初めて(ちなみにブログへのコメントも初めて。もし間違いやおかしな点があったらお許しください)でしたが、言ってみるものですね。
私も含め、より多くの方が読むことができればと願っています。

コメント、ありがとうございます!

★秘密コメントのSさん
うれしいお言葉ありがとうございます!
そうですねー。顔が見えないときついことも言えますね。
Sさんの言葉、とても励みになりました。感謝です!

★秘密コメントのAさん
ご自身が大変な、おつらい体験をされながら
私に温かくも力強い言葉をくださることに
心の底から感謝します。そして尊敬します。

>自分を抱きしめながら、頑張り過ぎないでください。
>私も愛を持ってやっていれば、いつか結果となって返ってくると信じて。
>これからも応援しています。

ありがとうございます!
そのお言葉をこそ、抱き締めてまいります。
Aさんもどうぞ、ご自愛くださいませ。

★秘密コメントの??さん
コメント、ありがとうございます!

>大変、大変でない、っていう尺度はその時代や環境によっても相対的に変わる

そのお言葉で救われた思いです。
私自身も、時々、「自分は楽してるじゃないか。
それなのに大げさに書いていないか!?」と自問する瞬間があるからです。
でも、確かに、そうやって「絶対的な不幸」のことを思って
自分を抑えると、自分の苦しみや不幸を自分が救えなくなってしまいますね。
コメントを拝見し、私を批判した方の胸の内を少し理解できる気がしてきました。
ありがとうございます!

★まるさん
わああ。福井新聞電子版で読んでくださったんですか!
ありがとうございます!
なるほど。まるさんのおっしゃるように何か、その方の、どこか、
刺激されたくない部分を刺激したのかもしれませんね。
それにしてもまるさん。自分の「ほしいこと」と「ほしくないこと」が
しっかりと見えていてすばらしいです!

★秘密コメントのMさん
ツイッターでもありがとうございます!
Mさん、そんなご経験をされてきたのですね。
どれだけの葛藤、忍耐、自問自答がおありだったことでしょう。
そんなMさんが読んでくださり、そしてそんな風に言っていただけて
コツコツと書いてきた甲斐がありました。
ネットフリックスにルポールというドラッグクイーンの番組があるのですが、
必ず、いつも「自分を愛しなさい。そうでなければ誰も愛せない!」と
声高く言うのです。自己犠牲や献身に足元を救われず、自分の人生を慈しみましょうね、お互い!

★秘密コメントのJさん
おおお、先ほどの的確なコメント、Jさんなのですね!
相変わらずの洞察力に「確かにそうかもしれない」と
もらったメールの言葉を思い出しながら思いました。
二度もコメントをくださり、本当にありがとうございます!
これからも、よろしくです。ほんとに。

★??さん
簡潔、かつ、経験に裏打ちされた重みのあるお言葉ありがとうございます!
私がまだ経験していない感情も踏まえてのコメントだと推察しました。
また、どうぞ、何か感じることなどがあったら
おっしゃってください。お待ちしています。

★秘密コメントのYさん
メールも頂戴し、ありがとうございます。
お返事書きたかったのですが遅くなって申し訳ありません。
奥様の介護の大変さ、いかばかりかと思います。
また、後ほど、メールをお送りします。
読んでいただけたら、ありがたいです。

★きゅっぴぃ さん
ブログを読んでくださり、ありがとうございます!
そして、お忙しい時間を使って
上毛新聞社に問い合わせくださるなんて
なんてお礼を申し上げていいかわかりません。
本当にありがとうございます!感謝でいっぱいです。
連載、面白く読んでくださるといいなああ。
よかったら、またご感想をお寄せください。
楽しみにお待ちしています!

  • 2019/08/12 (Mon) 20:43
  • カリーナ #-
  • URL
Self-compassion (セルフ コンパッション)

>自分を抑えると、自分の苦しみや不幸を自分が救えなくなってしまいますね。

それです、カリーナさん。私は最近 Kristin Neff (クリスティン ネフ)の提唱する Self-compassion (セルフ コンパッション) を調べているのですが、まさにそれです。時に自分を一番責めているのは自分であったりするのですが、苦しんでいる友達に接するように思いやりを持って自分をいたわろう、どの人も完全ではなく状況の程度は違えど苦しんでいるという点でお互いにつながれる、他人と自分の不完全さを許そう、という主旨です。彼女のSelf-compassionを実践するためのワークブックには介護者のため章もあります。言うは易しですが、カリーナさんはこのブログを書いていらっしゃることも含めて、すでに実践されていますよ。

  • 2019/08/13 (Tue) 04:08
  • Jane #-
  • URL

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