いろいろと予期せぬ不都合も生まれますね。
たとえば、現代日本のあらゆるニュースが
一堂に会するワイドショー。
鳩山内閣の組閣について熱弁を奮っていた政治評論家の先生が、
芸能人の熱愛報道について
「恋愛を演技に生かしてほしいですね」
なんてスラスラとコメントしちゃう、というおかしな事態も
不都合といえば不都合。
同じように現代日本の商品という商品が
一堂に会する大規模ショッピングセンター。
最近では、車や仏壇まで揃った巨大スーパーもあるらしいけど、
そこまで盛大に何もかもが一堂に会すると
いろいろ不都合も生まれるでしょう。
そもそも
晩ごはんのサンマと大根を買いに行く
のと
秋物のワンピースを買いに行く
のと
仏壇を買いに行く
のと
家族でディナーを楽しむ
のでは、
目的がまったく異なる。
本来なら、
ドレスコードも異なってしかるべき(なはず)。
たとえば、
だけど
仏壇という人生に何度もない重大かつ敬虔な
スピリチュアル・ショッピングとなったら、
ブラックフォーマルという選択肢だってないわけでなかろう(ないけど)。
家族とのディナーなら、
イブニングドレスという選択だってないわけでなかろう(ないけど)。
そんなブラックフォーマル&イブニングドレス的空間が、
「ちょっとそこまで感覚」ってどうよ。
う?ん、商品という商品が一堂に会する「華麗なる殿堂」が
あまりにも最寄りで、
いったい何を着て行ったらいいかわかんないよ。
その点、昭和はよかったな。
昭和40年代ころまでは、
食料品を買うなら最寄りのあか抜けない商店街、
洋服や仏壇を買うなら繁華街のあか抜けたデパートや専門店と
決まっていたもんね。
服装だって、普段着とよそいきの二分法だったから、
迷う余地なし。きっぱり。すっきり。揺るぎなし。
ずっと愛読している、
あの金子由紀子さんの切れ味鋭く、示唆に富む内容満載の40代ファッションブログ
「40代 フツーのオバサンのファッション大研究!」。
最新記事に、
「最近気づいたんですけど、私5月から10月はミュール、
それ以降はブーツしか履いてないから、
ほかの靴要らないんだってわかりました」
「それ以外のちゃんとした靴履いてく場所なんて、
子供が受験するんでもなきゃ、葬式以外ないし。」
という記述を発見。
そうなんだよなあ。
ちゃんとした靴
ちゃんとした服
ちゃんとしたバッグ・・・
みなさんには、それが求められる「場所」がありますか?
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