この日曜、姪の披露宴に出席してきました。
あらゆるイベントがそうであるように
披露宴も準備段階の「さまざまな計算、迷い、決断」が
カタチとなって表れるもの。
主催者しかり、
列席者しかり。
披露宴そのものはゲストの気持ちに配慮した
料理のおいしい、長すぎず、華美すぎない
とてもすばらしいものでした。
が、わたしは、思ったのです。
ゲストの服が黒い。
(わたしも黒かった)
新郎サイドの列席者は
当然ながら男性の友人が多いので、
親戚のおじさんともども、ほとんどが黒メインのスーツ。
さらに加えて、おばさんたちも黒が多い。
「その素材、喪服ですね」という人が
あちらにも、こちらにも。
新婦側のおばさんたちも
決して派手ではありません。
そうなのか。
披露宴を終えた翌日、
空港への道すがら、わたしは娘に
「やっぱり喪服はやめたほうがいいね。
同じ黒でも、黒が違うよ。
披露宴は、おめかしもご祝儀!覚えときや!」
と自分も黒だったくせに
名言めいたことを口にしながら
ふんぞり返って帰ってきたのですが、
しばらくして、11月にも甥の披露宴があることを思い出しました。
そうだ!わたしの喪服は、
4点セットでパンツがついていたのではなかったっけ!?
あのパンツスーツに
華やかなブラウス(安物でよし)を合わせればいいんじゃないか!
お金をかけたくない、もう一人のわたしが
耳元でささやくのですよ。
「いいよ、いいよ。交通費も宿泊費もかかるんだから、喪服でいいよ」
華やかなピアスとパールとキラキラバッグでなんとかなるさ。
実際に着てみると
意外にイケる気がします。
これで秋の服を新調する必要なし。
ブラウスだけでよし!
(シャンパンゴールドのブラウスなんかだといいんじゃね??)
翌朝、娘に意気揚々とその話をすると
「は?喪服はやめたほうがいいって言ってたのだれ?
それにあのパンツ、似合ってないし」
だよね。
舌の根も乾いてないよね。
「おめかしもご祝儀」と偉そうに言っていたよねーー。
しかし、わたしは、このときしみじみとわかったのです。
披露宴に地味服、とくに喪服で出席した人たちの気持ちが。
わたしが誘惑されたように
節約したい、もう一人の自分の禁断のささやきに
導かれていくのですよ。
このご時世、だれもが「節約」したいのです。
実際に苦しい場合もあれば、
気分的に家計防衛したい場合もあるでしょう。
事情はそれぞれでしょうが、
わたしを含め多くの人に共通するのは、
「親より貧しい」
「親の老後よりゆとりがない」ってこと。
そこで、
●ご祝儀
●服や着物や着付けやヘアセットなどもろもろの支度にかかる費用
と
●交通・宿泊費(もし返ってくるなら、どれぐらいの金額か)
●料理や引き出物
をわからないなりにああだこうだと計算し、
つきあいの濃淡も加味して
「この披露宴にかける費用」を算出する。
「おお、こんなにかかるかあ!」とおそろしくなった途端に、
一番、省きやすいのが
「おばちゃんである自分の衣裳」ってことになるんですね。
コストも手間も省きたい気持ちが、
黒い地味な衣裳へ、
礼服に見えればいいわ的気分へ
ヘアセットもいらないわという結論へ、
どんどんどんどんと、この手を引っ張っていくのです。
私たち、確実に貧しくなっているんですね。
多くの人々の心に
いつの間にか深く「節約」が定着しています。
11月の披露宴は、ZARAなどファストファッションになる確率が高いとはいえ、
黒でない、少し華やかな色のワンピースなりを新調し、
大きめのアクセサリーとキラキラバッグで飾って
出席しようと思います。
おめかしは、ご祝儀。
多少の奮発も、礼儀。
これは余談ですが、
字が下手なので
ネットの無料サービスを利用しました。
(ご祝儀袋を買うと筆耕してくれるの!)
麗々しくて、よかったですよ。
お祝い事には、
できる範囲できちんとお金を使い、
心も砕きたい。
若者の門出。
自分自身の「しつらえ」をいい加減にせず、
お金はかけずともパリッと、シャキッと、
「いつもと違ってオシャレしてきてくれたなあ!」と思ってもらうことも
ご祝儀のひとつ。
祝福にかける気合だけは、しっかりと伝えたいものです。
それにしても若いころ、
大人は冠婚葬祭に動じないと思っていたけど動じますねー。
ちっとも大人らしい大人になっていない自分に出会う、秋。
人生、ままならず。
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