淡々と努力する老いは、人生という究極のミニマルアート。


今週火曜日に放送された
NHK「プロフェッショナルの流儀」は。
交通誘導警備員の84歳、上野敏夫氏でした。


「この道25年」ということは、
59歳のときから。
いまのわたしと同じ年齢で始めたことになります。


それまでは社長さん。
バブル崩壊とともに経営が悪化し、
会社をたたんで転職したそうです。
3年まえに奥さんを亡くして
今は一人暮らし。


ナレーションのところどころに
「社会的地位の低い仕事だが」的な
解説が入るのですが、
そんなことはどうでもいい。


痩身の機敏な肉体と
明晰な頭脳から放たれる
「金のために働く」という言葉は
仕事に「生きがい」とか「健康」とか
余計な意味を付与したくないという
潔癖さの表れのようで、
それは、もう、
人生のミニマルアーティストの風格。


あさりごはんの手製弁当も
風呂で手洗いする仕事道具の旗も
「生き物は殺しちゃいけない」と
小さな虫を窓の外に逃がす姿も
野の花を摘んで奥さんの仏壇に供える姿も
公園でひとり昼食をとり、
ハンカチを顔に乗せて休む姿も、
修行者そのものだった。
わたしは、一生忘れないよ。


生きる世界は違っても
この人の、
人生のミニマルアーティストとしての
淡々と努力する姿勢を
覚えておいて
自分を支えようと思う。


しかし、お年寄りだからといって
「旗じいちゃんの生きる道」なんて
タイトル、ぬるすぎる。
市井の宗教者ともいうべき存在には、
もっと凛とした
ふさわしい言葉を与えるべき。
それこそが、プロフェッショナルの流儀だと思うけどなー。


年をとると
いくらでも集中できる「時間」を
手にすることができる。
だれからも期待されないからこそ。
だれにも邪魔されない。


「自由」と「時間」を
どう使うかが試される。
年をとってからの
時間の密度、
濃くしようと思えば、
どこまでもできるんだな。
このあたり、わたしもテーマにしたいです。



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コメント

選ばれし

80を超えて、完全に自立し、あまつさえ現場で働けるほどの健康。どんな金持ちにも勝る素晴らしい天からのギフトだと思います。若者の当たり前が高齢者の理想の人生なんですね。

  • 2021/09/24 (Fri) 22:08
  • まる #-
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