長崎でひとり暮らしをする姉ちゃんは、
毎朝、電話をしてきます。
話したい、というのもあるだろうけど、
「妹は無事か」の確認もあるでしょう。
その姉ちゃんが、
「だれだって老いても
素敵でありたい、
綺麗でありたいと思うけど、
なかなか、そうはできない。
思うだけでできなくて
何となくしょんぼりして過ごす人が大半。
そのとき、あんなふうに素のままで
あんなふうに魅力的なのを見せられると
『ああ。打ち込む人間ほど
美しいものはない』と思って
救われるような、
励まされるような気がした」
と言っていました(長崎弁で)。
「あんなふうに素のまま」な人とは、
NHKプロフェッショナルの流儀に登場した
俳人の夏井いつきさんです。
ご覧になりました?
さっそくNHK+で見たら、
確かに爆発的に魅力的でした。
俳句や創作については
ここでは置いておきますね。
あくまでも64歳の女性として
どこがそんなに
姉ちゃんの心をとらえたのか。
「すっぴんよ!
最初なんか、
ベターっと首に湿布貼っとると」
確かに貼っていました。
わりに雑にペタリと貼っていた。
それだけでなく、
デスクに座る
素足のかかとの少し乾燥した感じ。
時折映る、これも少し乾燥した
爪に入ったいくつもの縦の線。
濃いピンクのTシャツ。
ウェストゴムに違いない
見るからに楽そうなパンツ。
番組中、何度もかきあげ、
何度も後ろにくるっと束ねられる
白髪交じりの髪の毛。
投稿された5000句すべてに
目を通し、そのうちの一つの句の
言葉が気になり、
「調べて」と頼んだ夫が、
「あ。これかも」と
検索結果をパソコン画面で見せると
「ああああ、そうかあ!」と
驚きながら、
やや気もそぞろに、
夏井さんは隣の扉へ。
あの行動の自然さ。
迷うことない速度。
あれは、トイレに直行したのではなかろうか。
「飾らない」というけれど、
徹底して飾らない、
ありのままの日常を
気負いもなく
自信があるからできるというふうな
あえて打ち出す感もなく、
あっけらかんと見せることの
突き抜けた迫力と魅力!
衣服も、化粧も
人を魅力的に見せる力なんて
本当にたかが知れているんだなあ。
ラストシーン。
「鶴を抱くやうな余生をたのしまん」
という句とともに流れた
夫である加根兼光氏が運転する
車の助手席に
身も心もリラックスして座って
話に興じて一瞬、
椅子から浮き上がるように
からだを弾ませる
夏井さんの様子に
夫婦の「余生」の幸福を見た思いがしました。
どの瞬間も、はつらつとし、
キラキラと粒だっています。
いかようにも楽しめる
何度でも味わえる
ドキュメンタリーだ。
NHK+では
来週火曜日まで視聴可能。
夏井さんのYouTubeチャンネルに
その内幕を語る動画もありました。
動画、どれもおもしろくて見ごたえあります。
★Amebaオフィシャルブログ、はじめました。新記事、更新しています。→ウォーキングは、勝てない敵に挑む果敢な戦い。いざ。
★月曜にはこちらも書いています→「老いの悲哀」が爽快なのは、老いない体があってこそ!?
★いつも応援してくださってありがとうございます!

↓
にほんブログ村 ミセス系
- 関連記事
-
- いいのか!?「パジャマ」のボーダレス化。 (2012/09/01)
- かっこよさは、「思うようにいかない人生」という物語の肯定から。 (2019/04/26)
- 究極の「こなれ感」とは、常に着ている服から生まれるものなのね。 (2021/08/12)
- 俳人・夏井いつき氏(64歳)の、どの瞬間もはつらつとした美しさ。 (2021/12/09)
- オリンピック。女性アスリートたちの「甘さのブレンド」に見惚れる。 (2016/08/18)