って言われるとうれしいけど、
ほんとは、なんにだって裏はあるもんです。
たとえば、魚。
そうですねえ。
サンマは、あんまりわかんないけど、
カレイには、はっきりある。
じっと海底にへばりついているからかな?
ちょっと腹黒い感じ。(白いんですけどね)
繁華街の飲食店にも裏はあります。
お寿司屋さんの裏側には
タオルや手ぬぐいが
ちょっと淫靡な白さで干してあったり。
中華屋さんの裏側には、
玉ねぎやキャベツの段ボールが
たたまれることなく散らばっていたり。
こうやって考えると、
裏は、表よりずっ?と雄弁。
フツーの家もそうですよね。
プランターとか健康器具とか
「一度はやる気になったものの放棄した」
挫折品の数々が山となっていたりするもんね。
そんな風景がたまたま目に入ると、
見ちゃいけないものを見てしまったような、
だからこそ、もっとじっくりと時間をかけてのぞき見して
その家庭の怠惰や倦怠や家族関係や経済状態なんかも吟味し、
つかの間の優越感に浸りたいような
誘惑に満ち満ちた裏庭。
これって、人間の外見でたとえるなら、
「背中側」ってことになるんでしょうか。
人生の塵芥や挫折や諦めや、なんやかんやを
もう、てんこもり山積みしている背中。
「いやあ、後ろ姿を見たら
すっごいおばあちゃんで、びっくりしたわ?」
なんて話もたまに耳にするから、
背中の情報発信量、これでなかなか侮れないのかも・・・。
なんてことを考えながら、
ドラマ「深夜食堂」を見ていたら
あがた森魚さんが
流しの役で出てきました。
哀しくて
優しくて
情けない
役どころがぴったり。
そのあがたさん、
ドラマの後半で初恋の人と再会し、
手をつないで坂道を歩くんですが、
その後ろ姿がびっくりするほど若かった。
かつてのチャーミーグリーンのコマーシャルの
老夫婦でないほうの、若夫婦くらい若い!
(迂遠な解説ですみません)
あがた森魚さん。
1948年生まれの61歳。
挫折も倦怠も人並みにあったに違いないのに
なんだ、このさわやかな背中は!?
信念も、
意固地も、
頑固も
それなりの驕りも
その背中に積んであってもよさそうなのに、
青少年みたいな背中。
音楽の力やなんかで
塵もホコリも愚痴も意固地も
上手に振りはらってきたのかな??
そうだとしたら、すごいな。
表の体裁を整えんがために、
裏にあれもこれも溜めこんでいないか?
ときどきは上手に振り払わないといけないなあ、
と思った次第。
背中の若さって
心の自由や柔らかさと関係あるんじゃなかろうか。
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