47歳って「おばちゃん?おばあちゃん?」

いやあ、傷ついた。
家に帰っても、あまりのショックに玄関で呆然としたよ。

仕事を終えて帰る道すがら。
近所の小学1年生の女の子2人がふざけあうように歩いていた。

私も「お帰り?」とは言わないまでも、
口元と目元に優しげに見えるはずの微笑みを浮かべて
追い越そうとした瞬間…。

背中に

「おばさん?」

え?とひっかかったものの
まあ、ここまではよし。47歳。むろん堂々たるオバサンだ。しかし…


「おばあさん?」

凍りついたね。

日本人女性の一生が
赤ちゃん→お嬢ちゃん→お姉ちゃん→おばちゃん→おばあちゃんと進むなら、
47歳の私は「おばちゃん期」のど真ん中にあるはずで、
「おねえちゃん期」からは遠く離れたとはいえ、
「おばあちゃん期」にはまだまだ十分な余裕があるはずじゃなかろうか。

胸の奥がキーンとして、「ああ私、今、傷ついている」と思ったよ。

「おばさん?おばあさん?」と秀逸な疑問を発した子は、
クスクス笑いながら私の反応を見ていて、
明らかに自分の発言のイジワルさを自覚している。
ふん、イヤな子だよ。まったく。

「うん?おばちゃんよ」と答えるのは、
究極の選択を迫られて、まだしもマシなほうを選んだようでシャクだし。
「おばあちゃんに見える?」と尋ねるのも卑屈な感じ。
「お姉ちゃんよ」とでも言おうものなら
この憎たらしいガキは大喜びするに違いない。
「うそやあ!おばあちゃんや?ん!」とか。

というわけで、無言のまますごすごと立ち去ろうとすると、
「名前は?」「名前は?」とまとわりついてくる。

そこで、良識ある大人というか、
単に気が弱いというか、
中途半端な薄笑いを浮かべて「●●よ」と名乗りつつ歩き去ろうとする私。

その背中に、またもや残酷な矢が放たれた。

「おばあちゃんやのに、ブーツはいてる?」

しかもクスクス笑いつき!

もう一人の子が、とりなすように言う。

「そんなん言うたらあかんやろう。オシャレしてはんのや」

う?ん、傷口に塩を塗りこむことばじゃないですか?

意訳すれば、

「君の言う意味はわかるけど、
そんなこと面と向かって言ったら傷つくから、言ってはだめだろう。
精一杯オシャレしていらっしゃるんだから、おばあちゃんも。
ま、似合ってないけど」

ってこと?

恐るべし、小1女子。

神様。

どうか近いうちに、
この罪深い子どもたちにもう一度、会わせてください。

用水路や池に落ちておぼれているときや
不審者の車に乗ろうとしているときや
いじめっ子の男子に追いかけられているときなどに
会わせていただければ、これ以上の幸せはありません。

ぜ?ったい、見ない振りして通り過ぎてやる。

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コメント

No title

はじめまして。

我が家の小1になる娘は、私が娘の同級生達に向かって「おばさんはね...」と申しますと、「おばさん?おばさん~?」とおちゃらけます。
(でも、この表現方法以外に小学生以下の子どもに対して自分を指し示す適切な言葉ってあるのでしょうか??)

...おそらく、娘の心理を読みとるに
(私のママはおばさんなんかじゃない~!そんなのイヤ~!!いつまでも可愛くてきれいなママでいてほしいの~!!!)
という、世にも恐ろしい無理難題(^◇^;)なのでしょう...。

【ティム・ガン】検索で、参りました。

Carinaさんの、あまりにも的確な「40代」への御指摘と愛があふれるメッセージの数々に心奪われ、一気読みし、こんな時間に(それも随分前の記事に)コメント残しております。

これからも楽しみにしています。

  • 2009/08/20 (Thu) 04:05
  • かっぽ #-
  • URL
★かっぽ様

こんにちは!たくさん読んでいただき、ありがとうございます。
とても、とてもうれしいですv-252

娘さん、かわいいなあ。そうですよねえ。子どもって「若くキレイな母」を求めますね。
(その喜び、与えられなくてすまん>わが娘)

>(でも、この表現方法以外に小学生以下の子どもに対して自分を指し示す適切な言葉ってあるのでしょうか??)

ああ、そうですねえ!

自らを「おばちゃん」といってしまうときに感じる、一抹の寂しさね。
世間にあわせた感もあるし。複雑ですよねえ。

でも、出会う子ども一人ひとりに
「おばちゃんじゃないのよ。Carinaちゃんって呼んでね」と強制するのも
面倒くさいし、自意識過剰気味な気がして遠慮しちゃうしねえ。
外国のように「ファーストネーム主義」を世間一般的に
貫いてくれないだろうか。

コメントありがとうございました!
これからも「冴えない日常から生まれる記事」を書いていきます。
また来てくださいねv-222





  • 2009/08/20 (Thu) 07:45
  • Carina #-
  • URL
45歳でおばぁちゃんです。

初めておばぁちゃんになったのは、38歳です。今は、三人の孫がいます。若すぎますか?そんな方と、お友達になりたいなぁ。

○高です

おかあさんか! おばあちゃんか!

わたし、5年前に詰問されたことがあります。
あの口調は「詰問」でした。あるいは、職務質問。

転勤族のわが家は、子どもが生まれる半年前から
「暫定山口市民」となり、なぜかそのままこの夏、市民丸9年を迎えました。
こちらで生まれた子どもが、幼稚園、小学校と進むにつれ、
親のわたしたちも山口弁を習得し、
「それでいいとおもっとるんか!!」などと、
文字に起こせば相当物騒な台詞で小3男子を日夜叱りつけ、
静か過ぎるこの土地での日々を淡々と過ごして今日に至ります。

掲出の詰問は、子どもが幼稚園に入園したての4月、
よそのクラスの年長児のかわいいお口から発せられました。

まだ、今ほどはこちらの言葉に慣れぬ頃のことで、
町内会長発信の回覧の文書の末尾が「…して頂けると幸せます」
とあるのは果たして誤植か、とか、
いぶかりながらその回覧板をお届けしたお隣のあばあちゃんに
「これはこれはご心配なことでございました」と深々と頭を下げられたのは、
わたしの言動はそれほどまでにあぶなっかしく映っているのか、とか、
日常が即ちワンダーだった時期のことでございます。

因みにこちらの言葉の疑問文は、「…なん?」or「…なんか!」と
ソフトとハードの2パターンで、「これはペンなん?」or「これはペンなんか!」
となるようです。( 初級山口弁講座 )

幼稚園という新しい環境、
周りのぴちぴちのママより明らかにトシ嵩のわたくし。
あの春の日の園庭、鶏小屋の前、
つつつと鶏のようにこちらに詰め寄って
思いっきり強い、下からの上から目線で
当時30代ぎりぎりのわたくしにそれを問わんと
小さな彼を駆り立てたものは一体何だったのか…。

「おぬし、いま、なんと?」と脇差に手がかかる気持をぐっとおさえ、
「ここは幼稚園。おばあちゃんのお迎えも日常の場所。
おかあさんなのか、おばあちゃんなのか、
年長のこの子はいわば幼稚園安全委員の志で、
今、これを新顔のわたしに山口弁で問うている。」
そう解釈して吊りあげた眦を指でなでおろし、
「ほほほ、この〇〇のおかあさんですよ。よろしくね。」と
腰を低くして返答したのでした。

けれど、この一件以来、
さまざまなところで必要となった自己紹介(わたしの)の場面では、
このネタを使わせてもらいました。しっかり。

「おかあさんか!おばあちゃんか!」
「おばさん? おばあさん?」

そっくりそのまま その言葉返すぞよ。
ええい、申してみよ。苦しゅうない。
― 今なら脇差に手をかけるジェスチャーつきで、
ちびっこを凍りつかせる準備があります。


追:30代のおばあちゃんって、なんてラブリーで素敵なんでしょう。
  わたしはスタートから間に合いません。
  ひとの年齢ってほんと、幅広で奥深い。 
  お若いおばあちゃんと おとしのおかあさん。
  みんなちがって、みんないい、ってことにしてほしいです。
  ちびっこたちにも。


  • 2011/08/30 (Tue) 15:28
  • wasuregusa #EvmDRqhQ
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