あわててイオンのフォーマル売り場に駆けつけたところまでは
すでに、ご承知の通り。
そのとき両腕を後ろに組み、
仔細ありげに売り場を巡回していた
50歳前後と思われる明るすぎる茶髪の店員さんは、
私が売り場エリアに入ったら
意外にも、知らんぷり。
あらら?
なぜか、もう一人のさらに年配の店員さんに近づいて
大したことじゃないに違いない話題を持ち出し、
上半身を大きくそらして笑いあったりして
「知らんぷり状態」を延長する構え。
ふ?ん。
でも両腕だけは相変わらず後ろに組んだままで
かかとだけを上げ下げしたりして、
やっぱ、どこかビミョーに仔細ありげ・・・。
放牧していたんですね。私を。
買う気のないひやかしか、
葬儀を明日に控えたせっぱつまった客かを
じっと観察していたんです。
そして迷い込んだ羊(←私ね)に
自分の縄張りである牧場を、
自由に、好きなだけ歩き回らせ、
あっちの喪服、こっちの喪服に近づかせ、
あれもいいなあ、これもいいなあと夢を見させておいて、
その間にこの羊(→私ね)の好きな草(この場合は喪服)の種類を観察し
その傾向を概ね把握した瞬間に、
ボーダーコリー顔負けの牧羊犬に変身!
私の顔をのぞきこむようにしながら
「喪服をお探しですか」と尋ねたかと思うと
柳原可南子みたいに自分がコクコクうなずいて、
「喪服は最低でも10年は着るものですからね」(キリッ)。
フロア最奥の陳列パイプから
一着、二着とすばやくとりだし、
正面を向く形でそのパイプにひっかけ、
そのスーツを軽く撫でさすり
「デザインはオーソドックスなものがいいです」(キリッ)
「お客様の年代でしたら、このあたりです」(キリッ)
「ああ。そちらは少し若向きです」(ダメっ!キリッ)
「スカート丈は少し長めが上品です。年代的にも。」(キリッ)
「ワンピースとのアンサンブルがおすすめです」(キリッ)
「ワンピースですと、お太りになっても着れますから」(キリッ)
「スカートは、やはりウェストがね。窮屈になるともったいないです」(キリッ)
すべての語尾に揺るぎないキリっとした信念と確信を込め、
購入すべき喪服の諸条件を矢継ぎ早に並べたてて
フォーマルフロア全域から、
フロアのごくごく一部エリアへと
私という一匹の羊を囲い込むではありませんか。
気の弱い私は、「若向き」エリアに行けません(泣)。
さらに一着のスーツを手に取ると、
タグをすばやく見て
「お客様、サイズは?」(キリッ)
「9号です」
「9号ですかあ?」(ここだけなぜかものすごく不安げ)
「はい・・・」
「これは、小さめに作ってありますから、
ワンサイズ大きめのほうが安心です」(キリッ)
「そうですか」
「そうです」(キリッ)
さらに試着室へと羊(しつこいけど私ね)を追い込むと、
「これなら60歳まで着ていただけますよ?♪」
え?っ!!
確かに10年着れたら58歳。
四捨五入したら60歳ですけどね。
何もそんなに早々と、今のうちから
切り上げなくてもいいじゃん。
なんだかやけに、この人
年齢に対する自覚と肥満の可能性に対する自覚
を求めるよなあ。
結局、試着してみた11号のアンサンブルは、
「お似合いですよ」と褒めてくれはするものの
明らかに肩幅が大きすぎて却下。
絶賛発売中のワンピースとジャケットのアンサンブルでなく
テーラード風ジャケット
ブラウス(というのかな。シンプルな丸首)
スカート
パンツ
の「太ったらウェストが窮屈になるに違いない」4点セットを購入しました。
店員さんの囲い込みは必ずしも成功しなかったけど、
・10年先も着用できるオーソドックスなデザインを選ぶべし
・年齢にふさわしい長めのスカート丈が上品
・将来の体形変化に対応できるワンピースが安心
・ジャケットの下は七分袖程度がオールシーズン利用できて便利
・お通夜や法事なら、パンツもオーケー(葬儀にはスカートが無難)
などいろいろ勉強になりました(キリッ)。
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