「アンネ・フランクのお母さん」に思う。

小さいころ、「アンネの日記」を読んだときは、
隠れ家生活がなんとなく楽しそうで、
ペーターとの恋がなんとなくうらやましくて、
その後、アンネが亡くなってしまうことがわかっていても
どこか「胸ときめくもの」として読んでいたように思います。

それだけ日記が生き生きしていたからですが、

いま、読んでみると、
アンネじゃなくて


「アンネのお母さん」の心のうちが気になって
気になって、もう、たまりません。



裕福な家庭に生まれ、
裕福な家庭の主婦としてしっかりと生きてきて、
隠れ家生活をはじめたとき、42歳。
まだ若いとはいえ、これから先の自らの未来に、
成長や飛躍や発展を夢見る年齢ではなくなった、
そのころにスタートする終わりの見えない隠れ家生活。

思春期の利発だけど生意気で小癪な娘。
さほど親しくもない他所帯との共同生活。
トイレも夜まで我慢する生活。
いつ捕えられるかわからない恐怖。


つらかっただろうな。
どこかに、小さな希望が見出せただろうか。
朝、どんな気分で起きただろうか。


心のうちに、誰にも言えない心配や
時代状況や生まれ合わせや境遇への呪いや
夫への不満をためて、
破裂しそうだっただろうな。

なんか、こう、
隠れ家の台所に立って
しなびたキャベツやじゃがいもで料理をしている気分さえ
想像できそうな気がするほどです。

このエーディット・フランクという女性は、
娘さんたちが亡くなった後、
アウシュビッツで
45歳で亡くなりますが、
私より年下の、この女性の最期を思うと
なんだか、もう、いたたまれない思いになります。


女性に限りませんが、


自らの「老い」と
「先の見えない不安」が重なると、
とても、とても、つらいですね。



東日本大震災でも
深い悲しみの上に、
「老い」と「先の見えない不安」が重なり、
眠れない夜を過ごしている方が
どれほどいらっしゃるかと思います。

こんなことをいうのは本当に僭越ですが、
わたしも、今年は、
順風満帆とはとてもとても言い難く、
将来への大きな不安を抱えて
毎日を過ごしてきました。

だから、
「老いゆく自ら」と「先の見えない不安」の両方を抱えて
それでも懸命に生きている女性たちに向けて
このブログを書いてきた1年だったなあ、
と思います。

そして、そうやって
自分自身を励ましてきたんですね~。
皆さんのコメントにも本当に励まされました。

あれー、なんだか
今年最後のブログみたいな内容になってしまったけども、
それにしては、ちと、早いな(笑)
まだ20日だもんね。

いやいや。
まだまだ書きたいことはあるんで、
今年も、もう少し続きますよー。



こちらは、隠れ家のアンネ一家を支えた女性の本。
この女性もすごいです。




【関連記事】小さな感動、大きな感動もしました♪こちらは、小さなほうです(笑
加齢とともに育つ感動のツボ。

こちらから過去記事一覧をご覧いただけます。
長大な巻物のようになっていますが(笑)最古記事から読んでいただくと面白いですよ♪うわめづかい

★いつも応援クリックありがとうございます!ハッピースマイル

にほんブログ村 ミセス系
人気ブログランキングへ

ツイッター、一緒に楽しみましょう!
↓↓↓

Twitterボタン
Twitterブログパーツ
関連記事

スポンサーリンク



コメント

今日の記事も

泣けます( i _ i )
まさに今感じていた、欲しかった言葉たちです。
Carinaさん ありがとう。
明日も頑張る。家族と過ごせる幸せをかみしめて。

  • 2011/12/20 (Tue) 19:32
  • よ #-
  • URL

Carinaさんへ

初めてコメントいれます。

先のコメントの方とまったく同じ気持ちです。
たまたまですが、こちらのブログに辿りつくことができて良かった。
Carinaさんがいまの自分のもやもやした気持ちをはっきりと言葉にしてくれました。
同じ思いの方がいらっしゃる、それだけで救われます^^

  • 2011/12/20 (Tue) 20:44
  • まーちゃん #aYDccP8M
  • URL
いつも楽しみに読んでます。

Carinaさん、私も始めてのコメントです!

2011年、私も同じ気持で過ごしました。
Carinaさんよりたった一つ年下の私。 

老眼の始まり、更年期による生理不順、膝の痛みなど身体的な衰えだけでなく、なんと今年バツ1になってしまい、生まれて始めての心身ともにの大打撃です。

2012年、希望と再生の年になる事を祈るばかりです!

  • 2011/12/21 (Wed) 05:12
  • Ine #-
  • URL

私も子どもの頃は、アンネの日記の本が大好きで、隠れ家生活に妙にわくわくしたものでした。
でも、歳を重ねるにつれて、そんなわくわく感では終わらせられない物を感じるようになって、本を開くのが苦しくアンネの生活が怖くなって、もうずっと本をあけることはありませんでした。
アンネのお母さんのことまで考えたことは今までなかったです。
42歳の時だったんですね。
今の私とほぼ同じです。どんな気持ちだったのか。
自分の未来と、子どもたちの未来。
考えさせられますね。carinaさん、ありがとうございます。

  • 2011/12/21 (Wed) 23:55
  • ikemo #-
  • URL
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2011/12/22 (Thu) 09:19
  • #
アンネのお母さん

アンネの日記は読んでないんです。
授業では少し触れたんだったのかな?
子供の頃、読書が好きじゃなかったんですが、大人になってから歴史のドキュメンタリーみたいな番組で観たような気がします。
お母さま、42才~45才の頃の事でしたか。
その状況でも、子供の目から見たものと、母親から見たものとはずいぶん違っていたでしょうね。
Carinaさんのブログを読んで、アンネの事をまた検索しておさらいしてしまいました(^^ゞ
「思い出のアンネ・フランク」っていう本もあるんですね。
映画では、「戦場のピアニスト」と「ライフイズビューティフル」は2回以上観たんですが、この本読んでみようかな。

  • 2011/12/22 (Thu) 22:00
  • 花緒 #-
  • URL

皆同じなんだ、て安心するのに、どうして歳を取るのが怖いのでしょう。


歳を重ねて、現役でいる女性をテレビで見て、勇気を貰うと同時に、この人は特別で私とは違う、と思うヒガミ根性を何で持っちゃうのかなぁ。


Carinaさんに教えて貰った、トロ火に勇気を貰いつつ、行動しない自分にうんざりします。



もう遅い、てどうして思うんだろう。


結婚や出産で、道を断った私は、キャリアを捨てなかった人に嫉妬してしまいます。



Carinaさんが言われていた言葉に救われたのに、どうして、もう遅い、て思うのかなぁ。


先の見えない不安は、いつも付き纏います。

  • 2011/12/22 (Thu) 22:56
  • 葵 #-
  • URL

Carinaさん

大きな不安を抱かえておられたのに
楽しく優しく素敵な言葉で励まして貰って
ありがとうございました。

私ももがいた一年でした。
まだもがいてて でもちょっと光が見えてきたかな。


また書き込むかもしれませんが
良いクリスマスとお正月をお過ごしください!

  • 2011/12/23 (Fri) 05:09
  • midori #-
  • URL

アンネとお父さんは、明るくて希望を失わないポジティブなタイプ。
お姉さんとお母さんは、どちらかというと、神経質でネガティブなタイプ。
そんなふうに分けられていたように思います。
お母さんは、時々ヒステリーも起こしていたような…
(記憶違いだったら、ごめんなさい)

でも、私も同世代になり、同じく子育てや主婦業もこなし(ただし、うんと平和な現在ですが…)ていますと、アンネのお母さんの存在が少し近くに感じるのです。

Carinaさんのブログを読んで一番喜んでいるのは、アンネのお母さんかもしれないな~と思いました。

  • 2011/12/23 (Fri) 13:17
  • 加藤 #-
  • URL

震災後 自分自身は被災していないのに 何もできない不安と苛立ち で おろおろしていた時
Carinaさんの 寄付の記事を読んで
『自分を落ち着かせるための寄付』もあるんだな と
毎月 わずかですが 今の自分にできる寄付を続けています。

気になるのは The Sound of Musicの 7人の子供を残して亡くなったお母さん。
マリアと子ども達が仲良くなればなるほど 悔しくて悔しくて 恨めしくて 化けて出ただろうな。。。心移りした大佐の旦那様も許せないだろうな ワタシなら。。。あっは。

  • 2011/12/25 (Sun) 22:27
  • わに@目指すは五月みどりさん #qbIq4rIg
  • URL
葵さん

深いです。
私も答え出ないまま
今日も過ぎます。
でも、そんなんでもええんちゃうんかな
と、carinaさんの言葉見てたら
安心して、
また毎日をつつがなく
(ほんまはあんなことやこんなことや
いっぱい疲れることもあったけど)
過ごせるような気がします。
旦那たちはぐんだら飲み会を好きな時に
行けるけど、母は行けんもんね。
carinaさんのブログは、
1日終わりに友達と話してる感覚でみてます。
共にガンバロー。

  • 2011/12/30 (Fri) 13:26
  • よ #-
  • URL

carinaさん、こんにちは。

「アンネの日記」や「夜と霧」とかあの時代のことは想像することさえ難しい気がしています。人としての尊厳を奪われた日々の中で、それでもちょっとしたユーモアや何かに感動したりと救われることもあったのかな。

今年は厚い雲が覆うような年のようでもありましたが、雲間の陽光の暖かさを感じた1年でもありました。
気落ちしていたおかげでcarinaさんの素敵なブログにも出会えてラッキー♪染み入るような言葉に癒されたり、笑ったりとホントに楽しいひとときに感謝しています。

先の見えない不安や気持ちがつぶれそうなことがあっても、生きていくことはこれからも日々何かを選択していくことでもあり、もうあまり迷いたくたくないな、決めたらまっすぐに歩いていきたいなと思うこの頃です。
どうもいつも同じことをぐるぐるくりかえしているような感じで、なにか変わらなくてはという漠然とした気持ちがあるのかも。

carinaさん、今年はありがとうございました。
どうぞ2012年が明るくよき年となりますように!

  • 2011/12/31 (Sat) 15:03
  • フランネル #q6we/VcY
  • URL
コメント、ありがとうございます!

★よさん
ありがとう。
私こそ、いつも、よさんのコメントにすっごく励まされてます。
この記事、後ろ向きか?と思ったけど
そんなふうに受け止めてもらえて書いてよかった~(*^_^*)

…と、下のほうまで読んでいったら
葵さんに向けたコメント発見。
葵さーん、読んでくれてますかーー?
よさん。友だちと話している感覚なんて、うれしいよ。
わたしもそんな気持ちで書いていこう~。力まずに。

★まーちゃんさん
コメント、ありがとうございます!
そんなふうに言っていただいて、とても光栄です。
コメントにしっかりお返事したいと思うあまり
いつもすごく返事が遅くなってしまうんですが、
またお暇なときにコメントくださいね♪
お互い、がんばりましょう!

★Ineさん
コメント、ありがとうございます!
この時期の体調不良や生理不順などは
「若さとの別れ」を意味しているように思えてつらいですよね。
Ineさんは、今年、大きな転機を迎えられたのですね。
いろいろと悩み、そして決断されたんだと思います。
決断し一歩を踏み出されたこと、すばらしい勇気だと思います。
わたしも正直に日々のことを書いていきます。
またよければ、コメントくださいね。

★ikemo さん
ああ、私もそうだったんです。
段々、彼らの体験の重みがわかってきて
本を開くのが怖くなりますよね。
完全版が出た時に買ってそのままにしていたんですが、
ある時読んでみて、アンネのお母さんとの年齢が近く
いろいろなことを思いました。
その意味でも、少女時代に読んでいてよかったのかもしれませんね。

★花緒さん
今の花緒さんが読まれたら、
どんなふうに感じられるか、とても興味あります。
「思い出のアンネフランク」はずっと匿った人の手記なんですが、
匿ったことで、逆に密告したんではないかと疑われるなど
「人を助けることのリスク」とそれゆえの尊さを考えさせられます。
「戦場のピアニスト」と「ライフイズビューティフル」、
私みていませーん(>_<) わたしこそ見てみなきゃ!!

★葵さん
わかります。すごくよくわかります。
わたしも活躍している人見ると嫉妬しています。必ず~(笑
もう遅いって思っちゃうよね~。
わたしも思います、いつもね。
昨日、犬と散歩していて小学校の前を通って
「ああ、自分の小学校時代も子どもの小学校時代も過ぎたな」
と思ったら、自分の「過去」の量の多さにびっくりしました。
そして、「ああ、今を生きよう。今だけを考えよう」って思ったの。
なんか脱線してきたから、このへんにしときます^_^;

★midoriさん
こちらこそ、いつも温かいコメントありがとうございます!
うわあ、midoriさんも、もがいた時間をお過ごしだったんですね。
光が見えてきたなんて、よかった!!
また、日々感じたことを教えてくださいね。
今年、その光がますます明るい光を放ちますように!!!

★加藤さん
うわあ、アンネのお母さんが少しでも喜んでくれたらうれしいです♪
うんうん。そうなんですよ。
お母さん、ちょっと娘から見たらイライラするタイプだったりもするんですよね^_^;
でも、本当につらかっただろうなと思います。
この年になって読むと、そのつらさが本当に伝わりました~。

★わに@目指すは五月みどりさんさん
ははは。いつも素敵なハンドルネーム、サンキューです!!
わにさん。えらいな。
私、震災後の寄付以来、何もできてないの。
ファンドへの参加とか、いろいろやらなくちゃと思いながら
去年はゆとりもなくて、ダメダメでした。
The Sound of Musicのことは考えてなかった~!!

★フランネルさん
あー、胸にしみました。
去年(コメントいただいたときは、今年ですね)は
東日本大震災があり、それをどう受け止めて
どんなふうに生きていくのか、突き付けられたように感じた1年でした。

>もうあまり迷いたくたくないな、
>決めたらまっすぐに歩いていきたいなと思うこの頃です。
ああ、いいですね~。
決めたらまっすぐに、凛とした力がわいてきそうです。

  • 2012/01/26 (Thu) 22:06
  • Carina #-
  • URL

★鍵コメを下さった方へ

ツイッターでDMを送ろうとしたのですが、送れませんでした(>_<)
いつも明るくしてらっしゃるので想像もしていなかったけれど、
去年はいろいろな体験をしてらっしゃったんですね。
コメントいただけてすごくうれしかったです。
今年が素敵な一年いなりますように!!

  • 2012/01/26 (Thu) 22:17
  • Carina #-
  • URL

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する