「まし」で手を打つ失敗あれこれ。


娘の世界史の先生(年配の男性)が、
最初の授業で


「このごろの人は、安物の傘ばかり持っている!」


と嘆き、ボンヤリと聞き流そうと油断していた高校生たちを
通常の授業とは一味違うやり方でポカンとさせ、

次の授業のときには、
自分自身の傘を実際に持ってきて開いて見せ、
どのあたりが「傘として、いい仕事なのか」を、
これまた丁寧に説明してくださったそうです。


本物をもつ大切さを
自慢の傘を切り口に教え、
大人の入り口に立つ高校生に
「モノとのつきあい方」を
解いてくださったのでしょうか。
(傘の次は、万年筆編だったとか)

それにしても、



このごろの人は、安物の傘ばかり持っている!



という「嘆きのメッセージ」が、
ズバリ、このわたしに向けられているようで
「はっ!たしかに安物です!」と胸の中で
直立不動の姿勢をとりながら、
玄関の靴箱にあるユニクロ製長傘と
ユニクロ製折り畳み傘を思い浮かべました。


ああ。それにしても、そもそも、
高級な傘を買うという発想がなかったなあ。



この「ちゃんとしたモノを買おうという発想がないモノ」
別の言い方をすれば、
「マシなものでよしとするモノ」は、
人によってノートだったり、ペンだったり、
傘だったり、キッチンのスポンジだったり、
ハンカチだったり・・・と
千差万別でしょうし、
「いやいや、私は、万事にこだわります」という方も
いらっしゃるとは思いますが、

どちらかといえば、


(1)紛失しやすいもの
(2)使っているうちになくなるもの(ノートやインク、テープなど)



が多いかもしれませんね。
どこか消耗品感覚といえばいいでしょうか。

しかし、もうひとつ、


(3)買う頻度の低いもの、買い慣れていないモノ


も意外に「マシなもの」に落ち着きやすいことに気づきました。


たとえば、

電化製品
家具
礼服
めがね

などなど。

ほら。仕事帰りや休日のショッピングで
ふらりと気になるお店に立ち寄って
あれこれ好みのものを見ては、
試着はしないまでも
これがいいな、あれがいいなと
鏡の前で合わせてみる
洋服やバッグや靴やアクセサリーと違って


買うために店に行く。
もう買って帰るつもりで行く。
何がなんでも絶対に買って帰らねば
葬式に裸で行くことになる!!


と必要に迫られ
鼻息が荒くなっているうえに
どーも、もーひとつ、
食料品や洋服なんかに比べて
買った経験が乏しく、
店員さんとのコミュニケーションにも不慣れで、
何をチェックすべきかがわからず、
テキトーなところで手を打ってしまう。

もー、家具なんか、それをやっちゃうと
それこそ、ほんと、何十年もつきあうことになって、
振り返ってみると、「親兄弟より長年一緒に暮らしたよ、
気に入らないあんたと」と言いながら
ジットリと呪わしげに見つめる・・・
なんてことになっちゃいますから、
ほんとに、ほんとに、気をつけなくちゃなりません。


そして、めがねです。


めがねも顔のど真ん中に陣取って
「あの、めがねの人ね」なんて言われるわりに
店に入ると、ズラリと商品が並んでいて

・どれが似合うのかわからず
・あれこれかけてみるけれど、決め手を欠き
・店員さんのアドバイスもいまいち、テキトーに思われ
・コンタクトを入れていないと自分の顔がそもそも見えず、
・冒険すればいいのか、無難にしときゃいいのか心決まらず、


えーい。いいや、マシなもので手を打とう。


ということになりがちです。


-----------------------------------

「買うぞ」と意気込んで眼鏡屋に行き、
「好き」ではなく、「まし」なめがねを買う。
これが典型的な失敗するめがねの買い方です。

失敗しないためには、
この反対をすればいい。

買う気はなくても
眼鏡屋を見かけたら
ふらりと入ってみるといいんです。

-----------------------------------
眼鏡スタイリスト 藤 裕美著「めがねを買いに」より

家電にしろ、家具にしろ、めがねにしろ
普段から「ちょくちょくお店でチェックして」
「似合うもの」「好みのもの」を見つけておく、が
ポイントですかねー。

上に引用した藤さんの本、とても面白かったので
次回もめがねについて、書いてみますねー。


【関連記事】去年のこの時期の記事です♪偶然にもメガネ~(*^_^*)
何歳から?ゴージャスな眼鏡の誘惑。

こちらから過去記事一覧をご覧いただけます。
長大な巻物のようになっていますが(笑)最古記事から読んでいただくと面白いですよ♪うわめづかい

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コメント

おはようございます。
今度○○があるからと、そのための服を探しに行くと
なかなか適当なのが見つからない、というのはよくある話ですね。

先月、前シーズンに調子よく断舎離し過ぎて
いよいよ明日着るものにも困るくらいになり
あわてて服屋に行きました。
こだわった身に合うものでなく、とりあえず入るこましなものばかり。
やっぱりテンションが上がりません。
普段着なのでこの程度で済みますが、
常にアンテナを張って普段からチェックをしておくことは必要、と反省。
「ちゃんとした」ものはよ~く吟味して選ばなくては。
でも「ましな」ものを選ぶ傾向の人ってもとがマメでないような・・・。

  • 2012/05/10 (Thu) 07:51
  • Dorothy #R0LnhCPw
  • URL
はじめまして

明日、美容室にいく予定で
40代、痛い、と検索してたどり着きました。
今まで行っていた美容室が、妙に居心地悪くなり。
ロングヘアの自分自身にも居心地が悪く。
いよいよ、地元民に愛される
おばさまサロンデビューしようと思います。

記事を遡って拝見して、即座にブックマークしました。
言葉のおもしろさ。分析のおもしろさ。
おばちゃんビックバンに、うちらが主役?に笑っぱなしで夜更かししてしまいました。
また、参ります。

  • 2012/05/11 (Fri) 00:22
  • 焼大福 #-
  • URL
はじめまして

いつも更新を楽しみにしています。

大好きな傘を、2本もだめにしてしまいました。
雨が降る中、傘差し運転で出かけていき、帰りには止んでいたので、
たたんで自転車に乗っていたら、ゆるいカーブで、前輪に
巻き込んでしまった・・・。
で、失った傘が忘れられなくて、探し回って同じものを買ったのに
約2年後、また同じ過ちを繰り返してしまいました。

そんな横着な人間にお気に入りの傘なんて持つ資格ない!!
と、しばらく主人の使い古しの骨の折れた傘を使って自分を戒めて
いたのですが、どうしてもあの傘が忘れられなくて・・・。
雨の日にこの傘をさすときは、絶対自転車に乗らないと自分に言い聞かせ、
三度、同じ傘を買ってしまいました。

でも、そんな私の(傘への)こだわり、周りは誰も気がついてないと思います。

  • 2012/05/12 (Sat) 00:03
  • ミホ #LkZag.iM
  • URL
マジわかる!

まさに!つい最近突然の雨に急遽傘を買ったのですが
500円でも高いと思っちゃった!
正確には高いっていうかなんでその場しのぎのものに
500円出すかなあ~って・・・

昔は傘なんてそれこそ百貨店の売り場で
柄のとこにブランドのロゴついたものばかり買って
広げるとどうだ~とばかりにそのブランドが強調されたプリント・・・

それがいつの頃からかビニール傘で充分だと感じるようになってしまった・・・
忘れる、失くす、盗られる、どれにでもこれなら対応できますしね。

でもその娘さんの授業、超興味深い!!!

  • 2012/05/12 (Sat) 16:56
  • MJ #-
  • URL
傘がない By 井上陽水

すんごい高級傘とか
すんごい高級紳士靴とか 好物です。
食したことはありませんが。

昔から、その手のお店が大好きで、
美術品鑑賞の気分で品々を眺めます。
珠玉の贅沢が与えてくれる、心の艶…。

お嬢さまの世界史の先生、素敵ですね。
「生活の文化」を語って下さるなんて。
おお、ワンダフル、アールドゥヴィーブル!

こちら山口には、残念ながらその手のお店や品は見つかりません。
「なんかこう、贅沢な艶、ってものに飢えるよな…」と思い、
先日、「メンズ プレシャス」という雑誌を購入してみました。

あのチャールズ皇太子が、なんだかいい具合にお年を召していて、
お召しになってるものもそりゃあもうすんばらしく格好いいですが、
人生って…、なんかこう…、
複雑で重厚でいろんな意味で味わい深いな…、と。

あ、傘です。傘。
わたしはケチなので、ビニール傘を買ったことがありません。
ビニール傘で思い出すのは、従兄弟のT兄ちゃんのことです。

遠方で育って、成人するまで数えるほどしか会わずにいた人ですが、
お互い20代の頃、多少の行き来がありました。
遠方の大学で研究医をしていた彼が、
仕事のカンケイでわたしの実家のある名古屋へ度々くることがあり、
「ガッカイにもぐりたい」というわたしのおふざけに、
「いいよ。」と返事をくれました。

「ガッカイにもぐりたい」理由は、
「雰囲気を見てみたい」「異人種を見てみたい」という邪な興味だけです。

当日、大きな会議場の、彼が司会をするカンファレンスルームの後方、
薄暗いプロジェクターの明かりの中で、「ガッカイ見物」を楽しみました。

発表者のハナシの わからなさ加減を、うんうん、と理解し、
そこに集まる人々の様子を後方からつぶさに観察するに、
「ん? なんかもんのすごく、辛気臭い…。」

「財前はおらんか。財前はおらんか。」
後ろ姿のスーツの仕立て、所持品のカバン、机の上のペン、そして靴…
一人一人にチェックを入れますが、「 … 財前は…おらん。(名古屋弁)」

仕事を終えたT兄ちゃんは、お知り合いの何人かを紹介してくれましたが、
その中にも「 …財前は…おらん。 」

T兄ちゃんはその後、「あ、だいじな用事を思い出した。ちょっと待ってて。」
と言い、その大事な用事を済ませてきた彼の手にあったのは、
ビニール傘。しかも 骨が少し曲がっている。

「 昨日もここでガッカイあってさ、そのときこの傘、忘れたんだよね。
もうないかな~、と思ったら、そのままの所にあったよ。よかったよ。」

高級傘や高級紳士靴を生活の一部とされるような方々のリアルなお姿を、
陶然と眺めたい、観賞したい、という乙女の願望は、
悲しいほどに未だにほとんど叶えられず。。。

メンズプレシャス的紳士、見るだけ、でいいんだけどな。
いくら好物でも、
取って食おう、なんて、これっぽちも思ってないんだけどな。

でも!
T兄ちゃん、大好きだよ~と、ビニール傘を見ると思い出します。

昨日図書館で、大平一枝さんの、
『 もう、ビニール傘は買わない!』を借りてきました。
おもしろそうです。

  • 2012/05/14 (Mon) 10:14
  • wasuregusa #EvmDRqhQ
  • URL
コメント、ありがとうございます!

★Dorothyさん
あー、ほんとにおっしゃる通り!
今日、どうしても買わなくちゃーだと
よいものに出合わなくても買ってしまわなくちゃいけないって
なんか、こー、不満足ですよね。

>でも「ましな」ものを選ぶ傾向の人ってもとがマメでないような・・・。

うんうん、そうかも~。わたしも思い当たる点がたくさん(笑

★焼大福 さん
初めまして!
もんのすごくうれしいコメントをいただいたのに
お返事が激遅でほんとに、ほんとに申し訳ない!
ははは。おばちゃんビッグバン、思い出しました。
また、コメントいただけたらうれしいです(^_^)/

★ミホ さん
更新を楽しみにしていただけているなんて
すごく励みになります。ありがとうございます。
わあ、どんな傘なんだろう。イメージふくらむなあ。
なんだか、とても素敵な話です。
雨の日が楽しくなりますね~。

★MJさん
うんうん。わかるー。突然の雨に出す500円の傘はもったないよね~。
愛着も生まれないし、その傘に500円というのは
考えるね(笑)
ビニール傘も最近、こう、柄のところだけ
可愛く変えられたりして、あれだとちょと愛着わくかもね♪

★wasuregusaさん
ああ、T兄ちゃん、好きだなあ~。
コメント拝見して思ったけども、わたしは、
どっちかっていうと「無頓着な人」が好きなのかもしれません。
財前(私のなかでは田宮二郎)は、疲れそうだもんなあ(笑
「メンズプレシャス」も『もう、ビニール傘は買わない!』も
知らんかったです!しかも大平一枝さんを大平光代さんと勘違い~。
大平さん、暮らし方が素敵な人ですね^_^;読んでみます!

  • 2012/06/17 (Sun) 20:52
  • Carina #-
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