喪失しても「現役感」は出せる!

 

夏目漱石は、奥さんになる鏡子さんが

悪い歯並びを隠そうとしないで

大口開けて豪快に笑うところを好きになって結婚した、

といわれています。

 

漱石、いいな。いい人だな。

 

わたしも歯並びが悪いうえに

治療のためのワイヤーが入っていて

口には、とってもコンプレックスがありますからねー。

 

でも、口を覆って笑うのはもっといやだから、

鏡子さん同様、コンプレックスをはねのけて

大口開けて豪快に笑うようにしています。

(もっと上品に笑えばいいんだけどな 笑)

 

ま、これも、

わたしが歯のケアをちゃんとせず、

歯周病を悪化させたから自業自得なんですが。

 

 

 

a1130_000096

 

 

 

わたしの小・中学校時代の友人で

ガキ大将だったミツルは、

今年の初めに糖尿病を悪化させて

片足の膝から下を切断しました。

神奈川県に住む友人と連名で病院に花を贈ったら、

本人から電話がかかってきて、

 

「中学同窓会の打ち合わせに

義足ばつけていったとばい。

まだ、慣れんけん、不便かあーー」

 

とコテコテの長崎弁で言うではありませんか。

病院に許可を得て

もう、「お出かけ」して「会議」して

ちょこっと「宴会」もしていたんです。

勝手に深刻になって、かわいそうだと憐れんだ自分が

恥ずかしいような、申し訳ないような気がしました。

そんな感傷など彼にとっては
何の力にもならないと反省しました。

 

彼の足に比べると

わたしの歯の問題など

ハナクソのようなものですが(たとえが下品でごめんなさいよ)

でも、

 

 

わたしたちは、年とともに

いろいろなことを喪失するんだな。


と思うとともに、

 

 

喪失したことを、

大げさに考えるのやめよー。


とも思いました。

 

 

美男子が頭髪を失ってハゲおやじになっちまっても、

美女が体重激増して可憐な面影を失っても

それがどうした。

 

足が悪くなってステッキが手放せなくなっても

いろいろあってビンボー暮らしになっても

車いすが必要になっても

総入れ歯になっても

友人に会いに行こう。ちょっとがんばって会いに行こう。

 

 

そこで、楽しいことがあればよし。

楽しくないことがあってもよし。

その快不快の混じった「刺激」を求めにいこう。

 

 

大滝秀治さんは、末期がんの緒方拳さんに

そのことを知ってか知らずか

「健康と元気は違いますよ」と言ったと

倉本聰さんが大滝さんへの弔辞で語っていました。

緒方さん、その言葉に、どれだけ励まされただろう。

まだやっていける。元気でいられると思っただろうなあ。

 

 

「健康」と「元気」は違う。

「昔と変わらない」ことと「現役感」も違う。



「こうでなくちゃ」と

若いころの自分の姿やポジションに執着し

喪失したものを数え上げ、

世界を狭くするなんて、つまんないや。

 

それこそ「現役感」から遠ざかるばっかりだから、

喪失したなら、喪失したまま

笑顔で人の輪に入ろう。

 

それがカッコイイと思います。



【関連記事】幼なじみは、いろんなことを教えてくれます。人気記事です♪
もう、心のことはいいや。と思ってみる。

こちらから過去記事一覧をご覧いただけます。
一覧のページがすでに2ページになっていて自分がびっくり♪
リンク切れなどもあると思いますが、よかったらどうぞうわめづかい

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コメント

すばらしい!

全く、漠然とながら心に抱いていたことを見事に文字にしていただいた、
そんな思いで拍手喝采の気分です。
そうです、まったくその通りです!
気負わず力まず、少しのはったりは持ちつつ、今あることに花を咲かせて
いきたいと改めて元気をいただきました。ありがとうございます。

引っ張り出してきた冬服がことごとく入らない。
生まれて初めてのこの事態に
みっともないくらい慌てふためいていた自分を
正気に戻してもらったような感じです。

喪失なんていくらでもしてきたんじゃない、ねぇ。

鏡越しに見ている自分の顔は
よその人が見ている○△誰子さんとはまったく違うらしいよ、
という話を聞いたばかり。
どっちを向いて生きるのかって事。
頭こつーんとやられて助かりました。
さんきゅうです。

  • 2012/11/05 (Mon) 20:18
  • りかさん #TY.N/4k.
  • URL
ありがとうございます

初めてコメントさせていただきます

今回の記事あまりにもうれしくて感激して コメントしてしまいました


色々失っていますが 堂々と生きていこうと思います

ありがとうございます

  • 2012/11/05 (Mon) 22:51
  • jin☆ #-
  • URL
3回目…かな?

久しぶりにコメントさせていただきます。前に確かご主人様とご近所にピクニックに行かれた記事や、おしゃべり会ぜひ九州でも、お姉さまもご一緒に、などとコメした者です。

先月は『こていれ』毎日楽しく学ばせていただきました。ありがとうございました♪♪

さて今回の記事、『喪失したものを数え上げ、世界を狭くするなんて、つまんないや。』に反応しました!


前に書いたかな?わたくしイイ年こいて娘の影響でONE PIECEのファンなんですが(確かご友人にもいらしたような?記憶違いでしたらすみません)、その中に似たようなセリフがあるんですよー

『喪ったものを数えるな』

主人公が哀しみのドン底で立ち直れないくらいにペシャンコになってる時に、私と同年代のジンベエというキャラがかけた言葉です。
そのあと続くやりとりがまた良くて、主人公の彼は周りの仲間に支えられて涙を拭いて前に進んで行くんですが。あまり書くと確実に長くなるので(笑)ここでは割愛します…


すごく感動するシーンで泣きながら読んだんですが、その時は私自身にも言葉をかけてもらった感覚になり、当時の状況から自分と重ねて益々号泣しました。
なんて力強い、勇気の出る言葉でしょう。また今回calinaさんからも声をかけていただいた感じです。どうもありがとうございます!どうにか亀の歩みですが現在はあれから前進してます^ ^

私も健康ではないんですけど、いつもここでステキな文章に深くうなづき、時にププっと笑わせてもらい、『元気』をたくさんチャージさせていただいております。おかげさまで元気です

またチャージしに来ます^ ^
長文失礼しましたm(_ _)m

  • 2012/11/06 (Tue) 10:55
  • Y #-
  • URL

昔読んだ、草柳大蔵さんのコラムの中に
「女子学生は、どの教科もまんべんなく及第点をとるが
男子学生は、この教科は落第点だけど、こっちの教科は120点やりたいぐらいの回答を書いてくる。
でも、こういう人間は魅力的なんだよな〜」
みたいなことが書かれていました。
私も個人的に、何でもそつなくこなせて満たされてる人よりも
どっか欠けてて、生きにくくしてる人が好きです。

たしか田辺聖子さんも、杖をつかないといけなくなって
おしゃれなステッキに目覚めて楽しんでると、聞いたことがあります。
「何かを失って出来なくなった」というより
その分「持っている人にはできない楽しみが増えた」と
考えられるといいですよね〜。なかなか難しいですが、、(^^;)>。

  • 2012/11/06 (Tue) 12:29
  • アメちゃん #-
  • URL
同感!

ほんとに!!

ありがとうございます、記事を読みながら、うれしくなりました。

開き直りとちょっと違う、しなやかな順応性をもって生きていきたいです。

  • 2012/11/06 (Tue) 13:12
  • 香音 #H9dwzJe2
  • URL
元気もらいました

「年なんて、全然気にしていないわ」と明るく言いながら
内心は、やっぱり若い方がよかった、と思っている私。。。

わかっちゃいるけど・・・・
私の中の振り子があっち行ったりこっち行ったりしています。
でも、carinaさんの言葉にホッ!
そうですね~。
「現役感」っていい言葉ですね。
ありがとうございます。
振り子がまた戻ってきました。

  • 2012/11/06 (Tue) 13:39
  • Kimicoko #-
  • URL
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2012/11/06 (Tue) 14:12
  • #

素晴らしい人生賛歌。

カリーナさんのブログを知ってまだ日も浅いのですが、
ああ人間深刻に生きたらあかんなー、
深刻に生きるのと真剣に生きるのとは別物やな、とつくづく感じいっています。

今日のエントリーがあまりに素敵だったので、
どうしてもコメントしたくなりました。
素敵な文章をありがとうございました!

  • 2012/11/06 (Tue) 14:44
  • uta #eP1cGWnA
  • URL

  自分の今あるものに感謝できたり、喪失して痛みを覚える事で、他の人と共感したり思いやりができるってこともあると思います。
 若い時の私は、世の中自分が主役って感じで突っ走ってましたけど、年を取ると若さが放つ華やかさなんてのがなくなって、脇役として舞台のそでから眺める場面が多くなってきたような、でもだからこそ世の中の事が良く見える事も多くなったのかなあ‥と思うのです。

  • 2012/11/06 (Tue) 20:58
  • maruko #-
  • URL
ズキューン

ズキューンときました。
ぐぐぐぐっと、ズドンと、キュゥゥンとです。
全文、ノートに清書したい
いや写経にしたいくらいです。

  • 2012/11/06 (Tue) 21:40
  • どりん #-
  • URL

すんごくお久しぶりです♪

アラカンな私としては 「アラフィフかぁ 若いなぁ・・・そうだったなぁ」と失ったものすら忘れてしまう毎日です(笑)
働いてもクビになる世代の我が子 明るくやってくれたらそれでいいかと思う母の介護・・・ 日々 どっかが壊れてく自分・・・・
不幸事は多いけど 祝い事が減った日々
それでも 世間は若い頃の仕事 家事 その他を要求してくるまま・・・

下が育たないまま スライドしちゃったんだろうなぁ 年齢だけと思えます・・・


健康というのは個性だと思ってます それが大滝さんのいう元気かな?

完全無欠の健康体の人の健康は100%の健康で だから悩むことすら出来るほど元気なのです
でも・・・そこここに持病を持ち それが良くなることはなく むしろ年齢とともに増えてゆく病気や不具合・・・その中で 自分がなんとか楽しく感じようと思える気力を持つこと 
老いたり 持病を持つものの元気は そこそこ その人の個性ある元気でいい
昔の元気では見えなかった景色が見えるのも 違った健康体を持ったからこそなのだと思うのです

死にかけていても 苦しんで見えても 元気はあるということですよね

  • 2012/11/07 (Wed) 08:39
  • ちゃーばー #-
  • URL

健康だけど元気じゃない人

健康じゃないけど元気な人

あらためて感じさせられました。
まさにそういう人身近にいるので・・・

やはり何事も気のもちようってことなんかな。

心の健康が一番なんだなって、痛感しました。

  • 2012/11/08 (Thu) 01:16
  • MJ #-
  • URL

有りのままを受け入れて、笑って暮らしていけたらいいなぁ・・・

  • 2012/11/08 (Thu) 12:19
  • Tomi* #w7E8CPEA
  • URL
本当に!

「喪失したことを、大げさに考えることやめよー」っていいですね!
これから先、今まで「当たり前に出来ていたこと」が出来なくなることもある。でも、今生きていることを肯定していたいですね。私は、この年まで生き延びてきたんだから、それだけでも良かったよねと思ってます(笑)

  • 2012/11/08 (Thu) 13:37
  • flowerkinoko #-
  • URL
夜中ですが

初めまして、初コメです。

泣きました←
自分の中の「はにゃふにゃな想い」が
物の見事に文字になっていて。

そうなんです!そうなんじゃよっ!って
膝バシバシ叩きながら共感して
真夜中に泣いている40代(笑)です。

残り少ないかも知れない人生ですが
貪欲に生きていけそうです。
ありがとうございました。

  • 2012/11/12 (Mon) 02:11
  • スク #Die2nxlA
  • URL
コメント、ありがとうございます!

★いまねえ さん
コメントありがとうございます。
お返事が遅すぎて申し訳ないです。
自分に誇りをもって生き続けるには、
きっと、何か、やわらかくしないといけないんですよね。
自分のために書いた記事だなあと改めて思いました。

★りかさん
こちらこそ、りかさんのコメントで
スッと風が通るような感じがしました。

>喪失なんていくらでもしてきたんじゃない、ねぇ。

そしてこれからもするんですよね、きっと。
だから他人の喪失を平らかに受け止めようと
いつも言い聞かせています。

★jin☆さん
コメントありがとうございます。
あまり大したことの言える人間ではないのですが、
そんなふうに言っていただけて光栄です。
お互いにほどよくがんばってまいりましょう。
よかったらまたコメントでもくださいね。

★Yさん
はい!覚えています!
そしてまたまた楽しいコメントありがとうございます!
私の友人にもワンピースの大大ファンがいるのもそうです(笑)
覚えてくださっていて感激です。
そのワンピースのセリフ、友人や娘に聞いてみます。
わたしの言葉より、ずーーと力がありますね~!!
・・・おおお、私の名前のことなんか、なーんも、気にせんでよかです!!
わたし、その後のコメント拝見するまでまったく思いもしませんでした。
それより、ご心配かけたままで申し訳ないです!!!楽しいコメント感謝感謝です。

★アメちゃんさん
おお、田辺聖子さんそうなんですか。
あの方なら涼やかにそんなことができそうですね!
うんうん。でも「こうしたら、こうすればいい」という転換は
他人を見たらできそうに思うけど、
なかなか難しいですよね。
できないな、できないな・・・と思っていて
そのうちに不意にできるようになっていることもあるのかもしれませんね。

★香音さん
こちらこそ、ありがとうございます!
開き直りとも違う・・・ああ、そうかもしれません。
私のその糖尿病の友人は、もっと、普通の感じでした。
拍子抜けするくらいに(笑)
そんなふうにできたら、すごいですね。わたしもそんな柔らかさがほしいです。自分に。

★Kimicokoさん
コメントありがとうございます!
うんうん、振り子のようですよね。同じです、わたしも。
でも生物的な若さは必ず失われるものなので、
それを取り返そうとするのは、ある種の「復古主義」なんですよね。
それは、新しくも、現役にも見えないだろうなあ~と
最近、ようやく、おもうようになりました(笑)
自分を成長させて現役感をキープしたいです。

★utaさん
おおお、過分なほめ言葉に恐縮至極です!

>深刻に生きるのと真剣に生きるのとは別物やな

この言葉、素敵~!!心のなかにいただきました。
こちらこそ感謝です♪

★marukoさん
ああ、いい例えですね。
「舞台のそでから眺める」
演出家や舞台監督、実は主役も舞台袖から
客席を眺めている。
そうやって「舞台上」だけからしか見えない風景を
さらに外から大きく眺めるのが年を取ったすばらしさかもしれません。
素敵なコメントにイメージが広がりました。

★どりんさん
ズキューンです。わたしが。
ほんとうにありがとうございます!
写経などしていただいたら申し訳ないので、
私が書きに伺いましょうか(笑)
あるいは、そこで朗読するとか。←迷惑~(笑

★ちゃーばー さん
おおおお、めっちゃ久しぶり!!うれしい!
相変らず深いことをいうなあ。

>昔の元気では見えなかった景色が見えるのも 違った健康体を持ったからこそ

なるほどなあ。これは仕事を通じてちゃーばーさんがつかんだ真理なんだろうなあ。
教えてくれてありがとう。覚えておく。
またコメントちょうだいよ~♪元気で!

★MJさん
そうそう。そうなんだよねえ。
大滝さんが伝えたかったことは推測するしかないけど、
そうなのかもしれない。
心の持ち様はやっぱり楽しさや幸福を左右するよね~。

★Tomi*さん
ほんとに、そうですね!
わたし、でも、できるかなあ。できないだろうなあと思います。
すぐにはできなくて、いつの間にか違う山に登っていて
見晴に感動するようなそんなことかもしれません。
いや、違うのかも。(自信なし 笑)

★flowerkinoko さん
うんうん。そうですよね!
以前、「ガン漂流」という闘病記を書いて亡くなった30代の男性が
50代でなくなった演出家の闘病記を読んで
「いいじゃん、50まで生きたんだから」みたいなことを書いていました。
ああ、なるほど、そうだなあ。50まで生きたんだよなあ、と思ったんですよね。
この年まで、生き延びただけでも恵まれてますね。

★スク さん
コメントしていただいたのに
返事が遅すぎてもうご覧になっていないかもしれませんね。
すみません。
ネットは一人と一人が出会う場所で、
どこで出会っているかもわからないけれど、
確実に出会っていて、そういう静かな所が好きです。
出会えて、私も、本当に幸せです。

  • 2013/01/14 (Mon) 15:47
  • Carina #-
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