昔の「フツーの女性たち」のインタビューを読む。

 

故・高峰秀子さんの「私のインタビュー」という本が面白くて、

この週末、奈良県・天川村の澄んだ川のほとりで

一気に読んでしまいました。

 

 

tenkawa

 

 

この本は、1958年(昭和33年)に高峰さんが、

「街の美容師さん」、「セールスウーマン」や

「サーカスの女性たち」、「ニコヨンさん(日雇い労働者)」、

「希交会の女中さん」など、

さまざまな一般女性たちにインタビューしたものなんですが、

 

 

わたしは、ここで初めて、かつて、この国に、

「家事使用人である女中による女中のための日本初のサークル」(希交会)が

あったことを知りましたよ。

 

 

雇い主の目を盗んでサークル活動をする女中さんたち。

そんな時代だったんだなあーー。

 

 

ベビーブームのあとですから、

当時は、もう、信じられないくらい子どもがあふれていて

子だくさんに苦しむ女性も多く、

産児調節運動が盛んに行われていたんですね。

 

 

もう、女性たちは、

避妊するにも

妊娠するにも

働くにも

何をするにも

ことごとく周囲に遠慮していますよ。

ちょうど、わたしの母世代と重なるんですが、

こういう価値観を生きてきたんだと

あらためて頭が下がる思いでした。

(なんせ、燃えないゴミがほとんどないので、

避妊具の捨てる場所に困り苦しむんですから)

 

 

あー。昔はよかったなんて言うまい。

ぜーーーったいに、たやすく、言うまい。

あー。今でよかった。今の時代に生まれてよかった。

 


と思います。

 

 

なかに「アメリカから帰った原爆乙女」というタイトルの

インタビューがあるんですね。

 

広島で被爆したケロイドを治療するために

アメリカに招かれた25人の女性のうちの一人に

話を聞いているものなんですが、

 

「原爆乙女」なんてネーミングされて注目を集めた、

この若い女性の言葉にものすごく複雑な葛藤を感じたので、

その後の人生が気になってネットで調べてみました。



ま、きっと何もないよねーと思いながら。

 

そしたら、生き生きと、堂々たる人生を歩んでこられて、

インタビューに明るくさっぱりとした言葉で答えておられました。

それも、カナダのカルガリーで。

美容師として生きてこられて。

自分の意志で日本を飛び出していたんです。

(こんなにすぐ調べられるネットもすごいな。

やっぱり、今の時代でよかった)

 

いやー。わたし、この本に登場している女性たちに

会ってみたいですよ。

もう、「おばあちゃん」といわれる年齢だろうけど、会ってみたいな。

 

バリバリの経営者や

現役の美魔女美容師さんや

優雅な奥さまや

いろいろな人がいるんじゃないかなあ。

 

毎度のことながら

これといって結論はないんですが、

高峰さんにインタビューされた女性たちが、

「元気すぎるオバサン」

「金も元気もあるバアサン」

としてあちこちの観光地や

劇場やレストランを女友達とオシャレして

闊歩しているかもしれないと思えば、うれしい。

 

もう亡くなっていても

そんな時期があったかもしれないと思うと、うれしい。

 

いい時代になったな。

いい時代に生きているな、と思います。







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コメント

とりとめなく

こんばんは。30年代の女の人のことを知っているいちばん若い世代はやはり30年代生まれということになりますね。言われてみればだいぶ忘れています。

そう、何をするにも遠慮していました。沢山の買い物を持って歩かないとか、好きに着飾らないとかは序の口でした。第一思い出せないほど暮らしが不便でしたものね。

とはいえ、記事の「原爆乙女」のお年頃の方が、少し下の世代の方よりかなり開けていたりもしますね。180度反転した価値観に完全に煽られた時代のようにも思われます。

あの高峰さんに、スッパリと「そんなの卑しいわ」とか言われてしまうのは確実なワタシなので、高峰さんのお名前を聞くと少しうしろめたくなってしまふのでした。

  • 2013/05/10 (Fri) 21:01
  • あ き ら #dI6DO0LA
  • URL
時代によっても全く違う…

生まれて来る時代が違うだけでずいぶん変わってくるんでしょうね。
Carinaさんは興味を持たれる事が幅広いな~と感心しますe-349
こうやって話題を提供して下さると、自分では思いつかなかった事にも目を向けるきっかけになりますe-77
私も日本の歴史の中で、どの時代に生まれるのがいいのか考える事があります。
大正や昭和初期のレトロな雰囲気が好きですが、戦争を抜きには考えられないので、やはり平和が続いた江戸時代がいいと考えたり。
そうなると、トイレに紙がない時代で、聞くところによると荒縄を使用していたんですよね。
あ、この話、前にも書いたかな?
その時代に生きていれば、荒縄も当たり前のように受け入れるから気にしなくて大丈夫かしら?
という考えに落ち着きました。
またくだらないコメントになってしまいましたが、途中まで書いてキャンセルするのもなんだからこのまま行きますm(_ _)m

懐かしいです

うちの父は単身赴任が多くて、母は結構気楽に暮らしてたのですが、友達の家に行くと、お母さんがお父さんに遠慮していたり、気を使ってびくびくしているのを感じたりすることも多かった記憶があります。

でもそれを知らない若い世代には、「昔のお母さんのように、外でなど働かず、家を守れる世の中が良いのだ」という人もいます。
確かに、働きたい人は働き、そうでなければ夫の収入に関係なく専業主婦を自由に選べる世の中になれば、それに越した事は無いのかもしれませんが、「昔・・・ほとんどのお母さんが専業主婦だった時代は、お母さん達は自由に働くことなどできなかったんだよ」と言っても、若い世代の人はどういうことか想像できないようです。

  • 2013/05/11 (Sat) 18:03
  • チェロ子 #BH6855UQ
  • URL

本当 いい時代だと思いま~す

「離婚」が昔より簡単に出来て
偏見を持たれる事が無くなったので嬉しく思います。

少なくとも私が学生の頃は「母子家庭」は
1クラスに一人いるかいないかだったのに
今時はたくさんいる!

「バツイチ」なんて軽い言い方も出来たお陰で
「あ~私 バツイチなんだよね」って明るく話せます。

離婚しても仕事もいっぱいあるし 
この時代に生きてて良かったわぁ

あと ネットで中古でCDや本が簡単に安く手に入れることが
出来るようになって幸せです♪

Carinaさんの着眼の鋭さも素晴らしいです(^^)
私たちが生きているこの瞬間
この時代…
本当にありがたいですね
こうして距離を、時間を飛び越えてお話したり~
色々キナ臭い事もありますがそれでも
いい方へね
そう、今日も元気で!!!

  • 2013/05/15 (Wed) 19:03
  • みきみき #gHke2YW6
  • URL

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