卑小さや、みじめさ、貧しさも「美しい」と知った体験。

 

演劇をやめて時間が経ったころ、

かつての知り合いに誘われて

ある劇団の公演を見に行きました。

 

 

わたしは30代前半まで劇団を主宰していたのですが、

当時はすごく生意気だったので

その劇団のことをずっと「つまんない」と思っていたんです。

わたしよりかなり年上で、内容もダサいと思っていた。

だから、そのときも当時の知り合いに会いたくて

仕方なく出掛けたのでした。

 

 

状況劇場や黒テントなど

仮設テントで上演される演劇を見たことのある人ならわかると思いますが

観客は、靴はビニールに入れ

床にじかに座って見るスタイルです。

 

 

テントも舞台も装置も客席も

劇団員が総出で「仕込んだ」に違いなく、

「仕込み(設営)」から「バラシ(解体)」までの

肉体労働と睡眠不足による疲労が

会場のすみずみに蓄積しているようで

落ち着かない気持ちで開演を待っていました。

 

 

いつものように、少しおどろおどろしいシーンから

舞台ははじまったのですが、

案の定、あまり面白くありません。

 

 

ところが、重要な役どころを演じる座長(男性)と

その劇団のベテラン俳優である男性が

激しい口調でせりふをかわし、

舞台を動き回るシーンを見ているとき、

不意に胸がいっぱいになりました。

 

 

40代半ばの彼らの姿に

経済的に豊かでないであろう生活、

日々のアルバイトに倦んでいる心、

演劇に対する情熱と同じくらいの惰性、

それゆえの執着、虚勢、疲労、

お互いの間に流れる慈しみの感情が、

すべて凝縮されて見えたからです。

 

 

地球上に二人だけみたいだ。

美しいなと思いました。

 

 

そして、この人たちは、まぎれもなく

演劇人としての人生を全うしていると敬服しました。

 

 

芸能の世界で

人は華やかさだけを身にまとうわけじゃない。

卑小さや、みじめさ、貧しさもまとっていくんだ。

でも、それでもいいんだ。

こんなふうに「詩」になるんだ。

 

 

このときの体験が、

わたしの「ものの見方」の

ひとつの基準になりました。

 

 

がむしゃらに演劇を続けたことと挫折が与えてくれた

数少ない、でも、大きなご褒美だと思っています。




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コメント

若い頃には 見えなかったり 気付かなかったりした事が
挫折したり、傷付いたりしてこの歳になって
やっと理解出来るようになった事 ありますね

若い時って 薄っぺらな人間だったなぁ~って
つくづく思います

乗り越えてきた、悶え苦しみのお陰で
見えないものが見えるようになったことを
今では本当に良かったと思います♪

初めまして。

いつも楽しく拝見させていただいています。
演劇をやっていました。テントの雰囲気はわかります。

「詩」になる、「絵」になるには、
人として年齢を重ねる事もまた大きいと思いました。

素敵なひとと言われたら、これまでの困難も美しい記憶に
変わるのでしょうか…

  • 2014/01/29 (Wed) 05:53
  • かおる #-
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