太ったジュリーが告発する、アンチエイジングという生臭い競争。


ちょっと前に「沢田研二 in 夜のヒットスタジオ」という
豪華6枚組のDVDを買ったんです。


1975年(27歳ごろ)から1990年(42歳ごろ)までの
ジュリーを見ることができるのですが、
その間の変化もさることながら、
現在のジュリーに思いをはせながら見ると、
壮大な絵巻を見るような深い感慨と思索に浸ることができて
スリリングでたまりません。クセになりますよ。
スターの懊悩もわかります。


「60代になって別人のように太ってステージ上に表れる」という「猛毒」。
一部からは確実に受けるであろう嘲笑さえ意に介さぬふうの猛毒を
人生の起承転結の「結の前半」部分あたりに
たっぷりと垂らしてみせるあたりが、
もう、稀代のエンターテイナー(ご本人の意図はどうあれ)。


「美」の延長線上に老いをつくるのでなく
この外見に「かつての美を探しても与える手だても、つもりもない」
というように老い、歌う姿は、
羨望や欲情や好奇といった大衆の視線に倦みつくし、
自意識の葛藤に飽きつくした人ならではのものに見えます。


ある時期、意識的に、自分を「空の器」にして
あらゆる人の欲望で満たしてみせたことのある人にしか
わからない境地なんじゃないかな。


そんなことをあれこれ考えながら、
DVDのジュリーを見ているとですね。
ほかのことも、いろいろ思うのです。


アンチエイジングってつまるところ、
「今、現在」の競争を続ける意志なんだな。



とか。


もちろん人はだれでも、今を生きるしかないので
「今のわたし」と「今のあなた」が出会うしかないんですが、



「今」というこの瞬間と、その競争に、
最大の価値を置こうとする姿勢が
アンチエンジングへの情熱なんだ。




今、美しいものが勝ち。
今、若々しいものが勝ち。
今、生き生きしているものが勝ち、の思想。


過去の業績は問わない。
過去のあなたは知らない。
今、今、今。すべては今。


誰にでも等し並みに訪れるからこそ、
この「老い」にだけは勝ち、
あなたの「今」に勝利したいという誘惑と欲望!
一発逆転の可能性!!



わたしにもその欲望がないわけじゃないけど、
その生臭さをわかってやったほうが
いいといえばいいのか。


あえて溺れるように老いに飛び込み、
別の次元で頑迷なまでに戦うジュリーが
うつろな目でこちらを見て、
のっそりと肉づきのいい背中を向け、
無愛想に去っていく姿が見える気がします。


その自意識、ごくろうさん。
とあくびを一つ残して。





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「太る」と「やせる」にある、ダイエット以外の意味。

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コメント

数年前の還暦記念コンサートも昨年のタイガースのコンサートも行ってきました。小学生の頃、タイガースのジュリーのファンだったんです。
東京ドームでの還暦コンサートはなんと一人で6~7時間歌うハードなものでしたが、ジュリーは疲れも見せず、声をからすこともなく、ひたすら歌い続けました。ジュリーのすごいところはすべての楽曲を往年のままのキーやリズムで歌うこと。昔のように声が出ずに小手先でごまかす歌手が多いけれど、ジュリーは違います。外見は変わっても、歌は変わらない――そこにジュリーの歌手としての矜持を見たように思いました。それもひとつのアンチエイジングかも……。
ヒットスタジオのDVD、そそられます!

  • 2014/07/10 (Thu) 20:06
  • Tompei #4uAjNfEA
  • URL
買っちゃった…

なんてナイスな情報なんでしょうか。即Amazonに飛び、「うわ、いい値段!」と思いつつ速攻クリックしちゃいました。ああ、節約の日々なのにいいんだか悪いんだか。ちなみに怪傑ジュリイの冒険」は持ってるんですがね。
彼の半端ないプロ意識の高さと、反面、これほどの美形なのにとことん自意識のなさ(これ、当時からですよね)とのバランスがスゴイですよね、この人は。だから老醜でも結果的に頓着しないんでしょうね。それにしても若いときの彼は国宝ものだと思います。教えてくださってありがとう!!

  • 2014/07/10 (Thu) 21:14
  • manu #-
  • URL

結局、長年生きても、積み重ねた実績よりも保った、あるいは保っていると自分が思い込んだ若さだけが評価される世の中であることは、加藤茶の例を引くまでもなく功なり名をなした人がこぞって年下の伴侶を誇らしげにめとっていることからも、明らかです。みな若さに憧れ、老いを恥じているんです。その点沢田研二は、いかにもそういう俗なことをしそうに見えてしてないですよね。
でも、正直、五十歩百歩ですよね、そういうアンチエイジング合戦って。
郷ひろみは痩せてるけど、痩せたじいさん。太ったじいさんである沢田研二と若者からみたらそんなに変わらないんじゃないかと思います。まあ、同世代からすると大きな違いなんですよね、きっと。




  • 2014/07/10 (Thu) 23:25
  • サッチン #-
  • URL

こんにちわ!
4〜5歳のころ、家にあったタイガースの「ジンジンバンバン」を
ポータブルレコードプレーヤーでかけて(自分で)
その回りをインディアンのように回って遊んでいた私です。
回り疲れると、裏面のメランコリックな「青い鳥」にかえて
子供心にたそがれていました。
ジュリーは、外人みたいな独特なムードを持っていて
ほんとカッコよかったですよね。

今は原発批判の唄を歌って、社会的な活動もされてるみたいで
仕事を干されることを恐れてか?
声を上げない芸能人が多い中
そういうところも、ジュリーはカッコイイ大人だと思います。
もう太っただの、老けただのを超えた次元の人なんですね。きっと。

  • 2014/07/11 (Fri) 11:24
  • アメちゃん #-
  • URL

ずっとジュリーのコンサートに行っている物心ついた頃からのジュリーファンです。
ジュリーは地に足をつけて自分を持って生きていきたいと強く思ってますね。そして素晴らしいのは変わらぬ声量と声の張り、セクシーさ。
歌手だから歌が上手くなりたいと若いときから思っていたジュリーらしいです。
17歳の息子も「沢田さんは若い頃の映像と比べても声が変わらないところが凄い!」と絶賛してます。
大切なことが見えてる人なんですね。

  • 2014/07/11 (Fri) 15:58
  • 葵 #jLPUDwMM
  • URL

好みの顔の男性は?と聞かれたら
それこそ夜ヒットの頃のジュリーはベスト3に入ります

今でこそヴィジュ系バンドも多く
男性のメイクは特別ではなくなってきたけど
あの当時のジュリーは神でした!
あんなセクシーな男性、いなかったですよね

あたしの記憶にはないんですが
幼稚園児の頃、タイガースのジュリーがテレビに出てると
画面にキスしたり涙流して感動していたと母や親せきに聞かされてました

現在、確かに見事にふっくらしてしまいましたが
でもあの艶っぽい歌声は全然変わってないし
妙に痩せて不自然なHIROMI GOよりは素敵に思えます

DVD気になる~~~
でもたまに動画見てます、画面超悪いけど

  • 2014/07/11 (Fri) 18:08
  • MJ #-
  • URL

ご無沙汰しています。
・・というか、覚えていてもらえていないかもですね。
でも記事は、読ませていただいていました。

私は特別ジュリーのファンではなかったのですが、数年前、そのあまりにも変わってしまった姿に、ショックを受けていました。

芸能人なのに…なんで?という感じで、とても、肯定的には受け取れなかったのです。

今回この記事を読ませていただいて、あ~そういう考え方・感じ方もあるんだ…と。

とても考えさせられました。

とても温かい、モノの見方をされますよね。。
勉強になります。
私ももうちょっと、色々と考えてみたいと思います。

  • 2014/07/11 (Fri) 18:38
  • うさこ #-
  • URL

いまどき、大抵の芸能人や有名人が整形やプチ整形(ボトックスや、ヒアルロン酸注射など)をしている中で、このいかにも「いじっていない」ジュリーは、潔いと思います。

外見の美や、いくつになっても若く見える、という視点でジャッジすると、がっかりする人も多いかもしれません。でも私は整形やプチ整形をしない潔さ(体型の変化も含め)と、昔よりもずっといい声になっていることに感動しました。
 
昔はなんか神経に障る声だったけど、今はまろやかで厚みもあって、いい声になったわ~

昔は嫌味なヤローだという印象でしたが、今はかっこいい生き方をしている人だと思います。

コメント、ありがとうございます!

★Tompeiさん
わー。還暦の「ジュリー祭り」でしたっけ。
ご覧になったんですね。見たかったな。テレビでちょこっとだけ見ました。
昔とアレンジを変えないのはすばらしいですね。
ポール・マッカートニーもそうだとか。やっぱ、ジュリー、すげえ!

★manu さん
おお!大人買いしましたね!(笑)大人の特権ですよねー。
もう、ご覧になりましたか。
安井かずみ&加瀬邦彦の楽曲が入っていないのが残念ですよねー。
それが入っていたら言うことなし!
それにしても、ジュリー、最高です。

★サッチンさん
そうですねー。やはり、老いは残酷なんですよね。
でも、「過去を知る人間」(私とか)、
その人の過去を、きちんと評価して伝えることも必要だと思うんですよね。
海外の番組などでは、老いたスターをスタンディング・オベーションで迎えますが
ああいった礼儀は、必要だと思います。
ジュリーは、「日本で初めて」を数多くなした人なのでぜひとも敬意を示したいです。

★アメちゃんさん
おお、タイガースの時代ですか。
私は、なぜか、ボーっとしていて
タイガース時代はあんまり覚えていないんですが
姉が「花の首飾り」のレコードを買っていました(笑)
そうそう。原発や憲法に関する主張ですよね。
本当にもう、やりたいことを存分にやっていただきたいです。
何でも許す。その権利、ありです。

★葵 さん
うわあ、ずっとおコンサート行ってらっしゃるんですね。
40代など、とてもつらかったと思うのですが
その時期も支えてこられんたんでしょうか。すごいな。
ジュリーって声が年月とともに変わっていきますよね。
どの時期も素敵です。

★MJ さん
ねー!!そうよねー!!
夜ヒットのDVD、気になるっしょ。
上映会、する(笑)?盛り上がる??
危険なふたり、とか、追憶とかは、
入ってないのよねー。
あの当時の「若きツバメ」感も堪能したかった!

★うさこ さん
コメントありがとうございます!
ねえ、ショックですよねえ。
わたしも、心の底では、
「ジュリー、もう一度、痩せて登場して
すべての人に超絶カッコいいんだってことを見せて」と
願う気持ちはありますよ(笑)
でも、あれだけ婦女子の嬌声に囲まれて生きてきた人もいないと思うので
もう、体型は不問で(笑)

★Yurieさん
今のジュリーをしっかりとご覧になっているんですね!
「今の歌声がいい」という方、とても多いですよね。
男性のファンも増えているそうですね~。
しかし、ジュリーはずっと歌、うまいですよ。
ややフラット気味になりますがそれも魅力。
改めて聞くと「ロンリーウルフ」とか、超絶うまいです(笑)

  • 2014/07/29 (Tue) 21:44
  • カリーナ #-
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