「前を向こうよ」と励ますことあっても、
「後ろを向こうよ」とはめったに励まさないので、
前を見る=よい
後ろを見る=よくない
前を見る=若々しい
後ろを見る=年寄りくさい
というイメージが何となくあるんでしょうね。
前を見る=将来の夢
後ろを見る=昔話
というイメージもあるなあ。
とにかく「後ろ」はダメなんですね。
年を取るにしたがいどんどんどんどん増えていくにもかかわらず、
過去という「後ろ」を振り返る行為は
どうも評価が低い。
ヒマな感じ?
やることない感じ?
そのかわり、どんどんどんどん減っていくにもかかわらず、
未来という「前」を見つめる行為だけが
あちこちで推奨される。
自分も自分に言い続ける。前を見ろと。
80歳になっても、90歳になっても「前」を見るんだ、と。
本当にそうなのかな。
そんなに「前を見る」のはいいことなのかな。
・・・と、このところずっと考えていました。
2009年に自殺した加藤和彦氏の追悼本を
最近になって読んだんです。
巻頭は盟友きたやまおさむ氏のインタビューでした。
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ぼくは自分自身をセンチメンタルな人間だと思います。
精神分析をする精神科医ということもあり、
情緒的なもの、未練がましいもの、
未練がましいことを人間の大事な部分だとも思っています。
それに対して、後ろを振り返らず前向きであること、
闘うためには後ろを向いたら負けである、
という生き方をしたのが加藤和彦だと思います。
後ろを切り捨てたい人間と
後ろを向きながら前も向かざるをえないと言う葛藤をどう生きるか、
という個性の違いですね。
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こうやって一部分だけ抜粋すると
淡々とした印象を受けますが、
きたやま氏の追悼文(死の直後の10月19日 朝日新聞)を
重ねて読むと真意がわかります。
昔話に花を咲かせ、
ともに老後を過ごすことを楽しみにしていた仲間として、
そしてこれを食い止めねばならなかった医師として、
友人として、実に無念である。
過去の思い出に浸り、
未練ったらしく振り返り、
ああでもない、こうでもないと思う、
その後ろ向きの感傷は、
前に倒れないための「つっかえ棒」でもあるのか。
過去は「老いれば老いるほど増える宝」です。
使おう。めでよう。浸ろう。
タイムマシンにお願いして。
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【関連記事】そう、みんな静かに。だからつっかえ棒を準備してね。
みんな静かに閉経を乗り越える。偉いと思います。
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