死にたくなったら 沢田研二に会いにいけ。心底、励まされる。

もう、先々週のことになるんですが
沢田研二さんのライブにはじめて行ってきました。

なんでしょう。

この胸をかきむしられるような、
幾重にも重なった感情のミルフィーユは。


なんていうのかなあ。


よろこびと
切なさと
敬意と
やるせなさと
ありがたさが
混じりあった
くるおしくも劇的な体験。

そんなこちら側の前のめりな感傷を一蹴する
パワフルなロックヴォーカルと
楽観性と厭世観が絶妙に混じりあったトーク。
つねに観客の湿った感情移入を拒むような距離感もあって
孤独なアスリートのようでもありました。


人がその道で生きる。
くたばらずに生きる。
生きぬく。粛々と。誇りをもって。
その迫力と近寄りがたさ。




「この姿を老醜と思うなら、思え。」


といわんばかりに自分を放り出すこの人は、
「劣化した」「醜く太った」という大衆の心ない嘲笑すら
自虐ギャグに変えながら、
かつて浴びるほど受けた賞賛と同じ程度にクールに聞き流すことで
いつしか勲章にかえ
いのちが終わるその日まで
現役として歩んでいくのでしょう。
(きわめて人間的なグチをもらしながら)


過去の栄光が人々の口端に上らなくなることも
「流行歌手はそんなものさ」と受け入れて。
さすが、メジャーのなかの異端を歩み続けてきた人だ。
だれにマネができるだろう。かっこよすぎる。


死にたくなったら
沢田研二に会いにいけ。



これが、わたしのライブの結論。


この人は、おそらく
想像を絶する葛藤をくぐりぬけて、
いま、ここに、生きているぞ。


いやあ、「生き抜く」ってかっこいいなあ。
そのための路線変更、上等じゃないか。


それにしてもわたしは、
この方の体型が変わっていなければ
こんなに興味をもつことはなかったです。
ジュリー、貫禄つけてくれてありがとう。


「テレビに出ない人」になってからの秀逸なライブ表現の数々を見てなくて
後悔しきりですが、これからの「老いの表現」が楽しみすぎます。





フェイスブックにも毎日、なにがしか書いていまーす。

★ウェブマガジン「どうする?Over40」もメイク、ファッション、エッセー、人生相談、海外レポートと読み応えあります!→

【関連記事】そういえば、この追悼文にも「老醜をさらす」ことが
肯定的に書かれていました。
過去にしんみり浸ろう。生きるための「つっかえ棒」だから。

★その他の記事に興味のある方は↓
こちらから過去記事一覧をご覧いただけます。
一覧のページがすでに2ページになっていて自分がびっくり♪
リンク切れなどもあると思いますが、よかったらどうぞうわめづかい

★いつも応援してくださってありがとうございます!クリックしていただくとランクが上がります!ハッピースマイル

にほんブログ村 ミセス系
人気ブログランキングへ

ツイッターもぼちぼちやってます!レス、もっとも速いです。
↓↓↓

Twitterボタン
Twitterブログパーツ
関連記事

スポンサーリンク



コメント

うおー

carinaさんの表現に こころ揺さぶられます。
観に行きたいわあ。

  • 2014/10/01 (Wed) 12:30
  • よ #-
  • URL
ありがとうございます

私は長年のファンだから、欲目でそう思えてしまうのかと思っていましたが、私と同じように感じてくださる方がいらして嬉しいです

還暦コンサートで80曲歌うと聞いたとき、「思い出がよみがえる」と思いました。
でも、コンサートの帰り道は「これから先を照らされた」と思いました。
思い出が浮かぶ隙がないほど、今のジュリーだったのです。

それ以降、いま、ここに、生きているぞを感じさせるコンサートの連続です。
本当に生きていく勇気を与えてくれるステージです。

常のステージではファンの湿った感情移入を拒みつつ、何かの折にはみんなのおかげでとさらっと伝えてくれる。

こちらからは近寄りがたく、でも、大きく包んでくれるジュリーです。






  • 2014/10/01 (Wed) 16:18
  • kako-san #nL6A2.tM
  • URL

ジュリーのライブ行かれたんですね!
見た目は確かに相当劣化してしまったけれど・・・
でもあの甘い歌声はまんまですよね!

あたしも某アーチストにはまって15年ほどたちますが
彼も相当劣化してしまってます・・・
ブログで見る写真なんてもうホントなんでこんな男に・・・
なんて思ってるんですが
でもライブでステージに立つ姿はホントに素敵なんです!!!

全て完ぺきよりもちょっとここが残念。。。
って男の方が魅力あるかもしれないですよね

  • 2014/10/02 (Thu) 23:30
  • MJ #-
  • URL

私はいま40代で、youtubeによってにわかファンになったものなのですが、60代後半の母は当時バッチリジュリーのファンでした。
久しぶりに母子の意見が一致し一緒に還暦コンサートに出かけたのですが、もちろん二人とも大興奮。太っていようがなんだろうがジュリーはジュリーでしかない、と認識をあらたにしました。

そして、コンサートも終盤に入り隣の母が急に静かになり何やらバッグをごそごそしているのでお腹でも痛くなったのかと思って見ると、なんとハンカチを取り出し泣いているのです。母が。
普段あんまり感情をあらわにしない母が私の前で泣くなんて、と思い「どうしたの?!」と問うと「同い年のジュリーがあんなに変わらずにがんばっている姿を見ると嬉しくて、私もがんばらないとと思った。」と。

母もその時祖母の介護などで疲れ切っており、やっと都合をつけて連れ出したコンサートでした。何かいろいろとジュリーの姿勢から感じ取ったところがあったようです。「変わらずに」っていうのは必ずしも体型とか容姿の事ではないんだろうな。

うちの母はカリーナさんみたいにうまく言葉や文章にできなかったんだろうけど、おそらく言いたいことは同じだったんだなぁと、今回の記事を拝見してあらためて思いました。

  • 2014/10/03 (Fri) 12:33
  • #eHpZ56ZE
  • URL

カリーナさんの洞察力と表現力が素晴らしい!
この文章にしびれっぱなしです(死語?)。
還暦コンサートとタイガース復活コンサートに出向いて、
興奮し、ときめき、前に進む力をフル充電してきた一人として、
納得することしきりです。

ところで、平安寿子さんの『あなたがパラダイス』をいう小説を
ご存じですか?
ジュリーファンの更年期女性3人を主人公にしたオムニバス小説ですが、
年代的にもジュリー讃歌としても共感できておすすめです。

  • 2014/10/03 (Fri) 18:31
  • Tompei #4uAjNfEA
  • URL

ジュリーのことは好きでも嫌いでもなく、勝手にしやがれとか、カサブランカダンディくらいしかわかりません。だけれど、
「死にたくなったら
沢田研二に会いにいけ。」
忘れません。泣けました。

  • 2014/10/04 (Sat) 18:56
  • pooh #mQop/nM.
  • URL

こんにちは。はじめまして。42歳の主婦です。
楽しく拝見してます(*^_^*)
ジュリーてパラシュートしょってる姿しか記憶にないんですが、
いまだにものすごい人気なんですねえー!
平安寿子さんの「あなたがパラダイス」という作品があるのですが
(ジュリーのファンサイトの会員さんたちのお話です。)
いやーまさにカリーナさんがおっしゃってるとおりの!
ジュリーに励まされ、心の支えにし、更年期を吹っ飛ばすほどの情熱を傾け。ここまで情熱を持てる対象があるってすばらしい!
と登場人物の女性たちがうらやましくなるほどでした。
ぜひご覧になってみてください(^_-)-☆

  • 2014/10/07 (Tue) 19:31
  • りん #KcuUK.UM
  • URL
コメント、ありがとうございます!

★よ さん
お久しぶりです!コメントうれしいです。
うんうん。この文章、熱いでしょ(笑)
ジュリーは、テレビに出なくなってからも毎年欠かさず
アルバムを出し、ツアーをしてきたのですよ。
私も知らんかったけど。すごいよね。ライブ、いいよー。

★kako-sanさん
コメントありがとうございます!
「これから先を照らされた」・・・本当にそうですね。
しかも会場は「愛の空間」でした。みなさん、本当に愛してるんですね。
それに、キレイで上品な人が多いと思いました(私も含めて ウソウソ 笑)

★MJ さん
コメント、ありがとうです!元気ですか。
うんうん、行ってきたの。よかったよー。
MJさんのはまっている人って誰?おしえてくでー。

★??さん
コメントありがとうございます!
還暦ツアーに親子で参加されたなんて素敵ですね。
お母さまの気持ち、とてもよくわかります。
まさにジュリーと同世代ですもんね。
そうやってともに歩むって本当に素晴らしいことだと思います。

★Tompei さん
しびれっぱなし、なんて素敵な言葉を使ってくださって
こっちこそしびれっぱなし(爆)
タイガース復活コンサート、いいなあ、見たかったなあ。
「あなたがパラダイス」読んでますよー。
「世界は僕らを待っていた」も読みましたよー。
追い上げ、すごいでしょ(笑)
「あなたがパラダイス」よかったなあ。

★poohさん
コメントありがとうございます!
うわあ、そんなふうに言っていただいて
こちらこそ感激です。
ほんと、死にたくなったら会いに行ってください、
頑固で愚直で、しかし、誠実で謙虚な男がそこにいますよ。

★りん さん
うわあ。読んでいただいているなんて光栄です!
はいはいはいはい!
「あなたがパラダイス」読みました。いいですよねー!
でも、あの方、実はショーケンファンなんですよ。
長年のジュリーファンだと思わせるところがプロ!
どこかのタウン誌かなんかで読みました(笑)

  • 2014/10/09 (Thu) 22:19
  • Carina #-
  • URL
みんなジュリーに教わった

素晴らしいジュリーコメントありがとうございます。pygでハマり、思春期真っ盛りで、ニッポン放送の「沢田研二愛を求めて」を、速記。速記などと言うテクは知らなかったけれど、ジュリーの一言一句漏らすまいと、必死でノートにコトバを書きうつしました。直接的に声高に言うことは少くて、でもいつも自分のコトバで世の中のこと、常識と言われることに、そうやろか、考えてみてよと、私にとっては、そこでなにかが育くまれて行きました。もう、アイドルとかスターとの域を超えた人になってしまったです。子どもだったから。だから、残念なことに、当日の綺麗綺麗なジュリーをいま再認識。速記してる場合じゃなかった。YouTubeよ、DVDよ、ありがとう。後年書くこと周辺のお仕事についたのも、あの日のラジオ授業のおかげ。ジュリーは一朝一夕にしてならず。人として先ず尊敬するしかない。そう言う小難しいファンは嫌でしょうけれど、しかたがない。教育うけちゃたんだから。

  • 2014/10/12 (Sun) 01:09
  • 森熊 #-
  • URL
No title

素晴らしい
感激しました。
ありがとう。

  • 2016/02/07 (Sun) 09:21
  • ナタリー #-
  • URL

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する