ああ。「ときめきの不均衡」という老いのラブストーリーよ。


あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


年末、「塩野七生×向井理 魅惑のイタリア大紀行
~ルネサンスとは何であったのか」

という番組を見たんです。
昨年6月のものの再放送のようでした。
ローマ史が好きなんで、すごくおもしろかったんですけど、
ほかの意味でも味わい深かったのです。


いや、これは、もう、わたしの勝手な妄想なんですけど、
「美しく博学な老いた女」「美しく聡明な若い男」
初めて出会ったときに繰り広げるであろう心理ドラマが
あれやこれやの場面で散見できて、
その意味でも豊穣かつ複雑なドキュメンタリーだったのです。


78歳の塩野さんは、
さすがに老いを感じさせはしますが、
オシャレも会話も仕草も
すべてにおいて現役の「女」を感じさせる人です。
(そうあろうと努力もされているはず)


イタリア在住ならでは!と、うなる
ボリュームあるウェイビーで女性らしいショートヘア。
よく似合う存在感のあるメガネ。
大ぶりのピアスや指輪などのアクセサリー。
肩にゆったりとかけて、ときどきその華奢な肩からずり落ちる
ルーズなラインのカーディガン。


その塩野さんが、向井氏を前にして
思わず過去の恋愛遍歴を語ってしまったり、
ダビデ像に「若く美しい肉体を見る自らの老い」を
語ってしまったりする場面…。


あああ。わたしのゲスの勘繰りかもしれませんが
いや、きっとそうでしょうが、
眼前の「若く美しい男」に
塩野さんの心が揺れているのではないか。
それは、含羞を含んだときめきにすら見えるぞ。


そして、その「美しく博学な老いた女」を前に
「美しく聡明な若い男」はゆったりと微笑んで座り、
限りなく礼儀正しく、優しく、興味深げなのです。
完ぺきな受け答え。
ただ一つ、そこにないのは、ときめきだけ。


ああああ。この、ときめきの、不均衡よ!


ときめきの不均衡って
なんて切ないんでしょうか。


そして、この「ときめきの不均衡」こそが、
老いた人のラブストーリーを
絶望的なほどに切なく、甘く、狂おしくするのだなあ。
(わたしは、そんなことがわかる年になったのだーー!)


人と人はつねに同じ条件で出会えるわけではありません。
出会うときの年齢によって
「関係の行方とその可能性」は
大きく制限されるのですよね。


若いとき、
そのことに人は無頓着でいられますが、
老いてくると気づく。


「この若い異性の前にいるわたしは、
かつてなら、
この人の心をときめかせることのできた
女(または男)だったのだ」と思い、
ときめきをさとられないように
年長者らしい慈愛めいた表情に変えるのです。
(ああ。「断念」という名の切なすぎるロマンチズム!)


場所がフィレンツェ&ローマだっただけに
あらゆる意味で豊かな時空の旅でした。
映画みたいだったよ。





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コメント

賀 春

年の初めから厚かましく失礼します。今年もよろしくお願いします。
にしても、年頭より、嗚呼、やれやれやれやれーー。
馬鹿らしいけど、狂おしいことですね。つらいわ。

くすむ人は見られぬ( まじめくさった人は見ていられない )
夢の夢の夢の世を( 夢の夢の夢のようにはかないこの世の中を )
うつつ顔して( 正気な顔をしている )

何せうぞ( 何になるだろう )
くすんで ( まじめくさったみたところで ) 
一期は夢よ( どうせ一生は夢だ )
ただ狂へ( 狂ったように生きればよい ) 

「閑吟集」をコピペして貼ってしまいましたが、お許し下さいませ。
かといって、狂って、熱中して懸命にもなることもできないのがこれまた。
ま、現実はぼちぼちと。
未読のまま本棚に並んでいる「チェーザレ」も読もうと思います。

  • 2015/01/07 (Wed) 01:16
  • あきら #dI6DO0LA
  • URL
気付いてます

明けましておめでとうございます。
あの、若い側が無頓着でいてくれると思いたい気持ちは分かるのですが、残念ながら気付いてます。そして、申し訳ないけれど気持ち悪いと思ってしまうんです。悲しいけど本当です。
慈愛方面にカモフラージュできてるって思っているのは本人だけかもです。

  • 2015/01/07 (Wed) 14:47
  • まる #-
  • URL
老いという残酷さ

わっはは~
透明マントより残酷な問題ですよ。これは!
イタリア男はマナーとして老女をフォローしますけど、日本男児はスルーでしょ。
そのTV見てないけど目に見えます。
私の場合で恐縮ですが、老男が「いつもきれいだね」と言ってきても「ありがと…」と冷静にスルーできるもん(私55歳)
35歳の男なら、にこっと動揺するけどねっ!

  • 2015/01/07 (Wed) 18:44
  • エリン #-
  • URL

開けて早々、含蓄のあるお言葉に、しばし考え込み…。
若かりし頃は、周囲の適齢期男性が、いつも「性の香り」のようなものをまとっているのが煩わしく、言い寄ってくる男性に嫌悪感を抱いたものでした。自然に話せる異性がいなくて、異性=恋愛対象。
言い寄られるのは大嫌い、代わりに、言いよるのに躊躇なし、と私自身も恋愛ハンターの一人でした。
50を過ぎた今となっては、若い男の子たちが正しく、可愛く優しく礼儀正しく、昔のような重苦しい「性の香り」も撒き散らさず、軽やかである一方、一抹の、いや、二抹、三抹の寂しさが。
畳に黒髪を擦り付けるような濃い恋心が懐かしくもあり、淋しくもあります。
ところで、熟年で再婚するカップルは、どのような恋愛をするのでしょう?若い頃と同じように、何時間顔を見つめてても飽きないような、濃い恋愛?それとも年相応な恋愛?
大体、年相応な恋愛とは、どういうものなのでしょうね?そんなものあるのかしら?
実技で試すわけにもいかず、また試す女気もないので、妄想を膨らますだけですが。

  • 2015/01/07 (Wed) 19:09
  • あんな #/Qo2uXNc
  • URL

テスト

  • 2015/01/08 (Thu) 13:48
  • カリーナ #-
  • URL

 お久しぶりにコメントさせていただきます。お話の番組見ました。が、まさかそんな見方があるとは気づきませんでした!そして、なんてタイムリーなんでしょう。ものすごく年下の男性を意識してしまうのです。今私は38歳未婚ですが、塩野さんの立場に立つ側ですので、塩野さんほど恵まれた方でも大変であろうに、年をとっても楽ではなく己の恥の始末も分からないことが怖いです。
コメント欄もすごく参考になります。カリナさん、ブログ続けてくださいね!

  • 2015/01/08 (Thu) 21:53
  • ファイナ #-
  • URL
なんかせつない

いつも楽しく拝見させて頂いております、初めてコメントさせていただきます。私も40代後半に入り、恋愛ごとは一応いまだ現役ですが、最近はやはり恋愛がいつまで続けられるのか・・いつかは現役を退かなければいけないのか・・それよりなにより「ときめき」がそもそも無くなるのではないか・・と懸念しているこの頃です。・・でもこの記事を読んでいくつになっても「ときめき」が存在するのは素晴らしい!!と思うと同時に、行き場のない受け取ってもらえない「ときめき」が冬の木枯らしの様でなんだかせつなくなってしまいました。いくつになっても女でいたいと思う自分でしたが・・なんだか考えちゃいました。

  • 2015/01/09 (Fri) 10:07
  • みゆ #bLNrjBuk
  • URL

今年もよろしくお願いしますね!

年下男性好きなあたしなので興味深く読ませていただきましたが
男女の関係において女が年上ってめっちゃ気にするけど
海外だとそうでもない場合が多かったりしますよね

実際友人も10歳以上年下の外国人と結婚しましたし
国が違うと文化や育った環境がもともと違うので
あまり年齢が関係なくなるんでしょうね

  • 2015/01/09 (Fri) 20:24
  • MJ #-
  • URL

★あきらさん
あけましておめでとうございます。
ふふふ。そういうことです。
今年もよろしく♪

★まるさん
おめでとうございます!
その後のコメントもありがとうございます。
何か不具合が起きたみたいですね。ごめんなさい。
まるさんの状況もわかりました。
そんなことがあったら、ちょっと「気持ち悪い」ですねー。

★エリン さん
ははは。そのお気持ち、めちゃめちゃわかります(笑)
35歳なら動揺しますよねー。
しかし、そうか、ここにも国の違いによる文化の違いが!
私も「日本的」に毒されているんだわーー。

★あんなさん
ああ、もう、しみじみわかります。
ねえ。そうなんですよねえ。一抹も二抹も寂しさがねー。
やはり、面倒くささと快楽は両輪なんですね!
わたしも、熟年カップルの恋愛、教えていただきたいです。
どなたかコメントしてくださらないかなー。

★ファイナさん
コメントありがとうございます!
ファイナさん。38歳で年齢を意識するのもわかりますが
(その年齢を通過しているので)
しかし、気にする必要ありませんぞ。
38歳なら10歳下にも、10歳上にも
現役としてイケる!攻めてください、どこまでも。
切なさの先取り無用っす。

★みゆさん
いつも見ていただいているなんて光栄です。
ありがとうございます。
みゆさんの40代後半のその思いも
なんだか素敵だなあ。
40代というのは、確かに若さを少しずつなくして行くんですが、
それでも、というかそれゆえにとてもセクシーで素敵な年代だと思います。
切なさを先取りしすぎず、恋愛を楽しんでくださいよーー。

★MJ さん
こちらこそ、よろしくです!
ウェブマガジンにもコメントサンキューです。
やっぱ、そうなんだねー。
こういうのも「日本的」なんだろね。
恋愛のグローバルスタンダードになるには、
どしたらよかんべ。教えてくでー。

  • 2015/01/09 (Fri) 21:27
  • カリーナ #-
  • URL

カリーナさんこんにちは♪
これ私も意識してたことですが
こんなふうに明晰に文章化するって凄いな~
カリーナさん、さすがですね!

で思ったんですけど、人って自分にないものに惹かれますよね。
だから、トシいったら若い異性は気になるの、当然。
だって自分が若くて周りに若い男いっぱいいたら、
何とも思わなかったですもんね。

小さい子供が好きなおじいちゃんおばあちゃんとか
全面に毛の生えた温もりある生き物に惹かれる人とか・・・
私もですが(笑)

だから、かまわないって結論です♪
相手に無い、相手が欲しいものを持ってればいいのですが、
ない場合は、ひっそりと好きでいるだけですね。

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