老いの階段をのぼると、「老いの肯定」がうっとうしくなる?


昨日、本屋さんに並んでいた雑誌「つるとはな第2号」は、
清潔感のある白髪の素敵な女性が笑顔で表紙を飾っていて


「でかいパンツをはいたらすぐに老けますよ」という
リリー・フランキー氏の言葉と


「私から年齢を奪わないでください。
働いてようやく手に入れたのですから」
という
どなたかの言葉が並び、


「老い」の取り扱い方に丁寧さとゆとりのある感じが伝わってきて、
なるほどなあ、そういう姿勢なんだなあと思ったものの
あまりページをめくらず、
買うこともなく帰ってきました。


雑誌に魅力がないと言いたいわけじゃないんです。
きっとあるんです。


わたしが、「老いを肯定する」系の本を
買わなくなったのです。



随筆であれ、雑誌であれ。
素通りするようになってしまった。


これはねえ、あれですよ。


老いの階段をひとつのぼっちゃったんですよ。わたしが。
(人間的成長という意味じゃない)



平たく言うと
またちょっと年をとった、ということ。


老いを肯定も否定もできそうにない。
しかも、自分は立派になれそうにもない。


あれもこれも、ズルズルズルズルひっぱって
まだまだあれにも、これにも未練があって、
自分の年齢と折り合いをつけたつもりになったと思ったら、
「ああ。もう少し若ければ!」と
地団太を踏むこともあって
結局はその繰り返しで
わたしって人間は、
そういうふうに生きていくんだろうと。


だから、もっと滑稽な老い方や
はみだした老い方や、
おかしな老い方や、
そんなほうが見たいや!と。



見て、「なーーーんだ、これでいいんだ」って思いたいや、と。


いつまでも若者の店で服を買わせてくれ、的なことか??
(↑比喩だからファッション的見地から批判しないようにーー)


老いも若きもごちゃごちゃでいいんじゃないか。
「人間的成長」のイメージ、
「老いによる完成」のイメージ、堅苦しくないか。
一種のイメージの「檻」になってないか。
ぶっちゃけ言うと、そんな印象をもつようになりました。



ああ。ごちゃごちゃなまま
完成しないまま
それらをも人間的な豊かさにして
生きていけたら!!
幼さも未練も醜さもみんなまるごとを肥やしにさ。



感じのいいカフェでゆっくり読むといいと思います。





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コメント

つるとはな

わたしも今日偶然書店で見かけました。表紙見ただけで、見出しを見ることもなく、手に取ることもなく素通りしました。あ、見かけない雑誌だな。という印象だけで。
老への心の準備とか、心意気とか、なんかもうお腹いっぱいなんです。
かっこいい年上の女性は、リアルに前を疾走してますしね。
年上の友人は常に刺激を与えてくれています。いつも感謝です。

ところで、昨日、近くのAEONで、わたしの好きなタイプの大きなパンツが大幅割引でした。たくさん買っちゃいました。色違い、レース違いで。
てことは、全速力で老け込むかもですね!

  • 2015/07/02 (Thu) 20:33
  • 爽子 #0QjNWJMw
  • URL
ごちゃごちゃの色合い

カリーナさん、初めまして。
いつも、率直で独特の切り口を楽しませていただいています。

>老いを肯定も否定もできそうにない
同感です。
というより、むしろ、あぁ、わたしもそんなふうに感じていたのか…と気付きました。

自分の"ごちゃごちゃ"の色合いのパレットを手に、毎日少しずつ違う絵を描いている。少し離れた視点でそんなイメージを勝手に(絵は描いたことありません・苦笑)思い描いてみたら、楽しくなりました。

来週は、カラー&カット編で美容室に行ってきます。


  • 2015/07/02 (Thu) 21:04
  • Ariette #KzI3FEAE
  • URL

おはようございます。
私も最近、女性誌を買わなくなったな〜。
雑誌が提供する「老いの素敵さ」って
カリーナさんがおっしゃるように
なんかこう、、、堅苦しい檻にはめられる感じがします。
そうじゃなくて、もっと自由でいいのに、、と思います。

私は、いろーんな人が混在する世界が好きなので
滑稽だったり、はみ出してたり、ただ普通に生きてたり
どんなカラーもごちゃまぜに幸せに生きてる世界が良いです。

そういう意味で
やはり私が理想とする老い方は、野村のよっちゃんや高見沢俊彦ですね。年齢を超越して、とっても楽しそうです。

  • 2015/07/03 (Fri) 09:29
  • アメちゃん #-
  • URL

そうですね~情報が氾濫してて・・もう色んなとこで色んな事言われて
気がつくと同じ雑誌なのに前と真逆のテーマになってたり!

素敵に老いるとか私には良くわかんないですが・・・自分以外の自分には結局なれっこないしとか思ったり

ごちゃごちゃで未完成の方が人間らしくていいじゃないかと、私も思います。

私の祖母はずっと死ぬまで、いつでも明るく良く笑い少女の様な人でした(容姿や服装がじゃないですよ)私は好きでそんな風にいたいなあと思っています。

  • 2015/07/03 (Fri) 10:14
  • みゆ #wdP/2LTM
  • URL
おばさんを極める

うちの母親は70歳ですが、なんていうか、お婆さん感は全くなく、現役のおばさん感満載です。孫の子育てに全面的参戦中だからかなあ。
小肥り、小柄、色白で張りのある肌質、髪はいわゆるおばさんパーマでボリュームあり、姿勢がいい、いつもニコニコ。パステルカラーとスカートが似合うのどかタイプ。
別に目指したくは無いんですけど、あれはあれで、1つの方向性かな?と思います。
おばさんを極めてお婆さんを防ぐ。

  • 2015/07/06 (Mon) 12:50
  • まる #-
  • URL

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